賀来賢人「シリアスな役も、泣きの演技も、コメディーも、自分のなかでは、そんなにギアチェンジしている感覚はないんです」

あの人と本の話 and more

2019/7/8

毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、WOWOWオリジナルドラマ『アフロ田中』で、“アフロ”に挑んだ賀来賢人さん。“濃い”共演者たちと臨んだ撮影現場のエピソード、そして令和元年に見せる役者のふり幅とは?

賀来賢人さん
賀来賢人
かく・けんと●1989年、東京都生まれ。2007年、映画『神童』でデビュー。2018年に主演を務めたドラマ『今日から俺は!!』で、ザテレビジョンドラマアカデミー賞主演男優賞受賞。出演作に連続テレビ小説『花子とアン』、映画『斉木楠雄のΨ難』など多数。7月より舞台『恋のヴェネチア狂騒曲』に出演。
ヘアメイク:Toshihiko Shingu(VRAI Inc.) スタイリング:坂上真一(白山事務所)

「毎日、なんのストレスもなく、のほほんと始まり、のほほんと終わるという、すごくいい雰囲気の撮影現場でした。つい笑ってしまうくらい、明るく楽しかった(笑)」

 その空気はまんま、ドラマ『アフロ田中』へと流れ込んでいる。

「“アフロ田中”チームには、新しいことをやろう!という空気が充満していて。観てくださる方が、“おっ!?”と思うようなものをつくってやろうという」

 上京してきた田中が住み込む旭工務店巣鴨寮。そこでともに暮らす男たちが、田中を演じる賀来さんはじめ、“おっ!?”と思うほど“濃い”。いまだに中学生ノリの困った先輩・西田に松尾諭、恋愛の師匠的存在のモテ男、頼れる兄貴、鈴木に小澤征悦、そして田中と同い年の、むっつりスケベな童貞サーファー・高橋に白石隼也。

「小澤さん、松尾さんはもうドハマリで(笑)。短髪にして高橋役に臨んだ白石くんは、多分、キャリア最高の演技だったんじゃないかと思うくらい、童貞にハマっていた(笑)。ゾーンに入っているとはこのことだ!というくらい。本人は否定しているんですけど、彼ほど童貞を上手く演じられる俳優はいないんじゃないかと」

 昨年、話題を席巻したドラマ『今日から俺は!!』で、若手二枚目コメディー俳優の玉座を不動のものにした賀来さん。本作でのコメディー演技の芯としたものは何だったのだろう。

「『今日から俺は!!』や、7月5日より上演される舞台『恋のヴェネチア狂騒曲』をはじめ、ずっと参加させていただいている福田雄一監督のコメディーとはまったく違うものでした。けれど、コメディーの基本は“大真面目に演(や)る”こと。本作でもそれは一緒でした。田中は、ピュアで、ちょっとドジで、自分としてはコンプレックスのある男なんだけど、内面はすごくきれいで、とにかく一生懸命。それが滑稽にも見えるし、応援もしたくなる。そこから観てくださる方の笑いを引き出す、ということを芯に置いて演じていました」

「けれど実はシリアスな演技も、泣きの演技も、コメディーとそんなにギアチェンジしている、という感覚は自分のなかではないんです」という。軽やかにふり幅を見せる――令和元年は、役者・賀来賢人の様々な姿が、様々なシーンで見られそうだ。

「今年はいろんな顔をお見せできる良い年になるんじゃないかなと。シリアスな役も、これまでに演じたことのない役も……。視聴者の方からの反応が今から楽しみなんです」

 そしてまず!『アフロ田中』だ。

「マンガに描かれているエピソードをこまやかにすくい取っている本作は、原作ファンの方にも存分に楽しんでいただけると思います。マンガとはひと味違う、ドラマならではの面白さがたっぷりです。もちろん原作を読まれていない方も! いろんな方に観ていただきたいですね」

 あまりのハマり具合に圧倒されるビジュアルも。賀来さんにとって“アフロ”とは?

「親近感ですね。僕も天パで、気付いたらアフロになるので。同調と親近感、“アフロですが、何か?”っていう(笑)。どやっ? どやっ? って感じです(笑)」

(取材・文:河村道子 写真:鈴木慶子)

 

WOWOWオリジナルドラマ『アフロ田中』

WOWOWオリジナルドラマ『アフロ田中』

原作:のりつけ雅春『上京アフロ田中』(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載)監督:石田雄介 出演: 賀来賢人、夏帆、小澤征悦 7月5日よりWOWOWプライムにて毎週金曜24:00~放送スタート(第1話無料)
●東京で勤務することになった田中・22歳。個性豊かな男たちとの寮生活にも慣れた頃、恋に落ちたOL・マキは見かけによらず、実は田中と同じく恋愛に不器用で……お馬鹿で、エッチで、ポップで泣ける、ゆるゆるコメディー!
(c)のりつけ雅春/小学館 (c)2019 WOWOW