娘を殺した犯人を知ったサシャの両親はどうする? 高官たちが飲むワインには秘密が……/アニメ「『進撃の巨人』The Final Season」第13話
公開日:2021/3/10

今回のエピソードでキーポイントとなるのは、ワインである。
序盤は森にいるリヴァイとジークの会話から始まる。ジークはリヴァイに、獣の巨人の能力によって、獣の巨人の脊髄液を吸ったユミルの民(エルディア人)は直後に硬直、意識を失って巨人化し、ジークの命令に従うようになると話す。
リヴァイとジークはアニメ3期からの宿敵である。リヴァイはジークがかつてそうして1つの村を丸ごと壊滅させたことに対して罪悪感を持っていないと指摘し、嫌悪感を募らせる。
そもそも、ジークの話をすべて事実と受け止めて良いのか。その答えは、本話の終盤に少しずつ明かされることになる。
場面はエルディアの兵団の上官もよく訪れる豪華なレストランに切り替わる。そこではサシャと繋がりのあったマーレ人のコック・ニコロが働いている。ニコロに声をかければ、故郷マーレに帰る方法がわかるかもしれないと親切なカヤはガビとファルコに言い、レストランに一緒に来たのだ。招かれたのはサシャの両親だが、彼らは一緒に暮らす孤児たちにもおいしい料理を食べさせてあげたいと願い連れて来ている。
しかし、この時点ではサシャの両親もカヤもまだ知らない。サシャを殺したのがガビだということを。
時を同じくして、ハンジやエレンの調査兵団の同期たちも聞き取り調査でレストランを訪れていた。
ガビとファルコは、ニコロとの接触に成功する。マーレに帰還するために……という2人の話を聞きながらニコロは察する。この2人、もしくはどちらかがサシャを殺したのではないかと。それを問われたとき、とっさにファルコはニコロの表情がこわばったことに気づくが、ガビは胸を張ってそれを肯定する。
怒りにかられたニコロはワインの瓶をガビに向かって振り下ろした。ファルコはガビをかばって殴られ、血を流しながら倒れてしまう。
ニコロはサシャを殺したのはガビだとサシャの両親たちに告げ、彼らにガビを殺してもらおうとするが、2人はガビを許す。マーレの巨人たちに日常が破壊されサシャが殺されたのは事実だが、ガビもマーレでサシャに大切な人を殺されている。
「世界は命の奪い合いを続ける巨大な森の中やったんや」
「せめて子供たちはこの森から出してやらんといかん」
過去の罪を子どもたちにまで背負わせてはならない。彼らは憎しみの連鎖を断ちたいと思っているのだ。この価値観は、ガビの今までの人生にはないもので、彼女は驚愕の表情を浮かべる。
ただガビを許せない人もいる。母を巨人に食われ、すんでのところでサシャに命を助けられたカヤだ。彼女は「友達だと思ってたのに」と叫びながらガビを殺そうとしてミカサに止められ、ミカサとアルミンは安全のためガビを別室へ連れて行く。
調査兵団はファルコの救護にあたるが、ニコロはファルコを殴ったワインにはジークの脊髄液が入っているかもしれないと述べる。ワインはファルコの顔を伝い口に入っている。そのワインはジークの信奉者イェレナが持ってきたものだそうだ。
ただ、ジークの脊髄液を飲むと硬直するはずだが、ファルコはそうなっていない。
序盤にジークがリヴァイに話した内容には嘘が含まれている可能性が高い。脊髄液の入ったワインは上官たちも飲んでいる。
そして、レストランにはイェレナのスパイもいた。彼によって、エレンと、エレンについた「イェーガー派」の兵士たちが、レストランに乱入する。
エレンはアルミンとミカサ、ガビのいる部屋に入る。別室では、兵士たちがジークの居場所まで案内しろと仲間であるはずのハンジやジャン、コニーに銃を向けていた。彼らはワインに入っている脊髄液のことも知っていたのだ。
「お前らと話がしたくてな」
アルミンとミカサを前にしてエレンは言い、12話は終わる。エレンの今の気持ちは読めないままだ。
文=若林理央