勉強より遊びが優先!? 遊びは特性を見出すチャンス!/自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て④
公開日:2021/5/3
『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て』から厳選して全6回連載でお届けします。今回は第4回です。
わが子を「見守る」子育て、待望の第2弾が登場! 子どもの「勉強」「遊び」「生活習慣」「人間関係」について具体的に事例を紹介しながら、子育てで知っておきたい“コツ”を紹介していきます。

コツ1 遊び方に表れるその子の特性を観察する
遊んでいるときの子どもは、一番ナチュラルな状態です。ですから、子どもが遊んでいるときの様子からは、さまざまなことがわかります。具体的には、次のようなことです。
・その子が得意なこと
・その子の心が動くこと
・その子の情報のとらえ方
お子さんの強みを伸ばす秘訣は、その子が持つ特性を生かすことですが、その特性を見出すチャンスが遊んでいるときなのです。
「何が好きなの?」「何をしたい?」と尋ねても、「これがいい!」「これがしたい!」とはっきり答えられる子は少ないものです。
しかし、言葉で伝えることができなくても、遊びに没頭しているときの子どもは自然と自分らしさを出しています。本来の才能を、遊びの中で発揮しているのです。
そもそも子どもは、大人に何かしてもらうことで育つのではなく、放っておいても自分で育つ力を持っています。遊びの時間をたっぷり持たせてあげることで、自ら育つ力はますます発揮されます。
親御さんたちの中には、「遊び」を「勉強」の反対だと思っている方や、「遊び」より「勉強」のほうが大事だとお考えの方がいますが、それは違います。遊びは子どもが自ら育つ回路をスムーズに働かせるためにとても大切なもので、遊ぶからこそ勉強もできるわけです。
ですから、遊びと勉強のどちらが優先かと言えば、それは圧倒的に「遊び」です。
勉強は知識や技術でなんとかなるものですが、遊びは子どもの生命力を育てるものだからです。
▼大人が「遊び」だと思っているものだけが遊びではない
今は低学年から塾通いをするお子さんも珍しくありませんから、「じゃあ、子どもに塾通いをさせるのはよくないこと?」と心配になる親御さんもいらっしゃるかもしれませんね。この点については、塾に通うことがその子にとって「遊び」になっていれば、問題ありません。
塾の先生の話が楽しい、習ったことをベースに親子でクイズ大会をするのが楽しい、塾の行き帰りの時間に親や友だちとおしゃべりするのが好きなど、「本人らしくいられる楽しさ」があれば、それは遊びと言うことができます。
大人は、計算ドリルをするのは「勉強」で、キャラクターの絵を描くのは「遊び」というふうに分けてしまいがちですが、本当はそうではありません。計算ドリルを本人らしく楽しんでいれば、それも「遊び」です。
楽しんでいるかどうか見極めるには、普段からお子さんの遊ぶ姿をよく見ておくことです。「楽しいときは口数が減るみたい」「集中しているときは体をゆらゆらさせるんだな」といったことを把握していれば、計算ドリルを解いているときに楽しめているかどうかもわかるようになります。
まずは、お子さんをたくさん遊ばせてあげましょう。そして、お子さんの遊ぶ様子をよく観察し、その子の特性を見出してあげてください。