アイデア満載! 元ヤン派遣社員女子が作るコンビニ食材アレンジごはん【作ってみた】
公開日:2021/4/14

今社会人として普通に働いている人でも、大なり小なり消したい黒歴史を持っているもの。大人になって冷静に考えると「なぜあんなことをしていたのか…」「あれはないわ…」と頭を抱えてしまうようなものもある。『派遣社員あすかの元ヤンごはん 1』(大島幸也/KADOKAWA)の主人公・吉野飛鳥も、“とある過去”を隠しながら派遣社員として働いている1人だ。
■人気料理研究家・ジョーさん。監修のアレンジごはんがおいしそう!
大人になった現在の吉野は、表向きは真面目で人望も厚い“デキる女”タイプ。しかし学生時代の彼女は、実は「群馬の暴れ鷲」と名を轟かせていたほどのガチヤンキー。北関東で負けなしと恐れられていた“元ヤン”なのだ。そして今でも正社員の座を虎視眈々と狙っており、心の奥底では強い闘争心を燃やしている。でもだからこそ、元ヤンであることは絶対に知られてはいけない。
そんな中、吉野は給湯室である話を聞いてしまう。それは営業1課の人が元ヤンであったことが発覚し、クビになったという話。それを聞いた吉野は、一日中そのことばかりを考えてしまい、帰りにコンビニに寄るも晩ごはんを買わずに帰ってしまった。買っていたものといえば、「スナックお菓子チーズ味」「ポテトサラダ」「ごはん」の3つだけ。
だが、ここで諦める吉野ではない。「うまい+うまい+うまい=うまい」のではと考え、この3つをミックスして晩ごはんを作ることにしたのだ。ここから、彼女のコンビニ食材を使ったアレンジごはんの日々が始まっていく――。
こうして偶然から始まった吉野のアレンジごはんだが、意外ながらもおいしそうな組み合わせが多く、しかもどれも驚くほど簡単に作ることができる。天才か……! それもそのはず、この吉野が作るコンビニ食材を使ったアレンジごはんは、Twitterフォロワー数26万人超えの人気料理研究家・ジョーさん。がレシピ監修をしているのだ。
■コンビニ食材アレンジごはんをマネして作ってみた!
コンビニで手軽に買えて、手間もかからなくて、しかもおいしそう!とくれば、これは筆者も試してみたい。ということで、1話の「ポテサラ丼かりかりチーズ乗せ」と2話の「塩プリントースト」を作ってみることにした。
○「ポテサラ丼かりかりチーズ乗せ」

1つめは、先ほど紹介した中に出てきた「スナックお菓子チーズ味」「ポテトサラダ」「ごはん」の3つを組み合わせて作る「ポテサラ丼かりかりチーズ乗せ」。ごはんを温めて器に盛り、買ってきたポテトサラダ、砕いたスナック菓子をのせるだけ。

正直、「え、そんなのアリなの!?」と思ったが、実際に食べてみると予想に反して違和感なくおいしい。程よく熱せられたポテサラがごはんに絡み、スナックのザクザクとした食感がいいアクセントになっている。味もしっかりめについているので物足りなさもなく、何もかけなくてOK。スナック菓子を食事として食べる罪悪感もまた、おいしさに拍車をかけているような気がする。
○「塩プリントースト」

2つめは、2話で登場する「塩プリントースト」。正社員への道が見えてきた中、新しいスタッフがくるという噂を聞いてしまった吉野。気になりすぎて睡眠不足になるも、朝食で気分転換しようと前日に買っていた朝ごはんを準備することに。しかしデザートのプリンをうっかり落としてしまう。当然中身はぐちゃぐちゃ……。
そこで吉野は、食パンにぐちゃぐちゃのプリンをのせてトースターで焼いてみることに。仕上げにアクセントとして塩を一振りすれば、あっという間に完成!

プリンのとろけるような甘さにカラメルのほろ苦さが絶妙なバランス。食パンと一振りした塩の塩気が味を程よく引き締めてくれるため、朝食としてしっかり満足できる一品に。食パンの白い部分をスプーンなどで少し凹ませておくと、プリンのおさまりがよくなりより綺麗に仕上がる。
どちらも簡単でありながら味は妥協しておらず、完成度の高さに思わず感動。このあとも、吉野は次々とおいしいコンビニごはんを生み出していく。会社では正社員の座を狙いつつ仕事をこなし、コンビニで食材を調達してはアレンジを楽しむ吉野。後半ではひょんなことからごはん仲間も増えて、アレンジもより幅広くなっていく。
この『派遣社員あすかの元ヤンごはん』を読んでいると、「料理はめんどくさい」と「ちゃんとしなきゃいけない」という考えが崩れ去り、いろんなものを組み合わせてみたくなる。みんなそれぞれ何かしら抱えながら生きているが、食事くらいは難しいことは考えず、吉野のように自由で楽しいものであったらいいなと感じた。次は4話の「ガツンとにんにくチャーハン」を試してみようと思う。
調理・文=月乃雫