ひがしちからさんに絵本『どーん、じゃんけんぽん!』制作エピソードを伺いました! (世界文化社)

文芸・カルチャー

公開日:2024/3/9

ひがしさんは子どもの頃「どーん、じゃんけん」で遊びましたか?

「どーん、じゃんけん」という遊びは、ぼくも子どものころにやったことがありました。地域によって色々な遊び方や呼び方があるようですね。「どんじゃんけん」とか「どんじゃん」とか。丸太の上に登ったり、地面に丸や線を描いてその上でやったりとか。でも二手にわかれて出会ったらじゃんけんするという、大まかなルールはどこも同じみたいです。勝った負けたで一喜一憂し、陣地を取るか取られるかの競争でハラハラドキドキする。「どーん、じゃんけん」という遊びはよくできているなあと感心しました。

『どーん、じゃんけんぽん!』のお話を作ろうと思ったきっかけはなんですか?

自分が定期的に通っている園があって、そこで子どもたちと一緒に、近所の公園へ遊びに行ったんです。何人かの子どもが砂場の木枠の上で「どーん、じゃんけん」をはじめました。懐かしさと興味でしばらく様子を見ていると、どうもぼくの知っているルールと違っていて。

木枠の上で二手にわかれた子どもたちは、それぞれすぐ後ろに繋がって待機して、まるで二匹のイモムシが向かい合っているかのようで。先頭の子がじゃんけんして負けておりてもすぐ後ろに次の子が待機しているので、いつまでたってもなかなか勝負がつきません。それでも子どもたちは押し合いへし合い楽しそうにやっていて。「どーん、じゃんけん」の子どもを虜にするおもしろさはすごいなと、改めて感心させられました。

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この作品で印象に残っている場面はありますか?

お話の中で動物たちと出会っていくという絵本の王道展開を初めて描いたので楽しかったです。難しかったのは絵本でじゃんけんをどうやって魅せるかというところ。じゃんけんは[出会う][じゃんけんをする][勝負がつく]という3つの要素で進めていきたかったのですが、そうするとひと勝負に2~3見開き使うことになりどうしてもページをくっちゃう。
なのでいつもは見開きで描くところを分割して描いたりしてなんとかやりくりしました。それでも物語を紡ぐページがどんどん少なくなって大変でした。絵本を読んだあと、この遊びやってみたい!やってみよう!ってなると嬉しいです。