「唯一無二の友達」が武道館で見た、表現者・東山奈央の変わったこと、変わらないこと――東山奈央×西明日香 特別対談

エンタメ

2018/6/5

ほんとに特別なんです。Rhodanthe*に入れてよかったし、みんなと一緒でよかった(東山)

――西さんは客席にいたから感じたと思うんですけど、ダンスパートのときに「えっ? ちょっとすごくね? 想像してたよりすごい!」みたいな空気が武道館中に広がっていったのが印象的で。

西:ほんとにそうですよね。奈央ちゃんがダンスをできることは、ファンの人たちも知ってるとは思うんですけど、あんなに何曲も、しかも後ろにダンサーさんを従えて、ひとつも振りを間違えずに歌ってたのはすごいなあ、と思って。奈央ちゃんの新しい一面というか。わたしたちは何年も一緒にいて、お互いのことを全部わかっているつもりでいたんですけど、武道館で奈央ちゃんの新しい魅力を発見できたなあって思いました。それは、わたしたちだけじゃなくて、ファンの人もそう思ったと思います。ライブが始まるときに、奈央ちゃんが前に置いてあるマイクを取ったじゃないですか。もうあの瞬間から素晴らしいライブになるって確信したし、エモさがすごかったですよね(笑)。

 ライブが始まる前、まわりのお客さんが「奈央~~!」とか「奈央ちゃ~ん」って叫んだりしてたんですけど、わたしたちの後ろのほうで、男の人が「俺の奈央ちゃ~ん!」って言ったんですよ。それを聞いて、いても立ってもいられなくなって、「わ、た、し、の、奈央ちゃ~~ん!」って言って(笑)。そうしたら、その人がまた「俺の、奈央ちゃ~~ん!」って(笑)。バレてないと思ったんですけど――。

東山:バレバレだから(笑)。この話、何度聞いても面白いんです。わたしも関係者席のエピソードをいろいろ聞いてるんですけど、その空間が楽しすぎて、「わたしもそっちに行きたい」って思って(笑)。でも、大好きなメンバーが楽しそうに観てくれたのがすごく嬉しかったし、ライブが終わってからみんなが会いに来てくれたんですけど、そこで泣いちゃって。しかも泣き方が尋常じゃなくて――。

西:赤ちゃんみたいだったよ(笑)。

東山:(笑)わ~んって泣いて、みんなとハグし合って、「来でくれでありがど~」って言って。もう、安心したらすっごい泣けてきちゃって。関係者の方がたくさんいてくださったので、ひとりひとりのご挨拶もすごく短かったんですけど、Rhodanthe*だけは長く取ってもらったんですよ。マネージャーさんが特別扱いしてくれて、「Rhodanthe*なんですいません」って(笑)。

西:(笑)そう、マネージャーさんが横にいたから、わたしたちRhodanthe*も泣きながら「マネージャーさ~ん! 奈央ちゃんを育ててくれてありがとうございます~~!」って(笑)。そう、そのときも思ったんですけど、ユニットの中では末っ子で赤ちゃんの奈央だったから、武道館の大きなライブだし、「大丈夫!」って安心はしてたけど、もしかしたら緊張して手が震えてたりしてないかなって心配もしていて。だけど堂々としたパフォーマンスで、踊りまで完璧で、すごくカッコよく歌えてたから、もう「奈央ちゃん」とか「奈央~」じゃなくて、やっぱり最後「奈央さん」って呼んでて(笑)。終わった後も「奈央さんに会いに行くぞ」っていう気持ちでドキドキしてたら、わたしたちの顔を見た瞬間に「うわ~ん」って赤ちゃんに戻ったので、みんなで「奈央~~!」ってなって(笑)。もう、全部かわいいんです。奈央ちゃんが「Rhodanthe*の奈央ちゃん」から「東山奈央さん」になって、「みんなの東山奈央」になって、すごく素敵なことなんですけど、ちょっと寂しいなあっていう気持ちもどこかにあって。奈央ちゃんはひとりで羽ばたける素晴らしい子だなあって思ったし、「ちょっと遠い存在になってしまうのかなあ」って思ったんですけど、最後に会ったときに「あっ、やっぱりわたしたちの末っ子だぁ」ってなって。

東山:うんうん。そうだよ。

西:奈央ちゃんって、全部が魅力的な子なんです。

東山:やっぱりわたしにとって特別だし、まわりの人たちにとってもRhodanthe*は特別で。それこそ、わたしが「Rhodanthe*とパンケーキを食べに行きたいんですけど、スケジュール空いてるところに入れてもいいですか……?」って言ったら、マネージャーさんがすごく喜んで空けてくれて(笑)。「お友達ができたんですね、よかったですね。いいですよ。いいですよ~」って。普通、あり得ないですよ(笑)。

西:(笑)ほんとにお父さんだね。

東山:ほんとにお父さん。デビューしたときも、大先輩に囲まれて子鹿のように現場で震えてたから、共演者の方とご飯に行くなんて考えられなかったし。だから、「ほんとによかったですね」って言ってくれたの。それくらい、ほんとに特別なんです。Rhodanthe*に入れてほんとによかったし、みんなと一緒でほんとによかった。

西:確かに、あのメンバー以外は考えられないよね。

東山:考えられない! キャストとしてもそうだし、仲間としてもそうだし。MCでも言ったことがあるんですけど、この時代にみんなが声優を目指して、養成所に入って、声優さんになって、風邪とか引かないで無事オーディションを受けて、この結果になってるわけだから、奇跡だなあって。

西:そう、わたしもさっき言ったじゃん! 奈央ちゃんと同じ時代に生まれてよかった(笑)。

――ここでつながってくる(笑)。

西:そうなんですよ。みんながみんなそう思ってるんです(笑)。

東山:うん、ほんとにそう。

西:ほんとに、呼んでくれてありがとう。

東山:来てくれてありがとう。

西:そういえば、前に花澤香菜ちゃんの武道館ライブに一緒に行ったんだよね。

東山:そうだあ。わたし、初めての武道館が花澤香菜さんのライブだったんです。Rhodanthe*のメンバーみんなで観に行って――これ、MCでも話したんですけど、そのときに「いつか自分が武道館に立つつもりで観てきなさい」ってマネージャーさんに言われたんですよ。パンケーキのノリで、「みんなとライブですか? いいですねえ、行ってらっしゃい。楽しんできてくださいね」って言ってくれるのかなって思ったら、けっこうシリアスに言われたので、「えっ?」ってなって(笑)。片手にメモ帳を持って、「奈央ちゃん、何してんの~?」って言われながらメモを取ってました。

西:ライブを観ながらメモ取る子、初めて見たよ(笑)。でも、すごいマネージャーだなあって思うんだよね。そうやって、自分のタレントの先を見越して、助言をくれて。だから、わたしは奈央ちゃんにエモさを感じてるけど、マネージャーさんにもエモさを感じてる(笑)。

――(笑)花澤香菜さんの武道館のときも、MCでマネージャーさんの話が出てましたね。

東山:そうそう、それもあったんです。「袖できっと泣いてますよ」みたいなことをMCで香菜さんがおっしゃっていて、「わたしも武道館でライブをすることがあったらマネージャーさんにお礼を言おう」って、そのときにちょっと思ったんですよね。少なからず、影響を受けてると思います。

西:奈央ちゃんのライブが終わった後、エゴサって言ったら変だけど、いろいろ検索をしたの。そうしたら、「よかった」「感動した」っていうツイートがたくさんあったんだけど、その中に、奈央ちゃんを昔から応援してる人たちなのかな、「今日の武道館の奈央ちゃんは、本音をすごくさらけ出しているライブだった」「こんなの見たの初めてかもしれない」みたいなことが書かれていて。それこそ、緊張していて泣けないイベントもあった中で、MCのときについつい出てしまった涙とかに、奈央ちゃんの本質というか、ほんとの姿が出てたんじゃないかなあって思って。それに気づくファンの方もすごいけど(笑)。

東山:確かに(笑)。

――気持ち的に自由になれているところが見られたのは、彼らにとっても嬉しいことですよね。

西:うん、きっとそうですよね。「ほんとの姿を自分たちに見せてくれたんだ」っていう意味で、嬉しかったんだろうなあ。

東山:普段は、弱いところを出しちゃいけないって思っていて。わたし自身、自分の性格を一言で表すなら常々「小心者」とか「頑固」って答えてるんですけど、やっぱりエンターテイナーとしてはいつもニコニコして、元気を届けられる人でいたいと思ってたから、「悩んでる」とか「不安だった」みたいなことを言うのは、自分のポリシー的にはどうかな、と思っていて。だけど、1stとはいえ集大成みたいなところもあるライブだったから、全部を見てもらって、「わたしはこういう人間として、ここから走っていきます」っていう自己紹介をするライブでもあるのかな、と思って。そこは、積み重ねもあった分、あえて今回は出させてもらおうと思ったけど、勇気は要りました。でもこれって、“Rainbow”っていう曲を作ったときから、そうすることは決まってたような気がする。

西:あえて出すことを?

東山:うん。“Rainbow”がけっこう重い内容の歌詞だったりして、でもそれがわたしから出てくるというのは、つまりそういうことだから。それを武道館でも見せるってことなんだなって思って、腹をくくって曲を書いて、踏み込んだ歌詞を書いて。

西:そっかあ。なるほどなあ~。

東山:わたしが作詞作曲をしてたのは話してたんだっけ?

西:うん、「やることになったぁ」っていう話は聞いてたよ。

東山:そもそも、Rhodanthe*にはいち早くアルバム出します、ライブします、武道館ですっていう話を、世の中に出す前に報告してました。

西:そこでまた、Rhodanthe*がドヤ顔をしてしまう(笑)。みんなに発表されたときに、「ふっ、知ってたぜ」みたいな(笑)。

――1stライブはとても素晴らしい内容でした。西さんは、今後どんなことが楽しみですか?

東山:わあ~!

西:(笑)今まで、奈央ちゃんのかわいい部分や真面目な部分は、それこそRhodanthe*の活動でも見てはいたんですけど、武道館で最後のほうに披露した“灯火のまにまに”が、めちゃくちゃカッコよかったじゃないですか。あそこで、わたしたちはまた「奈央さん…!」ってなったんですけど(笑)。今後奈央ちゃんはいろんな面を見せていくだろうし、“灯火のまにまに”はすっごくビックリして感動もしたから、そういうところにも期待してます。「かわいいだけじゃないんだぞ!」っていう。武道館はひとつの集大成ではあるけれども、今後も奈央ちゃんの魅力がさらに爆発していくんじゃないかなって思っていて(笑)。歳を重ねて大人になって、ちょっと色気のある“灯火のまにまに”には「はあ~」ってなったし、なんかもうドキドキしちゃったし。もう、奈央ちゃんって、魅力が無限大すぎてすごいなあって思ったし(笑)、きっとファンの人もそう思ってるんじゃないかなあ。

東山:きゃっ。

西:奈央さんっ(笑)。

東山:きゃっ(笑)。

西:(“灯火のまにまに”のCDを見ながら)このジャケットも好き!

東山:ありがと~。

西:かわいいし、きれいだし。もう、きれいになっていくんですよ、奈央ちゃんが。どうしよう!?(笑)。奈央ちゃんの今後には、ほんっとに期待ですよね。わたしもいちファンとして――わたしだけじゃなくRhodanthe*のみんなも奈央ちゃんのソロ活動に期待してるし、次のライブも楽しみです。

東山:ありがとう。来てね~。

西:うん。また数ヶ月前から言ってね(笑)。

東山:わかった、かしこまったメールをまた送るから(笑)。これからも、Rhodanthe*としても歌ったり踊ったりしていきたいと思うし、ソロでもたくましく踊っていきたいですね。やっぱり、ダンスはライブの醍醐味のひとつだし、今回Rhodanthe*のみんなにも驚いてもらえたので、頑張っていきたいです。

――そのための曲も、今回のシングルにはちゃんと入ってるし。

東山:はい。3曲目に、ダンスナンバーがあるんだよ。

西:“Mode Style”? 聴くのがめちゃ楽しみ(笑)。

――“Mode Style”、めちゃくちゃいいですよ。

東山:“Mode Style”好きなの~。

西:えー! 今、このケース開けたら、CD聴けないかなあ?(笑)。

取材・文=清水大輔