日本のことわざ「壁に耳あり」。実は、中国語がもとになっていた!/世界のふしぎなことわざ図鑑
公開日:2021/10/20
ことわざを通して世界の旅に出かけませんか?
少し例えるモチーフは違うけれど、世界にも同じ意味のことわざがたくさんあります。
日本の有名なことわざ「ネコに小判」が、インドでは「サルにしょうが」、フランスでは「豚にジャム」。「月とスッポン」はマレーシアでは「キュウリとドリアン」、フランスでは「昼と夜」と表現されます。
世界を旅するように、たくさんの世界のことわざにふれ、世界中の人々の暮らしぶりや考えを伝えたい――。著者のことわざ研究家・北村孝一さんが、「日本のことわざ」とよく似た意味をもつ「世界のことわざ」を紹介します。
今回ご紹介する日本のことわざは、「壁に耳あり」、「郷に入っては郷に従え」です。
※本作品は北村孝一:著・伊藤ハムスター:イラストの書籍『320のことわざで 世界が見渡せる 世界のふしぎなことわざ図鑑』から一部抜粋・編集しました。
紙面の色味について、実際の本と色味が異なります。ご了承ください。

日本のことわざ 壁に耳あり

意味 まわりに人がいないと思って話すと、見えないところでだれかが聞いていることがあります。壁を人にみたて耳があるといって、秘密がもれやすいことをたとえた表現です。
用例 「ほんとうのことを知っているんですか? 知っていたら、ぜひ私に教えてください」「しっ! 壁に耳あり。ここでうかつに話すわけにはいきませんよ」
英語のことわざ
壁に耳がある
Walls have ears.
説明 日本語とほぼ同じ表現が英語にもあって、びっくりですね。
中国のことわざ
塀に隙間あり、壁に耳あり
墻有縫、壁有耳
説明 日本の「壁に耳あり」は、この中国語が元になっています。
韓国のことわざ
昼の話は鳥が聞き、夜の話はネズミが聞く
낮말은 새가 듣고 밤말은 쥐가 듣는다

説明 空が明るいうちは鳥が聞き、暗くなるとネズミが聞いているのですから、いつだってうっかりしたことは言えません。一度口にしたことばはいつのまにかひろまるので、用心しなくてはいけないというたとえです。