自分の口グセを意識する、日記をつける…人生が好転する!「3つの習慣」とは?『太陽の習慣』『月の習慣』のFUMITO&LICAさんインタビュー

暮らし

公開日:2017/12/28

 お金もコネもない10代の頃にファッションブランドを立ち上げ、パリコレクションにも参加したデザイナーの顔を持ちながら、スピリチュアルとクリエイティブをつなぐ活動を積極的に行っているLICAさん。神社の家系に生まれ神職に携わる一方で、ファッションプロデューサー、空間演出家としても活躍してきたFUMITOさん。最近はトークショーも人気のお二人が語る、太陽と月の力を味方にして幸運を引き寄せる方法とは?

『やることすべてがうまくいく! 太陽の習慣』(FUMITO&LICA/徳間書店)
『ほんとうの自分が目覚める! 月の習慣』(FUMITO&LICA/徳間書店)

———『太陽の習慣』と『月の習慣』の著者名は「FUMITO&LICA」ですが、内容はそれぞれ別々に書かれていますね。

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LICA 私たちがやっているスクールの生徒さんから、私は太陽のイメージがあって「天照大神(アマテラス)っぽい」、フーちゃん(FUMITOさん)は月のイメージがあって「月読命(ツクヨミ)っぽい」と言われて、太陽と月の鈴のお守りをもらったんですよ。そう言われてみれば、昔から私は、火のエネルギーがすごく強くて、太陽と月のどちらかで言うと太陽だなぁと思っていたんですね。太陽自体、ものすごい熱を発している火の象徴ですから。

 フーちゃんは神社の息子として生まれて、その神社が月信仰でお祭りもすべて旧暦にもとづいているので、お互いそういうイメージはもともとありました。そこへ生徒さんから、太陽の金の鈴と月の銀の鈴をもらって、その翌日に、編集者からこの本の企画のオファーをいただいたので、「ああ、これほどシンクロが続いたということは、本を書くべき時期が来たんだな」と思いました。

■「朝日」と「夕日」のエネルギーは全然違う

——— LICAさんが、太陽の力を味方にすることを意識しはじめたのは?

LICA 私は、子どもの頃から不思議な子で、他の人に見えないものが見えたりしていたんですね。その後、ファッションデザイナーとしてパリコレに出たいという夢を思い描いていた頃には、自分の中にある火のエネルギーの力を感じていて、そのエネルギーでデザインしていたところもありました。ですから、そのエネルギーをより高く保つためにはどうすればいいのか? ということを、すごく意識するようになったんです。朝起きてまず太陽の陽射しを浴びる習慣も、好きな音楽を聴きながらダンスをする習慣も、その頃からはじめました。同じ太陽でも、朝日と夕日のエネルギーは全然違います。朝日はパワーを外に発散するエネルギーで、夕日は自分の内側に入るエネルギー。その2つのサイクルで、私たちの1日のエネルギーは回っているんですね。その違いを意識することも大切です。他にもいろいろ試してみて、自分の夢を現実化するために効果があったと実感できたことだけを、『太陽の習慣』で紹介しています。

——本書の、「エネルギーを高める」「夢を実現する」「お金を引き寄せる」「ご縁が広がる」「幸運体質をあげる」のテーマに共通するのは、自分の五感や直感といった“感度”をいかに高めるか? ということですね。

LICA  そうなんです。でも自分が苦手なことや感度が鈍いこともありますよね。たとえば私は子どもの頃から、なりたい自分をリアルに想像するイメージ能力がすごく高かったんですが、そういうことは意外と苦手な人が多いんですね。そういう人にはまず、りんごを思い浮かべてもらって、その味を思い浮かべてもらう練習からはじめてもらいます。イメージ力は簡単に身につけられます。でも苦手な感覚があってもいいんです。私はいまだに味覚が弱いのですが、まったく問題ありません。

■今日からはじめられる3つの習慣とは?

——55の習慣を一気にはじめるのはなかなかハードルが高いと思いますので、「まずはこれを試してみて!」とオススメしたいものを3つあげるとしたら?

【1】「白」「赤」「緑」…目的別に身につけるアイテムの色を決める!

LICA  色のエネルギーは、普段の生活にすぐに取り入れやすいと思います。気分のいい日は、太陽エネルギーが自分のエネルギーをよりクリアにしてくれるい服。みなぎるエネルギーを発散したい!と思うときは、燃える炎のい服を着ると、表現力と行動力がアップします。私は、エネルギーが低下しているときや疲れているときは、赤い下着を身につけていました。そうするとエネルギーが身体を循環するので、充電期間には赤の下着がおすすめです。少しぼんやりしている日は、太陽エネルギーを溜める黒い服を着ます。黒は自分を守護する色ですから。リラックスしたいときは、太陽エネルギーが育む自然の色、を身につけましょう。

【2】日記をつける 「ディスノートでもいい」

 2つ目は、日記をつける習慣です。私が最初にはじめたのも日記なんですね。書く内容は何でもいいので、嫌なことも悪口も、嬉しかったこともやりたいことも夢も、書きたいことが浮かんだら忘れないうちに書いてください。3行でも30行でもいいですし、書かない日があって間が空いても構いません。自分の感情が動いたり、想像力が働いたりした出来事があったときに、書き留めるんです。ネガティブな言葉が多くなったら、ディスノートをつくって思う存分書けばストレス発散になりますから(笑)。

【3】夢や希望を毎日イメージする!

 3つ目は、自分の夢や希望をとにかく毎日イメージすることです。私が日記でいちばん書いたことも、夢を叶えるために一番努力したことも、断然イマジネーションでした。恋愛も、人間関係も、お金も、成功も、すべてイマジネーションからはじまりますよね。普段、意識してしない人が多いかもしれませんが、人間がつくりだしたこの世の中にあるものはすべて、誰かの頭の中のイメージからスタートしているわけです。つまりイマジネーションは種みたいなもので、種がないところに芽は出ませんし、花も咲きません。ですから、いろんなことをイメージして、それを実現するための種を蒔くところからはじめてみてください。

■「月」は自分と向き合う鏡の役目をしてくれる!

――FUMITOさんは『ほんとうの自分が目覚める! 月の習慣』を書かれています。月を意識するようになったのは?

FUMITO 僕は、福島にある神社の家系に生まれ育ち、旧暦(月暦)で行う祭りの際には神職を務めることもありました。神社では、満月の日が月の力が満ちるピークだと伝承されていて、その日に何か行動を起こした瞬間から自分のなかにもエネルギーが満ちていくと言われています。月は地球の衛星で、地球の引力で回っていますから、そのリズムによってエネルギーの軌道が変わり、自分の仕事も人生もその引力に導かれていることを、さまざまな経験で実感してきました。

——自分の外側から引き寄せるのではなく、内側と向きあうという意味では、太陽とは異なるエネルギーの捉え方なんですね。

FUMITO そうです。ですから月が出る夜というのは、誰もが自分自身に戻って、自分を見つめる時間です。人間の体の臓器の名前にも、心臓とか肝臓とかたいてい“にくづき”が入っていて、月は自分の内側にあるのです。新月から満月になっていくサイクルのなかで、自分がどういう状態にあるのかを知るための、いわば自分と向き合う鏡のような役目をしているのが月なのです。月によって自分のリズムを知り、自分の今の状態を知ると言うことですね。ですから月のリズムで生きるということは、私という個の心の内側を見つめて、受容し、想像し、望み、期待することにつながるのです。

 女性が妊娠、出産するのも、満月や新月の日が多いですよね。私たち人間の動物的本能も月のリズムと深く関係していますので、何か行動を起こす時も満月、新月を意識したほうがより効果が高まるはずです。実際に僕自身も、満月や新月の日に転職や新たな出会いなど自分に大きな変化が訪れた経験が、今まで数えきれないほどたくさんありました。

――55の月の習慣のなかで、まず3つはじめてみるとしたら何がおすすめでしょうか。

【1】自分の口グセを意識する

FUMITO 普段の自分の口グセを意識することですね。古来から日本人は「言霊」に大きな力があると信じて、言葉を大事にしてきました。さらに言霊には「言霊、言魂、事霊」の3つの言い方があって、自分のなかから湧き起こる言葉が「言霊」、それが自分の外に出るときには「言魂」となり、その言魂が何かに影響して創造する世界に触れたときに「事霊」となるのです。ですから、最初に自分の中にふと湧いてくる言葉というのがすごく大事なんですね。つまり、自分の中から出てきた言葉が、その後エネルギーとして回っていく元になるので、イマジネーションや夢や希望を叶えるために思ったことは、習慣的に外に出して「言魂」化することを意識して下さい。

【2】自分の宇宙を動かす4つの質問をしてみる

 2つ目は、第5章に書いた「自分の宇宙を動かす4つの質問」を、ぜひご自身でやっていただきたいですね。質問1は、「お金、時間、関係性など、自身が制限と思っていることはすべて忘れて、何の制限もなくなったら何をしたいですか?」というものです。多くの人は、無意識のうちに、いろいろな制限のなかで自分にブレーキをかけているので、そのブレーキを外して自由になった未来の自分を知るための質問です。質問2は、「(質問1で答えた)未来の自分が、今の自分にどんなことを言っているか?」、質問3は、「そのきっかけになる一歩目の行動は、なんですか?」と続いて、最後の質問4で「その一歩を、踏み出しますか?」と自問自答するのです。この4つは僕自身、日々、自分に問いかけています。なぜなら人間は、毎日毎日、一瞬一瞬、違う「今」を生きていて、その時々で自分が何をするかしないか選択しているわけです。ですから、未来の自分へ近づくためにやるべきことを、日々、意識するのです。

【3】入浴の時間を大切にする

 3つ目は、入浴の時間を大切にすることです。お風呂に入るときは裸になるので、一日のなかで一番素直に自分のことを見つめられる、リラックスできる時間なんです。その時間こそ、自分の内側にフォーカスして、自分の中にある思いをすくい上げて、月と照らし合わせる習慣ができると、さまざまなインスピレーションやイマジネーション、クリエーションの源が湧いてくると思います。

■お金に執着してその先が見えていないと、不安や恐怖を感じるかもしれません

—— LICAさんもFUMITOさんも夢を叶えた成功者で、経済的にも何不自由なかったと思いますが、なぜこのような本の出版や講演活動をはじめようと思われたのでしょうか。

FUMITO 僕が一番大きな気づきを得たのはやっぱり東日本大震災の後ですね。あの震災で、故郷の福島が津波や原発事故の被害にあって、親戚や友人知人の命がたくさん奪われました。その頃、僕はファッションショーの演出やプロデュースを手がけていて順風満帆だったんですが、「果たして自分の人生はこのままでいいのか?」、「今の成功が自分の魂の求めていたことなのか?」と、すごく考えて……。そして、「自分が本当に自分らしく生きるためには、何をやりたいか?」と自分に問いかけた結果が今の活動なんです。

 身近な人の生き死にに直面した極限状態だったので、余計に集中して自分の心を直視できたというのもあると思います。震災の2カ月後には会社も辞めました。もちろん、それほどショッキングな体験をしなくても、日常のなかの些細な出来事や不平不満や悩みがあるときこそ、人は自分と向きあえると思うんですね。つまり、不満や不安なく幸せに生きている自分はどんな姿でどんな状況を生きているのか? 人生の残された時間のなかで自分は人としてどう在りたいのか?を自分に問いかけて思い描いてみるのです。

 僕たち夫婦はよく、「お金の先に何があるのか?」と言うことについて話しています。人生に不安や悩みや迷いがある方は、お金に執着があるケースが多いんですね。お金に不自由しなければ、多くの問題は解決すると思っているのです。でも、お金の先に何があるのか? を考えると、自分自身が制限をかけていたことが見えてきます。お金がないことだけが自分の不幸の理由だと思っている人は、その先が見えていないので、なかなか不満や不安がなくなることはないでしょう。

——つまり、お金は手段であって、目的ではないと。

LICA そうなんです。特に今の時代は、いろいろなことが混沌として複雑化してきていて、誰もが「自分ってなんなんだろう?」という悩みにぶつかりやすくなっているように感じるんですね。そんなときは自分という人間と向き合って、少しでも理解して、自分をよりいい方向へ導くことができれば、精神的安定にもつながります。人間は精神的な安定があってはじめて、自分の力を100%出せる状態に持っていけるんですよね。そういう風に「自分の軸を、選ぶ」ができれば、時代がどう変わろうと強くぶれない自分で在り続けることができると思うのです。そのためにも、ぜひ太陽と月のパワーを日常生活のなかで活かしてほしいですね。

取材・文=樺山美夏 写真=内海裕之