「必要とされると、拒めない」女の子が恋をした――TVドラマ化でも話題となったコミック『初恋、ざらり』著者・ざくざくろインタビュー

マンガ

公開日:2023/9/19

初恋、ざらり
初恋、ざらり』(ざくざくろ/KADOKAWA)

 障がいがあることに劣等感を抱え“普通”に憧れる主人公・有紗。自己肯定感の低さから異性に求められると体を許してしまうのが目下の悩み。そんな折、新しく始めたアルバイト先で優しくしてくれる社員・岡村さんが気になって……。

「必要とされると拒めない」女の子の有紗がひたむきに変わりたいと行動する姿と岡村さんとの結末を描いた『初恋、ざらり』(ざくざくろ/KADOKAWA)は書籍刊行時にも大きな反響を呼びました。2023年7月にはテレビ東京でドラマ放映も開始。ドラマ化が決定後、著者のざくざくろさんにお話を聞きました。

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――不器用な有紗が懸命に日々を過ごす姿に幸せを祈らずにはいられませんでした。有紗のモデルなど、いらっしゃるのでしょうか?

ざくざくろさん(以下、ざくざくろ):モデルは特にいません。有紗の見た目は、私の好みの女の子を描きました。

「不器用だけど素直で頑張り屋さん」という部分も、私がそういう子を可愛らしいなぁと思っていたのでそうしました。

「承認欲求から好きでもない男性と寝てしまう」のところだけ、若い頃の私をモデルにしています。

初恋、ざらり

――コミックスのあとがきでも書かれていらっしゃいましたが、改めて、軽度知的障害の女の子の物語を描こうと思われたきっかけと、一番描きたかったことを教えてください。

ざくざくろ:一番初めは、できるだけ自分に近い子の方が描きやすいかなと思ったのがきっかけです。

 友達に軽度知的障害の子が何人かいて、私自身も発達障害があるのですが、見た目で障がいだとわからないゆえの悩みや苦しさがあるよねぇという話をしていたので、その感情を描こうと思いました。

初恋、ざらり

――アルバイト先の社員の岡村さんとの関係が親密になるにつれ、有紗の「ふつうになりたい」という気持ちが強くなるところがとても切なく感じました。有紗の繊細な気持ちをマンガで表現するうえで気をつけた部分はありますか。

ざくざくろ:自分の中にある感情の記憶を細かく思い出すことです。私自身、小学生のときから「普通になりたい」と願い、他のクラスメートを観察して「普通」を研究していたことがあるので。

 有紗だけじゃなく、他の登場人物を描くときにも、まずは自分の中の感情の記憶を探してから描いていました。

初恋、ざらり

――コミックス発売から約1年。ドラマ化が決定したときの率直な感想をお聞かせください!

ざくざくろ:「え すごいなぁ…」とまるで他人事みたいにぼんやりしていました。凄すぎて頭がついていかなかったです。なんなら今もついていってないです(笑)。

――ドラマ化で、楽しみなシーンなどあればお教えください。

ざくざくろ:有紗と岡村さんがイチャイチャするシーンです!

初恋、ざらり


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