安達祐実さんの飾らず生きるコツ、石けんオフメイクがいい理由は?「整えられた美しさより、嘘のない自然な瞬間に惹かれるんです」

健康・美容

2019/10/9

 ナチュラルコスメブランド「MiMC」の創立者・北島寿さんによる『クレンジングをやめたら肌がきれいになった』(文藝春秋)。安達祐実さんが初めてビューティーモデルに挑戦したことでも話題となった同書をきっかけに、石けんオフメイクに注目が集まるなか、実践編・完全版として『肌がきれいになる石けんオフメイク』(石けんオフメイク研究会/文藝春秋)がこのたび刊行された。

『肌がきれいになる石けんオフメイク』(石けんオフメイク研究会/文藝春秋)

 カバーモデルおよびビューティーモデルをつとめるのは前作にひきつづき、安達祐実さん。そこで安達さんにおすすめの石けんオフメイクの方法と、暮らしを楽しむポイントをうかがった。

毎日続けなくていい。
自分の心地いいペースで肌を休ませることが大事

――もともとナチュラルコスメにはこだわっていたんですか?

安達祐実(以下、安達) 実はそういうわけでもなくて、前作のオファーをいただいたのは、私がたまたまコスメカウンターに寄ったのを「MiMC」の方が覚えていてくださったのがきっかけなんです。私、コスメや美容にはあまり詳しくないんですけど、売り場でいろいろ試しながら見てまわるのが好きで。「MiMC」を見ていたのは、石けんオフができるとかそういうことも知らず、ただなんとなく気になったから。だから私自身、前作のお仕事を通じてナチュラルコスメについて学んでいきました。今もまだまだ、勉強中です。

――最初、不安はなかったですか? 肌に優しいとはいえ、やはり石けんだけで本当にメイクが落ちるのだろうかと石けんオフメイクの初心者は半信半疑だと思うのですが……。

安達 わかります。私も、めちゃくちゃ不安でした。最初に、石けんを泡立てて手でこすらないようにして洗うんだ、と洗顔の基礎を教えていただいたので、そのとおりに実践してはみたんですが、あとからタオルにつかないかチェックしましたもん(笑)。でもそうしたら、ファンデもマスカラも本当につるんと落ちていた。それに1週間試してみただけで、もともと不安定だった肌が安定して、劇的に変化したのがわかりました。ああ、これは本当にいいものなんだな、と実感しましたし、「嘘だと思ったけど本当に肌がきれいになった」という感想も多いんです。なので、友達にもおすすめしています。

――つけ心地や使い勝手はいかがですか?

安達 もちろん、最初はひととおり揃えないといけないので、そのハードルはありますけど、使いはじめると肌が軽い感じがしますし、子供がいるので、触れても口に入っても大丈夫、というのが安心ですね。軽いぶん長持ちしないんじゃないかと思っていたけどそんなことは全然ないし、種類が少なかったり発色がよくなかったりというイメージも強いと思いますが、最近はどのブランドも商品のバリエーションを増やしているし、流行にも敏感。これまで使っていたコスメとの差をほとんど感じなくなってきています。あとは単純に、クレンジングの手間がはぶけるので、時短になってラク(笑)。

――『肌がきれいになる石けんオフメイク』はまさに、ナチュラルコスメのブランドを多数紹介し、それぞれの特色にそったメイクの提案もしていますね。

安達 前作は基本のノウハウを学べる本でしたが、今作は、ナチュラルコスメを使ってこんなにメイクが楽しめるんだよ、という一歩踏み込んだ構成になっています。奇抜になりすぎず、だからといって地味でもなく、ナチュラルさを失わないまま、新しいメイクに挑戦できるので、抵抗なく試してみようと思える本になっているんじゃないかなと思います。

 色モノのバリエーションを知れたのは私自身、とても楽しかった。ヘアスタイルを含め、ファッションジャンルの提案にもなっていると思うので、誰でもひとつは好みが見つかるはず。やっぱりなんでも、自分が楽しいのが一番大事ですからね。それと、無理はしないこと。最初はファンデーションだけでもいいと思うんです。全部をナチュラルコスメにしなきゃとか、毎日ちゃんとしなきゃとか決めちゃうと、つらくなっちゃうじゃないですか。

――無理をしない、って大事ですよね。そうでなければ、続かない。

安達 ストレスがかかることを続けるのは、かえって肌に悪いですしね(笑)。たとえば、最近肌が疲れてるなと思ったら、何日間かだけ石けんオフメイクにしてみる、とかでもいいと思います。それだけでだいぶ肌は休まるはずですから。私も今、ビューティーモデルをはじめいろいろなお仕事をさせていただいているので、クレンジングをしないと落ちないメイクをすることもある。自分のペースで、できる範囲で続けています。そんなふうに皆さんも、気楽な気持ちで始めてみようって思ってもらえると嬉しいです。

整えられた美しさよりも、ふとしたゆるみの瞬間に魅力がある

――今年、デビュー35周年を記念してヴィジュアルブック『YUMI ADACHI A to Z』(双葉社)が刊行されましたが、それを読んでいても、肩の力を抜いて自分のペースを大事にすること、をとても意識されているような気がしました。

安達 そうですね。無理してもたぶん長続きしないから、というのが一番ですが、無理することができない性格にもなってきました(笑)。歳を重ねるうちに、我慢せずに済むことも増えてきたから、どうせ努力するなら自分が心地よくいられる環境をつくるほうに向けたほうがいいな、って今は思います。かといって、頑張っていつでもポジティブで楽しくいられるようにしようと、意気込んでいるわけでもないんですけど……単純に、自分が気持ちいいと思うことを素直に受け入れていったほうが、結果的に物事がうまくまわることが多いんです。自分の心地いいところをマイペースに見つけていく作業が、今の自分には一番合っているんだと思います。

――そんなふうに、自分の状態を受け入れられるようになったのはいつ頃ですか?

安達 ほんとにラクだなあと思いはじめたのは30代半ばですね。この4、5年でだいぶ心地のいい状態が整ってきたように思います。家族の存在も大きいですね。飾らず素のままの自分でいられる場所があるというのは安心感を与えてくれるし、その場所があるから何があってもリセットできる。それでいいよ、間違ってないよ、って言ってくれる存在がいるのは自信になるし、そうすると全部のことが楽しくなってくるんです。

――味方がいる、と思うだけで心強いですもんね。

安達 そうですね。私のまわりには、家族以外にも味方だらけなので、無敵だなって気持ちになります。好きなことをやらせてもらって、しかもこんなに支えてもらって、ありがたい限りです。

――夫でありカメラマンの桑島智輝さんによる写真集『我我』(青幻舎)も発売されました。桑島さんは、毎日、安達さんの写真を撮り続けていることで知られていますが、いくら飾らない自分でいられるとはいえ「その瞬間のそんな顔とらないで!」みたいになることはないんですか。

安達 ないですね。きれいな状態を撮っていただくのは他のお仕事でもできるから、というのもありますが、もともと私は、きれいに撮られたいという気持ちがそんなになくて。見せるべきところだけを見せたい、という芸能人の方もいらっしゃいますが、私はあまり、美を携えて人前に出るタイプの俳優ではないので、汚い顔が映し出されたとしても、気持ちが伝わればそれでいいんです。だからよけいに抵抗がないのかな。

――カメラ目線でキメている写真よりも、気を抜いたときの表情のほうが柔らかくて魅力的、っていうこともありますよね。

安達 ドラマの現場では、たいてい打ち上げのときに、スチールカメラマンさんが撮影した写真がVTRで流れるんです。キャストだけでなく、スタッフ一人ひとりが働いているところを、カメラマンさんがいつのまにか独断で抜いている。撮られていることを意識せず一生懸命働いている姿はとても美しいなと思いますし、その瞬間を逃すのはもったいない気がしちゃう。人間って、意識的に整えた部分じゃないところに面白さが溢れているから、夫が撮る私についても「きれいに撮って」ではなく「せっかく面白いのに撮らないなんて意味がわからない」って気持ちのほうが強いんです(笑)。

――確かに、安達さんが可愛さと美しさの両方を兼ね備えているのは、ふとした瞬間の佇まいや表情からにじみ出るものがその時々によって違うからのような気がします。表面的なものにとらわれず、自分をとりつくろわない姿勢に、多くの人が憧れるのかなとも。

安達 そんなふうに言っていただけると嬉しいですね。皆さんの手できれいにしていただいた状態を見せるために表に出ることもすごく大事だと思うんですが、そうじゃない姿を見せることにも意味があるんだとしたら、私がこうしてお仕事することの励みにもなるなって。

なるべく嘘をつかず、
自分自身をオープンにできる生き方をしていきたい

――心地いいところを探す、といっても、日々心が乱れることもあると思います。そういうときはどうするんですか。

安達 そんなのはしょっちゅうなので、夫に愚痴ったり八つ当たりをしたりしてガス抜きします(笑)。あとは、仕事の失敗で落ち込んだことは、仕事で新しい成功体験をつかむことでしか立ち直れないんですよね。やっちゃったなあ、と引きずり続けていてもしかたないので、なるべく切り替えるようにはしています。子供に対しては、あまり感情に任せて叱ることがないので、それほど心が乱れたりはしないかな……。

――ついカッとなる、みたいなことはないんですか?

安達 イラっとすることはもちろん多々ありますけど、ぐっとこらえて、どういう言い方をすれば傷つけず、ちゃんと諭していけるかをすごく考えます。というのも私がめちゃくちゃ怒られて育ったんですよ。子供のころからこういう仕事をしているわりに普通の感覚を失わずにいられたのは、きちんと怒ってもらえたからだと思っているので感謝はしているんですが、自分が子供を育てるときは怒らないようにしようと決めていたので、なるべく言って聞かせるようにしています。

――それって、子供が小さければ小さいほど、かなり難しいのではと思うのですが……。

安達 たとえば、3歳の長男は、考える前に手が出るんです。乱暴で、力の加減を知らないから悪気なくモノを蹴ったりもする。そういうときは言って聞かせて、それでもわかっていなさそうなときは、「次にやったらママ叩くからね」と予告する。それで「次」があったら、軽く手をぺんとしてみる。なんでも許す、注意しない、ということではなくて、順序立てて本人が納得できるようにはしています。そのやり方が正しいかどうかは、私が死んだあとくらいにしかわからないと思いますが、なりたいと自分が思い描く親に近づくにはどうしたらいいんだろう、子供を傷つけず卑屈にさせないようにするには……と、模索し続ける日々です。

――ちなみに安達さんは、どういう親、ではなくて、どういう自分になっていきたいですか。

安達 そうだなあ……。私は基本的に適当な人間なので、あまり嘘をつかずにいられたらいいかな、と思います。俳優という職業自体が、自分ではない誰かになって、現実ではないものを見せるものなので、そうではないところでは「これが私です」というのをなるべくオープンに見せられるようにしていたい。そういう生き方をこれからもしていけたらいいなって思いますね。

取材・文=立花もも 撮影=花村謙太朗
ヘアメイク:秋鹿裕子(W) スタイリング:船橋翔大(DRAGON FRUIT)

ワンピース¥44,000/エボニー(シック)イヤリング¥10,000/ザ ダラス(ザ ダラス ラボ.)
シック 03-5464-9321
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