世界17カ国に広がる人材教育メソッド「ほめ育」がテレワークでのマネジメントにも有効なワケ[PR]

ビジネス

2020/4/21

『今すぐできる! 今すぐ変わる! 「ほめ育」マネジメント』(原邦雄/PHP研究所)

 国内外300社以上に導入され、約100万人が効果を実感しているという人材育成メソッド“ほめ育”。そのノウハウを確立し、世界へ広めていくための活動を続けているのが、「ほめ育財団」の代表・原邦雄さんだ。今回は著書『今すぐできる! 今すぐ変わる! 「ほめ育」マネジメント』(PHP研究所)を紹介しながら、現代のビジネスシーンでどのように「ほめ育」を活用していくのか、そのメリットや効果、そして世界へ広がっていく“ほめ育”の目標まで、幅広く話を聞かせてもらった。

――ダ・ヴィンチニュース読者の多くは“ほめ育”について、まだあまり馴染みがないと思います。まず、原さんが提唱されている“ほめ育”とはどのようなものなのか、教えてください。

“ほめ育”とは、その文字通り「ほめて育てる教育」のことです。近年、「ほめる」ことの有用性が注目されて、ビジネスやマネジメントの方法論として一種のブームのようなものが起きていますが、ただ適当に「ほめる」だけでは逆効果なんですね。ほめて相手をいい気持ちにさせるだけなら簡単ですが、それは結果につながらず、むしろ甘えのある馴れ合いの職場になってしまう可能性があります。『「ほめ育」マネジメント』では、労働環境を改善し、しっかりと業績アップにつながる新しい人材育成メソッドとしての“ほめ育”を具体的に紹介しています。現在、新型コロナウイルスの影響で企業や自営業者の多くが、かなり厳しい状況にさらされていますが、ほめ育マネジメントを導入、実践しているところは、この危機を好調を維持したまま乗り越えようとしているんですよ。

――その“ほめ育”の具体的なポイントもぜひ聞かせていただきたいと思いますが、まずは原さんが“ほめ育”という独特のメソッドを見出したきっかけを聞かせてください。

 かつて私は船井総合研究所に勤めていて、そこで「コンサルタントとして一番になる」ことを目標にしていました。しかし、なかなか先が見えずに伸び悩んでいたところ、当時の上司から次のようなアドバイスをいただいたんです。「今後はネットの普及で経営者は経営ノウハウを無料で手に入れることができるようになる。その一方で現場スタッフとの距離は広がる。その間に新しいマーケットが生まれるはず」と。つまり、現場の声を経営者に的確に届けることができるコンサルタントが求められる時代が来るということですね。そこで、「自分で現場を体験しなくてはいけない」と考えた私は、思い切って船井総研を辞め、知人のツテで某人気ラーメンチェーン店で働き始めることにしたのです。

 コンサルタントからラーメン屋というまったく異なる業界に飛び込み、ほとんど住み込みで油まみれになって必死に働きました。その結果、私は店長を任されることになったのですが、その当初は、スタッフの指導について「厳しく叱る」ことが正しいと信じていました。私自身、社会人になってからは厳しく叱られることで成長してきたという思いもあったからです。それでスタッフが成長して売り上げも上がるはずだ、と。しかし、実際にはスタッフはどんどん辞めていってしまい、私は自分のマネジメントが間違っていたことを悟りました。そんなときに、あるアルバイトの子から「原さん、今月のMVPは誰ですか?」と聞かれたことがあったのです。それはすごく衝撃的な質問でした。当時の私はスタッフにダメ出しをするばかりで、いいところにまったく注目してこなかったことに気づかされたからです。それが「叱る」から「ほめる」への転換点になりました。

――そこから、どのような変化があったのでしょう。

 日頃から具体的にポイントを挙げてスタッフをほめるようになり、月に1回スタッフ全員を集めて、ひとりずつ具体的なポイントを挙げてほめていく「ほめる会議」も始めました。MVPは全員で拍手。雇われ店長なので報奨を上げるようなことはできませんでしたが、それでも店の雰囲気は生まれ変わったかのように勢いが出てきたんですね。スタッフは辞めることなくイキイキと働き、それに合わせて売り上げも伸びていきました。利益が上がったことで、本部にスタッフの時給アップの交渉もでき、それがまたスタッフのやる気にもつながるという良いスパイラルが生じたのです。もう、「叱る」マネジメントをしていた頃とはまったく違う店でした。そこで、私は「ほめる」ことの力を確信し、それをメソッド化した“ほめ育”を多くの人に伝えるべく、再びコンサルタントを始めたのです。今回ご紹介させていただく『「ほめ育」マネジメント』は、そのノウハウをあらゆる業種、役職に活用できるように具体的な事例やツールとともにまとめた1冊です。

――『「ほめ育」マネジメント』は1ページ目の冒頭に「今すぐ、スタッフをほめるのを止めてください。あなたの“ほめ方”では、スタッフのやる気も、業績も上がりません」と書かれていたので驚きました。

 ちょっと挑戦的な言葉だったかもしれませんが、最初のページに書いたことが、私が伝えたかったことなんです。“ほめて部下を伸ばそう”とするとき、その多くは“飴とムチ”のような上辺のテクニックで部下をコントロールしようとしているんです。それはすぐに部下にもバレてしまいますよ。また、「今日のネクタイの趣味がいいね」とか「その髪型、似合っているね」などと、適当におだてるようなほめ方をしたところで、業績がアップするような変化は生まれません。本書にはこれまで私が現場で働いているスタッフ、3万8000人以上から聞いた「この“ほめ方”なら上司についていく」という実践的、効果的な“ほめ方”を紹介しています。

 この本は経営層や上司が部下や現場スタッフを“ほめて育てる人材育成メソッド”について指南する本ですが、同時に現場の目線から「経営層や上司はどうあるべきか」というメッセージを伝える本でもあります。かつて私がラーメン店の店長をしていたときのように、部下や現場のスタッフを成長させたいのなら、安易な言葉でコントロールしようとするのではなく、まず自分が変わらなくてはいけません。やはり、尊敬される人間にならないと「ほめる」効果は上がりませんから。“ほめ育”は実践することによって、部下や現場のスタッフだけでなく、ほめる側の意識、態度もより良い方へ成長させていくものなのです。

――“ほめ育”は「業績アップの実現」を確約しているところが、とても特徴的だと感じます。どのようなほめ方が業績アップにつながるのでしょうか。

 根本的なメカニズムはとてもシンプルで、肝になっているのは「“業績アップにつながる行動”をしたスタッフをほめる」ということです。どのような業種、役職であっても、この“業績アップにつながる行動”をリストアップして、「その行動だけをほめる」とほめる基準を明確にすることが“ほめ育”の第一歩になります。そこで、まず業績アップにつながる行動を洗い出し、それをスタッフに周知するという作業が必要になります。

 私が個人的に取り組んでいるトライアスロンを例に説明しましょう。トライアスロンの水泳の距離は1.5キロですが、3年前にトレーニングを始めたとき、私は50メートルも泳ぐことができませんでした。そこでまずは1.5キロの距離を泳げるようになることが目標になるわけですが、最初、私のコーチは泳ぐときの姿勢“だけ”を丁寧に教えてくれました。それだけなら初心者にもハードルは高くありません。それができたら、蹴伸びのやり方、腕の使い方と、クリアしていくたびに私に合わせたメニューと目標を細かく設定してくれたのです。そうすることで、私は苦手な水泳に対するモチベーションを維持して、努力を継続することができました。今ではもちろん1.5キロ、泳げるようになっています。業績アップの行動のリストアップもこれと同じなんです。業績アップというゴールから逆算して、そこに至るまでのステップとなる行動を細分化します。それを課題としてスタッフに提示し、それができたらしっかりほめて評価して次のステップに進む。根性論や理想論ではなく、現実的で背伸びをすれば届くぐらいのちょうどいい課題をクリアしていくことで、必ず業績アップというゴールを達成できるはずです。

――“ほめ育”を実践すると、どのくらいで成果があらわれるものなのでしょう。

 先ほどお話しした細分化した課題設定について行動で応えてくれるスタッフがひとりでもできれば、目に見える成果があらわれるのは早いですね。こういうスタッフは“火種”のようなものなんです。上杉鷹山のエピソードにあるように、ひとつ火種があれば、そこに風を送れば火が大きくなります。それと同じで周りにも影響を与え、それが職場全体に広がっていくことで、全体の業績アップが見込めます。これまで数多くの企業に実践してきた経験からいって、早ければ約3カ月で、結果が数字に出てくるはずです。

 もうひとつ強調しておきたいのは、“叱る”マネジメントと違い、“ほめ育”は職場の労働環境そのものが非常によくなるということです。上司が不機嫌でいつも部下を叱責しているようなギスギスした雰囲気の職場ではパフォーマンスのいい仕事はできません。スタッフの“足りないところ”を探して叱責することはストレスになりますが、スタッフの長所や能力を見つけてほめることは“宝探し”のようなものでストレスにならないんですね。スタッフも自分の行動をしっかりほめてもらえれば上司に対しての信頼感と自分に対する自信が生まれますし、たとえミスをして叱責されるようなことがあっても、その関係は壊れるようなことはないでしょう。こうやって働く環境が変われば、アイデアの提案力も創造力も変わっていきます。それは新しいサービスや商品につながる可能性もあるでしょう。“ほめ育”はこのような相互効果を作ることで、業績アップを実現させるのです。

――現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、テレワークや在宅勤務を導入するようになった企業も増えています。こうした新しいワーキングスタイルにも“ほめ育”を活用できるのでしょうか。

 今後、テレワークや在宅勤務の普及が加速していくことは間違いないし、そのマネジメントに悩んでいる人も多いでしょう。そういう人にこそ、ぜひ“ほめ育”を実践してみてほしいです。テレワークや在宅勤務のマネジメントに関して、もっとも不安に感じるのは勤怠管理やコミュニケーションの問題だと思いますが、そこで“ほめ育”の活用が有効になってくるのです。

 オフィスで仕事をしないことで、「ひょっとしたらサボっているんじゃないか」と疑心暗鬼になり、“性悪説”的な考え方をしてしまいがちなことが、在宅勤務やテレワークの大きな問題点です。しかし、これまでお話ししたように、“ほめ育”ではスタッフの長所や能力を見出してほめていくことで信頼関係を構築していきます。互いに顔を合わせなくても、“ほめ育”によって「自分のプラスの面を見てくれている」ことが伝われば、自然と向こうも同じようにプラスでこちらのことを考えようとしていくものです。お互いが相手のことをプラスで考えれば、ポジティブな性善説のコミュニケーションが成立し、それぞれのスタッフは在宅勤務やテレワークでも高い意識をもってやるべき仕事をやれるようになるのです。

 さらに実務的なポイントとしては、「今日はどのような作業をするのか」「明日はどのような作業をするのか」といった具体的なタスク管理の可視化が重要です。上司、スタッフそれぞれの作業がひと目でわかるように共有することで、お互いの視点に立つことができるようになります。そして、もちろんタスクをしっかりこなしたスタッフをほめて評価することも忘れないようにしてください。タスク管理はSNSや勤怠管理ツールなど今は手軽に導入できるものが数多くあります。ぜひ、“ほめ育”を新しいワークスタイルに役立ててほしいと思います。

――本書の最終章タイトル「人はほめられるために生まれてきた」は、原さんが真理として提唱されている言葉だそうですが、この真意についてお聞かせください。

 どんな人でも“自分の人生のテーマになる言葉”に出会うときがあると思うんです。私にとって、それがこの言葉でした。私は講演やワークショップなどで世界各地を回っているのですが、カンボジアに出向いたときの話です。貧困や衛生状態が非常に問題になっている“ゴミ山”で生まれて、一度も誰からもほめられることなく死んでいく子供たちが大勢いる現実を目の当たりにしました。そのときに、私は「人はほめられるために生まれてきた」という言葉を世界に広めないといけないと強く感じたんですね。そして、これは上司やスタッフといったビジネスシーンだけでなく、親と子といった家族、恋人や友人など、あらゆる人間関係に通じる真理だと信じています。

 私の使命はこの言葉とともに“ほめ育”を世界へ伝えていくことです。多くの企業は、経営理念やミッション、クレドといったものを掲げています。しかし、地球という大きな単位で見たときに、共通の理念はありませんよね。地球に住む人々がひとつに団結するためには、そんな理念が必要なはずです。その理念のひとつに“ほめ育”を入れて、世界で通じるものにしたい――それが私のヴィジョンであり、もっとも大きな目標なんです。

取材・文=橋富政彦
【ダ・ヴィンチニュース編集部/PR】

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