重要人物の暗殺、エレンの脱獄……仲間に不信感を募らせるパラディ島勢力の今後はどうなる/アニメ「『進撃の巨人』The Final Season」第12話
公開日:2021/3/6

結晶化して眠りについたままのアニ。彼女に触れようとするアルミンと、その場を訪れたアニの憲兵団の同期・ヒッチの会話から第12話は始まる。ヒッチはアニが女型の巨人で、パラディ島勢力の敵だったと知りながら、定期的に会いに来ているようだ。
ヒッチは、アニたちマーレ側のエルディア人が抱える悲しい事情をほぼ知らない。4年前、ヒッチは相思相愛だったマルロを獣の巨人ジークに殺されてもいる。「罪を憎んで人を憎まず」を体現したかのような存在だ。
一方、ピクシス司令官と、マーレを裏切った義勇兵イェレナの会話も緊迫している。エレンと密会したことを打ち明けたイェレナ。自分の行動はすべてエルディアを思ってのことと述べるイェレナをピクシスも周囲も信用していない。ピクシスはイェレナにエレンとの会話をすべて話すよう命令する。
「うまい嘘のつき方を知っておるか? 時折、事実を混ぜて喋ることじゃ」
ジークに心酔するイェレナは仲間にすら言っていないことが多そうだ。別の場所では調査兵団団長のハンジと、イェレナと同じ義勇兵のオニャンコポンが話していた。彼はエレンとイェレナの密会を知らないと言う。
オニャンコポンは嘘をついているように見えない。
牢獄にいるエレンはマーレ襲撃に関して黙秘を続けている。周囲の、イェレナ、そしてエレンへの不信感が深まる。
それでもエレンを信じたいと願うのは幼なじみのアルミンとミカサだ。しかし二人がパラディ島勢力のトップであるザックレー総統にエレンとの面会をかけあった直後、総統は爆殺されエレンは牢獄から脱走する。エレンを守るためにいつも勇敢だったミカサは激しく動揺してしまう。
一方、エレンは脱獄後、多くが調査兵団兵士で結成された「イェーガー派」と合流していた。
パラディ島勢力は、宿敵であるマーレ勢力のみならず、仲間をも信じられない状況に陥る。エレンの同期は真っ先にイェーガー派ではないかと疑われ、さらに彼らの中でも疑心暗鬼は高まり、アニメ1期から共に戦い続けたコニーですらミカサに疑いの目を向ける。
ピクシス司令官は兵士たちの殺し合いを避けるため、エルディアのことを考えザックレー暗殺の件を不問にすると述べる。殺されたザックレー総統とピクシス司令官は長い付き合いだ。まさに断腸の思いで、ピクシス司令官は現実と向き合っている。アニメ3期で、当時の調査兵団団長エルヴィンの死を受け入れるしかなかったリヴァイの姿が、まぶたの裏に蘇る。ザックレーとピクシス、エルヴィンとリヴァイ。友情を超えたものが彼らの間にはあった。
すべては、エルディアの平和のため。ただ、それは世界の平和に繋がるのだろうか。
一方、終盤ではサシャの両親と孤児たち、ガビ、ファルコが豪華なレストランを訪れる描写がある。サシャの両親は、ガビが自分の娘を殺したことをまだ知らない。
そして最後の画面に注目してほしい。民間人の後ろで新聞を読んでいる女性がいる。彼女はピーク(車力の巨人)だ。
既にマーレの戦士がパラディ島壁内に潜入している。
来週、いったい何が起こるのか。しばらく姿を見せていないジークのことも気になる。イェーガー派やマーレの戦士たちが動きを見せるのはまもなくだろう。
文=若林理央