最低彼氏から救ってくれたのはハイスペイケメン!? 家事に仕事につい頑張りすぎてしまう女性に送る、令和版・シンデレラストーリー

　家庭でも仕事でも、頑張っているのに評価されない。要領のいい人がうまく生きる傍らで、自分だけ空回ったり仕事の量が増えたりしている気がする……。そんな不器用だけど一生懸命なあなたの頑張りを見ている人はきっといるはず。もしもいなければ、マンガで疑似体験はいかがですか？　『実は私、溺愛されてました！？ ～最低彼氏から最強彼氏へ～』（一城れもん、海咲ねむる：著/DPNブックス）は、一生懸命な主人公のもとへ王子様が現れる、まさにシンデレラストーリー。家事に仕事に育児に……頑張るあなたの心に刺さる一冊です。

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　主人公・高原皐月は同棲している同僚の彼・樹に家事を押し付けられ、家政婦状態。その上最近デートもしておらず、恋人らしい雰囲気がまったくない日々に不満を募らせています。

　職場では経理部に所属し、後輩の面倒もみるしっかり者の皐月。特に後輩・佳奈は仕事を溜めがち＆他人に押し付けがちで皐月もその被害にあうこともしばしば。家庭でも職場でもなにかと人の尻ぬぐいをしてしまうのでした。

　そんな皐月の職場にやってきたのは。元営業部のエース、藤崎真白。社内での気配りも完璧な彼はなにかと皐月の様子を察知し助け舟を出してくれます。

　社内BBQの日。とあることから佳奈と樹が遊園地デートをしていたことが判明。佳奈は樹と交際していることを周囲に打ち明けます。盛り上がる周囲の中で唖然とする皐月。場の空気のことを考えると「自分が彼女です」と言い出すこともできず、ただ混乱するばかりです。

　するとそんな皐月を見ていた藤原が「俺も言っていいかな……」と、みんなの前で皐月に告白！

「どんな美人にアプローチされてもきっぱり断る」と言われていた藤原の告白に周囲はさらにどよめきます。

　彼氏の浮気、しかも相手は同じ会社のいけ好かない後輩女子という最悪の事実が発覚したにもかかわらず、BBQを楽しむ同僚のために何も言わない皐月。このことからもわかるように、皐月は自分の感情よりも周囲の人間のことを優先してしまうタイプ。そんな彼女を自分のメリットのために傍に置こうとする樹、逆恨みから攻撃をしかけてくる佳奈のふたりから、皐月はこの後も散々な目にあわされます。

　しかしそんな皐月を必ず守ってくれるのが藤原。

　実は皐月と藤原の間にはとある過去があり、藤原はずっと皐月に好意を抱いていたのです。「自分が我慢すれば丸く収まる」と思ってしまいがちな皐月の少しの変化を藤原はいつも素早く察知。甘え下手で助けを求められない皐月はいつも藤原の察知能力に助けられ、次第に自分に素直になっていきます。

　そんな過程を楽しめるのが本作の見どころ。佳奈の隠していたとある事実が判明したりと予想外の展開がふたりを襲い続ける本作。現在も連載中ですが、困難を乗り越えて関係を育むふたりをどんどん応援したくなる、温かいマンガです。

　日々身を削って頑張っていても、その頑張りをしっかり認めてくれる人は現実にはなかなか現れないもの。しかもそれが自分に好意を寄せているハイスペックイケメンなんてことはほぼ起こりえません。だからこそ、マンガからのときめきで自分をセルフケアしてみませんか？

文＝原智香