「飯伏幸太は本能的に自分の見せ方をわかっている人だと思います」ミッツ・マングローブ 【プロレス特集番外編】

エンタメ

2018/8/12

 3歳の頃から“「性的な目」でプロレスラーを見続けてきた”というミッツ・マングローブさん。だが長年の観戦により、プロレスへの理解は深まり、その発言には、プロレスへの愛があふれていた――。

マットの音と選手の声と体を叩く音だけで、試合を観たい

――ミッツさんは「プロレスラーを性的な目で見ている」とのことですが、どういった選手に惹かれるのでしょうか。

ミッツ 痛がる顔がうまい選手ですね。技としては「逆エビ固め」みたいな技をかけられている時は、大抵みなさんいい顔をする。ただ胸をマットに押し付ける形になるから、胸の豊かさが見えなくなっちゃうのが難点です(笑)。

――特にお好きな体型はありますか?

ミッツ バッキバキに鍛えた体は好きじゃないです。ボクサーみたいな体は、全然興奮しない。少し脂肪が乗っているくらいがいいですね。昔の秋山準とか小橋建太も、それが良かった。今ね、女子向けにレスラーの写真集が出ているでしょう。プロレス界発展のためには、どうぞやってくださいと思うんですよ。でも私のことは“客”だと思わないでね。そんなのじゃ全然興奮しないよ、と言いたくなってしまう。試合映像を一時停止して写真に撮って「太腿」「お尻」「背中」「胸」「手」とかフォルダに分けたりもしています。

――会場に観に行かれたりもしますか?

ミッツ もちろん会場で観るのも好きですし、観たいとも思うんですけど、女子の「キャー!」みたいな歓声が嫌なんですよ。あれは完全に……萎える(笑)。大きい会場だと、最近とくにそういう感じになるでしょう。こぢんまりした会場だとそういうことがあまりないので、行きやすいですね。照明も絞られていていいんですよ。照明を焚きすぎると選手の体のラインが散漫に映ってしまう。ディファ有明ぐらいの光量がよかった。

――日常的にはテレビやネットで観戦される感じでしょうか。

ミッツ そうですね。映像で見る時も歓声が入るのはいやだし、実況も入らないのが好きなんです。マットの音と、選手の声と、選手同士が体を叩いたり蹴ったりする音だけで観たいですね。あとね、カメラマンとかスイッチャーとの相性みたいなものもあって。

――相性ですか。

ミッツ 技をかけられている時にどっちのアングルから抜くか、みたいなことですね。例えば、投げられて仰向けになった選手にズームするっていう場面がよくあると思うんですけど、私はそこで足下からズームされると、全然ダメ。肩の方からズームしてもらうと、嬉しいんです。あとはロープに背中じゃなくて、お腹側で追い詰められた時は、お腹側から撮ってほしいですね。飯伏幸太なんかだと、やっぱりお尻から太腿にかけてのフォルムがいいので、ちゃんとそこにズームしてもらいたいですし。

飯伏幸太は、技の受けが天才的にうまい

――飯伏選手とは親交があるそうですね。実際に接してみて、どんな印象をお持ちですか?

ミッツ あんまりじっくり喋るとかはしないので……。大抵お酒が入っている状態で会うし、コミュニケーションが成立しない(笑)。向こうも私のことを多分そう思っていると思います。飯伏がじっくりインタビューを受けている記事とか、恥ずかしくて読めないんですよ。「本当にこんなこと言ってるのかなあ?」って思うし。私は飯伏を見て、手を触っていればそれでいいので。割と利害が一致してるような気がするんですよ、私たち。ただまあ、お酒の飲み方を見ていれば、ちょっと狂気が入っている人だなというのはわかります(笑)。

――飯伏選手の技を受ける姿は、見ていていかがですか?

ミッツ やっぱり天才的だと思いますね。あの人、倒れる時にカメラの位置が本能的にわかっていると思うんですよ。カメラを探しているわけじゃなくてね。本能的に、見せ方をわかっている人だと思います。コスチュームも基本白でしょう。白は、お尻のラインがすごくきれいに出る。飯伏だけじゃなくて、レスラーは裸で商売をやっているんだから、自分の体形をより魅力的に見せてくれるものを選べないとだめですよね。それができていない人は、プロレスラーとして単純に魅力がない。見ていて、もうちょっとここをこうしたら体のラインがきれいに見えるのに、とか、ちょっとわき毛を梳いたらいいのになあ、とか思うことがあるんですよ。飯伏はプロレスが本当に好きだから、そういうことがわかってしまうのだと思います。

――緻密な計算の上にやっている、ということでもなく。

ミッツ 多分性格上できないと思うし、あえてそういうことはしないようにしているのかもしれない。心の奥底はわからないです。ただ本能だけじゃ、プロレスはできない。本能的な素養があるうえで、どうやって計算をするか、ですよね。飯伏って、天才過ぎて、大衆性があるようでない。棚橋(弘至)くんとか、オカダ(・カズチカ)さんはショウビズに徹することもできるけれど、飯伏にはできませんから。

――確かにそうですね。さきほどおっしゃっていた狂気的な部分が顔を出してしまう。

ミッツ プロレス界にとっては痛しかゆしの存在ですよね。これから年を取っていく中で、飯伏がどういうスタンスをとっていくのか……気になりますね。

――DDTも新日本も辞めて、フリーランスになってからの飯伏選手をどう見ていますか?

ミッツ 精神的には安定してるみたいだな、と思って見ていますけど……私にとって「ムラムラする試合」をしてくれるかと言ったら、今はそうでもないですね。DDTと新日本を掛け持ちしていた頃ぐらいの試合がそういう意味では一番よかったかな。出版業界の人とか、男子のプロレスファンはケニー・オメガとの「ゴールデン☆ラヴァーズ復活!」とかそういうところに興味があるんでしょうけど……私はそういう男のロマンみたいなところには一切興味がないので(笑)。

体と顔が好きでも、試合がおもしろくないとやっぱり観続けられない

――ほかにも注目している選手はいますか?

ミッツ DNA(DDT NEW ATTITUDE)の梅田公太が好きですね。まず、あの体がすごく好き。レスラーとしては無骨というか、不器用なタイプなんですけど、そこもいい。あと新日本の高橋ヒロムも好きですね。メキシコ遠征に行く直前の頃から「ああ、いい体だな」と思って見ていました。メキシコにいる時にやっていた、ベタな演出もおもしろかったですよね。メキシコのプロレスって。ベビーとヒールが明確で、あえてダサい感じでやるじゃない? そういうのが結構好きなんですよ。今のヒロムのキャラはどういうことなのかよくわからないんですけど(笑)、会ってみたいです。ただ、あの髪型とコスチュームはだめ! せっかくの顔も体も見えないから(笑)。

――昔から好きな選手を観続けるだけではなくて、プロレス界全体を見渡して常に新しい選手を探していらっしゃるんですね。

ミッツ そうですよ。例えば「グラビアアイドル」って、どんどん世代交代していくでしょう。だからずっとチェックしていないといけないじゃないですか。私はレスラーを性的な目で見ているわけだから、それと同じですよ。

――なるほど……!

ミッツ ただ体も顔も好きだなと思っても、試合がおもしろくないとやっぱり見続けられないんですよね。NOAHの丸藤正道とか全日本の宮原健斗なんかは、試合もずーっとおもしろいですよね。性的な目で見ているといっても、結局試合内容を観ちゃうんです(笑)。

「星屑スキャットLIVE2018 惑星たちのダンステリア」
9月29日(土)18:15開演 9月30日(日)1部14:15開演 2部18:00開演 Club eX全席指定 7000円(税込・入場時別途ドリンク代)※未就学児童入場不可 ※お一人様各公演4枚まで

取材・文:門倉紫麻