【ダ・ヴィンチ2018年6月号】Cover Model 吉沢 亮

Cover Model 紹介

2018/5/11

【ダ・ヴィンチ2018年6月号】Cover Model 吉沢 亮

 
Cover Model 吉沢 亮

廣木隆一、行定勲、佐藤信介、犬童一心……
近年、日本映画界の著名な監督たちの作品に次々と出演し、
さまざまな役柄を演じてきた俳優・吉沢亮
少女マンガのなかから現れ出てきたような端整な顔立ち─
だが、映画『ママレード・ボーイ』の遊は、
意外にも初の〝正統派〟主人公だったという。
マンガ、小説の実写化作品に数多く出演する吉沢は
原作にも真っ向から取り組む。
本と映画、2つの世界を芝居で結ぶ彼が見ていたものとは─。


“王子さま”に見せる
役づくりはしませんでした

〝普通に、その場に生きていてください〟。
それは、映画『ママレード・ボーイ』の撮影現場で、
頭脳明晰・スポーツ万能・美形、と、
王子さまを絵に描いたような主人公・松浦遊を演じるにあたり、
廣木隆一監督から求められたことだったという。

「王道の少女マンガが原作だからと言って、
わかりやすい〝キュンキュン〟みたいな演技を廣木監督は求めてなかった。

前回、『オオカミ少女と黒王子』でご一緒させていただいたとき、
僕は根暗なメガネ男子を演じたのですが、
そのキャラも〝わかりやすく〟ということはおっしゃらず、
自然体で演じさせてくださった。
役者との距離感がすごく素敵なんですよね。
監督がどんなふうにこの映画を撮りたいのかということを探り、
それを形にしたいと演じる者に思わせてくれるような心地よい距離感。
それだけに、『ママレード・ボーイ』で、遊のオファーをいただいたときは、
また監督と仕事ができる、と本当にうれしかったです」

〝恋愛のバイブル〟とも呼ばれる原作は累計1000万部を突破した大ヒットコミック。

世代を越え、日本中の少女たちを熱狂させてきた。甘くてクールで、
ちょっと掴みどころのない主人公の遊は、彼女たちの〝王子さま〟だ。

「これまでも少女マンガが原作の映画やドラマには多く出演させていただいていたのですが、
意外と噛ませ犬的な役が多くて(笑)。
僕にとって、こんなキラキラした映画の正統派な主人公は初めてのことで、
それもすごくうれしかった。
だからと言って、〝王子さま〟に見せるような役づくりはしませんでした。
出せる部分は、〝吉沢亮〟で演ろうと思ったんです。
意識したのは、遊のやわらかさみたいなことかな。
笑顔を多めに演じました。すぐにヘラヘラしちゃう男、というか。
人って困ったときにヘラヘラと笑っちゃうじゃないですか。
過去の、あるつらい出来事から、遊は人を信用できなくなってしまっている。
どこかフィルターを通して、人と接しているみたいなところが、
彼のやわらかな雰囲気をつくっているんじゃないかなって」

 
■そんな吉沢亮さんの選んだ本は……

『BLUE GIANT』全10巻)
石塚真一

小学館ビッグCスペシャル 552~600円(税別)

ジャズの生演奏に心打たれ、たったひとりでテナーサックスの練習を始める、仙台に暮らす高校生・宮本大。ジャズを知らない同級生には煙たがられ、初めてのステージでは客に怒鳴られ……けれど彼は「絶対に、オレは世界一のジャズプレーヤーに、なる!」と、がむしゃらに自分の道を突き進む。高校卒業後、東京にやってきた大は、トリオを組む仲間と出会い、プロへの道を模索していくのだが……。

「この作品が語られるとき、〝音が聴こえてくる〟というワードをよく耳にするのですが、その言い方は本当に正しい気がして。本作を薦めてくれた方とも話していたのですが、『響〜小説家になる方法〜』『ピアノの森』など、今〝リアクションマンガ〟が熱いよねって。この作品はジャズを描いているわけですが、当然、マンガから音が聴こえてくることはない。その音が放つ衝撃というものを、プレイヤーの描写はもちろん、聴いている側のリアクションで表しているんです。音に触れたときの表情、演奏者の熱に惹かれ、観衆が集まってくるシーンなど、様々なリアクションの表現を駆使して、読む者の知覚に圧倒的な〝音〟を響かせてくる」(吉沢亮 談)

取材・文:河村道子 写真:高木亜麗