このポーズをやって、体脂肪3%減! カーマスートラ ヨガで膣活したら、「腹が凹む」「体幹力アップ」「よく眠れる」!〔後編〕

健康・美容

公開日:2019/12/29

 日本女性ヘルスケア協会会長であり、『膣活! カーマスートラ ヨガ』(KADOKAWA)の著者の鈴木まり先生は「カーマスートラ ヨガを行うことで、女性の体は確実に変わる」といいます。

 女性の悩みといえば「冷え」「生理痛」「不眠」「ダイエット」などが上げられるかと思いますが、実はそのすべては自律神経と女性ホルモンに関係してくるのだそう。

鈴木まり(以下、鈴木):社会の中で第一線で働く方も増えて、ストレスが溜まっている女性。特に働き盛りの方々からは、「睡眠が浅い」「生理痛が重い」「イライラがひどい」「頭痛や背中のコリが取れない」「便秘と下痢を繰り返す」といった症状を聞くことが多くなりました。

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 実はこれらの症状は交感神経が優位な方によく現れます。つまり、ストレスをうまくコントロールできず、睡眠も不安定になり、体がリラックスできないという悪循環にハマり、自律神経が乱れているのが大きな原因です。

 自律神経が乱れると内臓がうまく働かず、子宮もうまく動かないため、女性ホルモンの分泌が悪くなるのです。それによって女性は更年期に似た症状や疲れなどが若いうちから出てくるのです。

――では、女性ホルモンが整えば、女性たちが抱える多くの悩みも改善されるんですね。

鈴木:そうです。女性ホルモンがきちんと機能すれば様々な症状は軽減します。そのために効果的なのが、膣を鍛えること。

 でも、膣を鍛えるといわれてもピンとこないですよね。膣を鍛えるとは、つまり膣圧をアップすること。肛門をギュッとしめると、膣がキュッとする感じを覚えると思いますが、これが膣を動かしている証拠です。この膣を動かすことを意識的にできるのが、カーマスートラ ヨガなのです。

――食事を少しコントロールしたり、ちょっと運動をしただけではなかなか痩せなくなってきたアラサー以降。運動は必要だと感じていますが、疲れが取れにくくなり、より動くのが億劫になっています。カーマスートラ ヨガはそんな年代の女性も手軽に行えるのでしょうか?

鈴木:正直、アラサー以降はみな同級生です!(笑)だからこそ、どんな年代の方でも生活の中で取り入れることができて、体に負担をかけすぎないカーマスートラ ヨガがおすすめです。そもそもヨガは医者にかからず自分の体を整えることを目的に作られたものです。

 そして男女の性愛法を記したカーマスートラも、セックスにより、陰陽のバランスを調和し健康改善につながるという考えがベースにあります。つまり、ヨガとカーマスートラは基本の考え方が同じで、ともに健康法のひとつなのです。ですからカーマスートラ ヨガは自宅で簡単に自身の体を整えたいという人にはぴったりです。

――アラサーも通り越し、運動をしても体型に変化がなくなった筆者。鈴木先生の話を聞いて、「もしかしたら自分もできるかも」という一筋の希望を感じ、特に効果があるという3つの方法を教わって、実践してみました。

膣の締まりを戻し、体も心も整う3つのポーズ

①お腹が凹む「歩く蟹のポーズ」

「寝そべって股関節周りをほぐすので、下半身へ血流が巡りやすくなります。また腹筋を使うので、体幹を鍛えるのにも効果的です。脚を固定して上半身を起こす腹筋をしている方も多いかも知れませんが、実はこの方法は腰や首を痛めがちです。歩く蟹のポーズのように、寝たままアンバランスな足をキープする方がより腹筋に効果もあるので、腰痛などに悩む方も挑戦できるポーズです」

<ポーズのとり方>
①仰向けになり両膝を立てる。
②手は丹田(へその下あたり)に置き、腹筋に力を入れる。
③腹筋、肛門、膣を締めて、両膝を揃えて胸へ近づける。
④そのまま両膝、股関節を開いて外側へ回し、脚が伸びたら、また膝を揃えて胸の方に引き上げる、を繰り返し脚を回す。
⑤1回4秒くらいの速さで回し、呼吸を止めないように1分間繰り返す。

②二日酔いにも効果あり! 体幹力アップの「カーリーの首輪のポーズ」

「下半身を鍛えるので、膣圧も上がります。また、膝を曲げたポーズのまま上を向くので体がふらつくのですが、体の中心を意識して安定させるので、体幹を鍛え、体力アップにも効果的です。また、肝臓の経路といわれている脇を伸ばすポーズも加わっているので、肝機能を整えます。二日酔いはもちろんですが、ちょっと疲れたな、という人も脇を伸ばすことを意識してみると体調に変化が現れますよ」

<ポーズのとり方>
①肩幅より広く脚を広げて立つ。
②肛門と膣を締めたら、重心は膣の真下へおろしてしゃがむ。
③両手を組み、天井へしっかり伸ばし、胸を引き上げる。
④そのまま鼻から吸って口から吐く腹式呼吸を6回(1分)

③ぐっすり眠れる「カラスの交わりのポーズ」「ゆれるワニのポーズ」

「太ももが硬くこわばり、下半身に血流がうまく巡らず冷えで眠りにつけないという方も多いはずです。『カラスの交わりのポーズ』をベッドで寝そべりながら行い、最初に下半身を温めましょう。

 そのあと、『ゆれるワニのポーズ』で全身をリラックスさせると質の良い睡眠につながります。交感神経が優位になったままで、睡眠が浅く途中で目が覚めてしまうような方は、『ゆれるワニのポーズ』を目が覚めてしまった時に行うのもよいですよ」

<ポーズのとり方>
①左脇を床にし、脚を揃えてまっすぐ横になる。
②左手は伸ばし、右脚を後ろへ曲げて、右手で右足首をつかむ。
③肛門、膣を締めたら右手で右足を後ろへ引っ張り、太ももを伸ばす。
④そのまま鼻から吸って口から吐く腹式呼吸を6回(1分)。
⑤逆脚も同じく繰り返す。

 仕事の合間にストレッチも兼ねて3つのポーズを取っていたのですが、いずれのポーズも、「体が伸びるって気持ちがいい」と感じるポーズばかりでした。実はそれほど熱心にヨガポーズをとっていたわけではないのですが、毎日気が向いた時にやっていただけで、特に大きな食事のコントロールや運動をしなくても体脂肪がするっと3%減っていました!

 また寝る時に足先が冷えるので靴下を履いて寝ていたのですが、末端の冷えが解消されて寝ている最中に熱くなるのか、靴下を自然に脱いでいる日が多くなったのも驚きです! 女性ならではの体の悩みを感じ始めたなら、ぜひ「カーマスートラ ヨガ」に挑戦してみてはいかがですか?

イラスト=とみたかえり、文=知野美紀子、撮影=内海裕之

【著者プロフィール】
鈴木まり

日本女性ヘルスケア協会長。株式会社ロサ代表取締役。JOHORETCH(ジョホレッチ)開発者。日本アーユルヴェーダ学会員。アーユルヴェーダマイスター(日本セラピスト&マイスター協会認定)。国際薬膳師・中医薬膳師。アーユルヴェーダサロンROSAにてセラピスト、心のカウンセラー、ジョホレッチインストラクターとしても活動。2010年「首都圏ベストセラピスト」に掲載される。コラム執筆、雑誌監修、著名人やタレントなどへのプライベート指導も行っている。