その不調、「ねこ背」が原因かも…。 ねこ背が招く“老け見え”とは?/きれいな姿勢に生まれ変わる ねこ背伸ばし
公開日:2022/4/17
ところが、これが大いに関係があるのです。まず、下の図をご覧ください。

左の正しい姿勢をご覧ください。まず、正しい姿勢では背骨が自然なゆるいカーブを描き、肋骨と骨盤の間が広く開いています。それと同時に首の骨、すなわち頸椎にも自然なカーブがありますね。
ところが、右のねこ背はどうでしょう。
まず、骨盤が倒れ、背骨が丸まってしまいます。こうなると肋骨と骨盤の間隔が狭まり、頸椎もまるで頭蓋骨に突き刺るよう。
このふたつが体にとって大きな問題を引き起こしているのです。
まず、肋骨と骨盤の間が狭くなっていることに注目してください。ここには胃や腎臓、肝臓といった内臓が入っています。これが肋骨と骨盤に挟まれて押しつぶされ、圧迫され続けているのがねこ背の状態です。
それだけではありません。頸椎もカーブがなくなると、背骨の中を通る神経や血管に負担がかかりやすくなります。
このことがさまざまな不調を招いてしまうのです。
人の頭はボウリングの球くらいの重さがあると言われています。先に説明したとおり、背骨は横から見るとゆるいカーブを描くように湾曲しており、これによって頭の重さを前後に逃がし、負担を軽くしています。
ところがねこ背は背中のカーブが強くなり、頭が前に出てしまっています。そのため頭の重さがダイレクトに首や肩、背中の筋肉にかかってしまうのです。首には脳へとつながる神経の束が通っています。ここに負担がかかることは、自律神経の乱れをはじめとするさまざまなトラブルの引き金となりかねません。
また、血管に負担がかかることで血管がもろくなり、ちょっとした動作で血管が裂けてしまう危険性まで生まれてしまうのです。
それだけではありません。ねこ背は心にも大きな影響を与えます。
さあ、ここで実験してみましょう。
立って両手を大きく上げ、思い切りの笑顔で「バンザーイ!」と言ってください。そして、その体勢・笑顔のまま悲しいことを思い出してください。
続いて、今度はその場でしゃがみこみ、膝を抱えてください。そして、その体勢のまま今まで一番楽しかったこと・おもしろかったことを思い出してください。
いかがですか? 万歳をしたときは悲しいことは思い出すのが難しく、膝を抱えた体勢では楽しいことを思い出すのが難しかったのではないでしょうか。
私たちの心は体の状態、姿勢に大きく影響されています。
背中を丸くしたねこ背の状態では前向きなことは考えづらくなります。がんばろうという気持ちより、逃げようという気持ちのほうが強くなってしまうのです。
明るく前向きな人生を送りたいと考えているなら、ねこ背になんか、ならないのがいちばんなのです。