【インタビュー】私立恵比寿中学・真山りか。グループの10周年と変化への思い

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公開日:2019/10/13

■6人体制への変化で「エビ中を終わらせないために」と考え始めた

――10周年を振り返るにあたり、真山さんなりに思う自分たちの「転機」はいつでしたか?

真山:何度もありましたけど、自分としては(廣田)あいかが転校したのは大きな節目だったなと思います。歴史をたどれば「仮契約のシンデレラ」でメジャーデビューしてから、カホリコ(小林歌穂・中山莉子)の転入(加入)があったり、瑞季やなっちゃん(杏野なつ)、(鈴木)裕乃の転校もあったけど、そこまではインディーズ時代にも似た流れがあったんです。

 でも、3人の転校を経て8人体制になってからは、初めて「ミュージックステーション」(テレビ朝日)に出演させていただいたり、自分たちの環境がめまぐるしく変化していく時期にさしかかって…。その過程で、あいかがエビ中に残してくれたものは大きかったなと思っているんですよね。

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 そこから、あいかの転校を境にして今の6人体制になり、いよいよ「エビ中を終わらせないために、大きく成長させるためにどうしたらよいか」を、メンバーそれぞれが考え始めた気もします。

――エビ中の将来を思い描くにあたり、みなさんどんなことに取り組み始めたんでしょうか?

真山:周りの大人に任せっきりだった部分を、自分たちでこなすようになりました。例えば、6人のフォーメーションに作り直すのは(柏木)ひなたが率先して引っ張ってくれたし、作詞や作曲もしている彩ちゃん(安本彩花)がライブのBGMを作るようにもなって。

 私は常々「自分がやって心地よくなければ、観ている側も楽しくない」と思っているので、セットリストに意見を出す機会が多いですね。一昨年末の「COUNTDOWN JAPAN 17/18」(2017年12月28日出演)から対バンやフェスでは自分たちで考え始めたんですけど、ためらいなく考えを表に出すようになってから、スタッフさんに「エビ中が早くこうなるのを待ってた」と言われたんですよ。

 周囲の大人たちと話し合えるようになったのは、自分たちにとって大きな成長だなと思いました。

――自分たちが大人になったことの証しかもしれませんね。その上で、パフォーマンス面での変化はありますか?

真山:アニメ声風に歌うパートが、いつからか急に恥ずかしくなってしまって(笑)。例えば、インディーズの1枚目だった「えびぞりダイアモンド!!」にある「メール返信 忘れちゃった」で、ボイストレーニングの先生から「今の年齢と見合っていなくて変だよ」と言われたときに「ひょっとして初めて聴いた人は、違和感をおぼえているのかな」と思い始めたんですよ。

 私は元々、アニメや声優さんの世界が好きなので自分にとっては“当たり前”だったけど、エビ中の活動が拡がる中でその違和感がグループのネックになったら困るなと考えて、意図的に控えていた時期もあって。今も会場の空気感によって本番直前まで抑えめに行くか、アニメ声に振り切るかで悩んでいるんですけど、アイドルとは異なる路線の曲も増えてきたので、試行錯誤すべき時期にさしかかってきたのかなとも思います。

――これまでに何度かのメンバー変遷をたどってきたエビ中ですが、転校したメンバーとはいまだに交流を取っているんですか?

真山:取ってますね。インディーズ時代は自分自身が子どもだったのもあり「何で辞めちゃったの?」とむくれて、口を聞きたくないと考えていたこともあったんですけどね。でも、だんだんと大人になるにつれて“アイドルが生き方のすべてではない”と理解できてきたし、卒業してからも「今何してるの?」と近況報告し合えるような学校の友だちみたいな距離感の方が、楽しいなと思えてきて。

 何なら、あいかはエビ中にいたとき以上に交流を取っている気がするし、瑞季や(七木)奏音の舞台を観に行ったり、みんなの活躍を楽しみながら過ごしています。

――グループとしては、2017年2月に急逝された松野莉奈さんとの別れもありました。松野さんに対しては、どのような思いが巡っていますか?

真山:今も考えない日なんてないし、消化しきれない部分もありますね…。ただ、彼女の名前を出さないのは違うというか、そんなことはできるはずもないから、メンバーともよく思い出を語り合っているんですよ。日常的に「そういえば、松野こんなこと言ってたよね」とか。いまだに私たちのそばにいてくれているような気もするし、話題に出すことを彼女もきっと望んでいるだろうなと感じています。