栄華を極めた平家の食生活は?/日本の食べものクイズ<雑学大王 日本史編>
公開日:2021/7/6
【答え】デザート付きの豪華メニュー
【解説】
平安末期、武士としてはじめて貴族を上回る栄耀栄華(えいようえいが)を手中にしたのは、平家だった。ところが、あふれるほどの富を手にした平家は、毎日のように豪華な食生活をおくり、そのために質実剛健を旨としていた源氏との戦いに敗れてしまったのだから、世のなか皮肉なもの。まずは当時の貴族たちが毎日食べていた豪華メニューを紹介しよう。貴族のディナーの第一の皿は、クラゲ、ホヤ、キジのもも肉、タイなどをミソのようなものであえたり、塩辛などにしたもの。この次に干物。これはキジ肉やサケを干したもの、蒸しアワビの干したものが出された。干物のあとは生物。コイ、タイ、サケ、マス、スズキ、キジの肉を薄く切って出し、生で食べていた。軽く柑橘類などの酢であえたナマスが出されることもあった。果物は、ザクロ、干しナツメなどが主なもの。クリ、タチバナ、アンズ、シイの実、モモ、ナシ、カキなどもよく食べられていた。そして、唐(とう)から伝わった製法でつくった菓子が出され、さらに粉餅、汁物などが出された。その後、酒宴がえんえんと続き、夜もふけたところで、ようやく飯が出て終わりとなる。平家の武士もこうしたものを毎日のように食べていたから、いざ合戦となり、戦場に出ても、干し飯や味噌程度の兵糧では不満ばかりが高まって、戦闘意欲を欠いてしまったのもよくわかる。奢(おご)る平家が滅びた原因の一つに、ぜいたくきわまる美食があったことは歴史の落とし穴かもしれない。
雑学総研