コロナ禍で増大する不安。普段の生活の中で、人々は「安心感」を求めている/人は聞き方が9割
更新日:2022/2/28
人はみな話したい生き物
生まれた時に一番初めに覚える感情
人はなぜそこまで安心感を求めるのか?
この疑問を持っていた私にある人がこんなことを教えてくれました。
「永松さん、人が生まれて一番初めに体験する感情ってなんだかわかりますか?」
「うーん、なんですかね?」
「それは『排出』の感情なんです」
「排出?」
「そう、排出。まず生まれて一番初めにすることってなんですかね?」
その方の答えはこうでした。
私たちが生まれて一番初めにすること、それは「オギャー」と泣くことです。
そして文字通り排出、つまりおしっこやうんちをすることで、赤ん坊は無意識のうちに「気持ちいいー」という感情を体験するということでした。
学びの場合はインプットから始まるのですが、本能的な視点で見ると、人間の感情はまずアウトプットから始まるのですね。
「話す」ことは気持ちいい
さて、では最初にアウトプットすることが快感である私たち人間にとって、気持ちいいことってなんでしょうか? 答えは簡単。
それは自分の思いを口にすること、つまり「話す」ということです。
人によって口数が多い、少ないの差はあるにせよ、人は話すということによって心理的な快感を得ているのです。
自分自身を振り返ってみるとすぐわかると思いますが、苦しい時や行き詰まった時、涙を流したり、思いを口にすることで楽になることはたくさんあります。
脳科学的な研究からも、人は聞いている時より、話している時のほうが心理的快感を得ているということは、数々の臨床データで証明されています。
本来、生まれ持って人は話したい生き物なのです。
コミュニケーションの達人だけが知っている人間の3大心理
2019年の9月に発刊された、この本の兄弟本である『人は話し方が9割』に、人間の3大心理を書きました。この3大心理をあらためて紹介すると、
「人は誰もが自分のことが一番大切であり、自分に一番興味がある生き物である」
「本来、誰もが自分のことを認めてほしいし、自分のことをわかってほしいと熱望している」
「人は自分のことをわかってくれる人のことを好きになる」
というものです。
つまり、人はみな、自分の話に共感してくれる人を求めていると言い換えることができます。
人は誰もが自分の話を聞いてほしいという欲求を生まれながらに持っているということは、端的に言うと、「聞く人」は、この日本に住む1億2500万人の人から求められる存在になるということです。
それだけ聞く人の存在には希少価値があり、今、その価値はさらに大きく上がっているのです。
100%好かれる聞き方のコツ
人は本来、話したい生き物であると覚えておく
