年商5000万円のYouTuber・イケダハヤトさんに聞く! YouTuberを副業にしたいと考える人に伝えたい「世界を楽しむ」心構え

ビジネス

公開日:2020/9/19

 今春以降、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、失業や店舗の閉店、企業の倒産といった話をよく聞くようになった。リモートワークやフレックス制の導入、終身雇用の崩壊など、働き方の変化も急速に進む中で、副業にチャレンジしてみようと思っている人も多いのでは?

 現代の副業を考えるとき、憧れはやはりYouTuber。そこで、ブログやYouTube、Twitterなどを時代に応じて使いこなし、自分で稼ぐ方法を提案しているビジネス系YouTubeチャンネル「イケハヤ大学」のYouTuber・イケダハヤトさんに、YouTubeで稼ぎたいと考える人に伝えたい心構え、これからの働き方や稼ぎ方について、お話をうかがった。

イケダハヤト

YouTuberとしての成功で得られる本質的なものは「個人の影響力」

──そもそもYouTubeで稼ぐとは、具体的にどういうことなのでしょう?

イケダハヤトさん(以下、イケダ) もっとも一般的なのは、いわゆる広告収入ですね。金額に開きはあるのですが、YouTubeでは、動画を1回見てもらえると、0.1円〜1円くらいの広告収入が入るというしくみがあります。おもしろい動画をアップして、それが10万回再生されたら、1万〜10万円になることもある。多くのYouTuberは、このような広告という形で稼いでいます。

──YouTuberとして有名になれば、いろいろな事業がうまくいきそうですが…。

イケダ そうですね。いきなり踏み込んだ話になりますが、プロの場合、広告はむしろサブという考え方だと思います。僕自身もそういう考え方ですし、ほかの方も、実は広告より売れるものを持っているというケースがけっこうありますね。たとえば、人気YouTuberのマコなり社長さんが有料のコンテンツ配信をはじめていますが、その有料コンテンツが推定年商3.6億円です。広告と比較すると、比べものにならない金額になるんですよ。

 現在のトレンドとしては、やはりコロナの影響で広告費が下がっています。僕ら専業の配信者は、サスティナブル(持続可能であること)にやっていかなければいけませんし、広告収入は突然止まってしまうこともある。そのリスクヘッジも兼ねて、広告よりも、なんらかの商品とか、有料のコンテンツみたいなものを用意して、動画はそれを売る手段にするというのが最先端かなと思いますね。

──YouTuberは、今後も稼げるものなのでしょうか?

イケダ 非常に難しい話ではありますが(笑)、動画の市場自体はまだまだ伸びるということは確実かなと。通信規格が4Gから5Gになり、通信制限もより少なくなって、2025年ごろには、動画を見るくらいなら容量はまったく気にしなくてよくなるでしょう。ライブ配信もやりやすくなるし、4Kなどのリッチな動画も簡単に見られるようになります。

 ただ、YouTube的なコンテンツがどこまで求められるかということは、読みにくいですね。通信規格が5Gになると、VRとかARのような新しいフォーマットも消費しやすくなっていく。YouTubeという「ふつうの動画」を見る体験よりは、もっとリッチな体験──たとえば、「フォートナイト」というオンラインゲームでは、ゲームの中の動画コンテンツとして、米津玄師さんのライブを楽しめたりするのですが、そんな体験ができるほどにコンテンツ全体の表現手法が広がり、プラットフォームもどんどん増えていく中で、YouTubeがどうなるかという点は、非常に予測が難しいですね。

 僕ら配信者は、日々、新しいものの動向をチェックして、「これはいける」と思えば、そちらに振り切るなどの努力が必要です。そんなに簡単な商売ではないなということは、実際にYouTuberとして活動していて思うことですね。

 けっきょくYouTubeで活動することの本質的な利点は、個人の影響力を高められるということなんです。それはTwitterでもInstagramでも同じですが、獲得したフォロワーはポータブル、つまり持ち運びができます。今、YouTubeの僕のチャンネルの登録者は25万人いますが、僕が「TikTokに移ります」と言えば、けっこうな人数がついてきてくれるのではないかと思うんですよ。

 今後、どんなプラットフォームが伸びるとしても、今、YouTubeで影響力を獲得しておくと、これからも稼ぎやすくなります。今のうちにYouTubeをやる意味は、大きいと思いますね。

──「個人の影響力を高める」ために、心がけていることはありますか?

イケダ シンプルに考えて、「役に立つ情報をちゃんと届ける」ということを意識していれば、個人のブランディングもできるし、フォロワーも増えていくと思います。

「役に立つ」とは、個人の経験を、みんながおもしろいと思う形、役に立つと感じる形で表現してあげること。たとえば、起業して失敗した経験がある人は、「起業のときこういうことをすると失敗するぞ」と発信すれば、これから起業しようと考えている人の役に立ちますよね。

 経験の内容は、借金の返済でも、闘病でも、海外の情報でも、なんでもいいんです。自分で好きな雑誌などのメディアを作るのと同じことなので、難しく考える必要はありません。

自分の可能性を広くとらえて、マーケットに評価してもらう

──「なにが自分独自の経験や強みなのかわからない」という話もよく聞きます。自分の強みに気づく方法があれば、教えてください。

イケダ いろいろなコンテンツを世に出してみることですね。けっきょく、マーケットに自分を評価してもらうしかないんですよ。チーズケーキとラーメンを作って出してみて、チーズケーキがウケたなら、チーズケーキをひたすら磨いていく。意外なものがウケて、「そうなんだ!?」と思うことは、僕もいまだにありますよ。いろいろなものを試していくということは、僕らの仕事ではとても大事ですね。

──YouTuberに向いている人とは、どんな人でしょう?

イケダ YouTubeとは、なにがウケるかわからない世界です。よく「副業でYouTubeをはじめます」と言いつつ、ひとつしかチャンネルを作らない人がいますが、それだと「なにがウケるか」という仮説が、ひとつしか試せない。ペットのチャンネルがウケるかもしれない、スポーツのチャンネルがウケるかもしれない、と5つくらい仮説を立てて、「バスケのチャンネルがウケたから、バスケにしよう」という感じでやっていける人が、基本的にはうまくいきやすいですね。

 反対に、YouTuberに向いていないのは、「俺にはこれしかないんだ」と盲目的に勝負をかけて、バズっちゃった人。仮説を立てて検証するという習慣がないので、そのあと数字が伸びないんですよ。自分の可能性を広くとらえて、「自分にはなんでも表現できるんだ」と挑戦できる人こそが、YouTuberには向いているのかもしれません。

──専業の方もいらっしゃるYouTuberですが、副業にも適していると言えるでしょうか?

イケダ 事実レベルで見て、副業でうまくいっている人、たくさんいますよ! お金という観点から見ても、副業としてはとても割がいいと思います。YouTubeって、撮り方にもよりますが、仕事の片手間でもやれるんですよ。初期投資もほとんど要りません。スマホがあればそれで足りるし、パソコンさえ必要ないんです。

──専業YouTuberと副業YouTuberは、どれくらい稼ぎが違うのでしょう?

イケダ 桁が変わってくるでしょうね。参考までに、僕は専業YouTuberで、新しくチャンネルメンバーシップ(月額制有料チャンネル)をはじめたこともあり、YouTubeのみでも、年間でおそらく4000万〜5000万円くらいは稼げます。ただ、それは僕が専業YouTuberで、一日中動画を撮っていられるからできること。でも、副業だとしても、1000万円くらいの利益なら出している人はいますよ。

 たとえば、「たっちゃんねる」。独身の中年男性がひたすら休日の様子を流しているのですが、このチャンネルをやっている方は、たぶんサラリーマンですね。おそらくYouTubeから得られる月収が100万円ほどで、それがほぼ利益。副業で1000万円稼ぐという、わかりやすい事例じゃないかな。しかも、こういう意外なものがウケるというケースが、YouTubeにはけっこうあるんですよ。それを引き当てれば、副業で年収1000万円も夢ではありません。宝くじよりも確率が高いかもしれない。そういう意味でも、おすすめですね。

激変する世界に絶望しても、おもしろくない。あなたも次のHIKAKINに!?

イケダさんのYouTube動画

──YouTubeのほかに、書籍、Twitter、ブログ、noteなどの分野でもご活躍のイケダさんですが、それぞれ適したネタも違うのでしょうか?

イケダ もちろん、ぜんぜん違います。これは、視聴者をバカにするみたいに響いてしまうらしくて、言うといつも炎上するのですが(笑)、YouTubeを見る人は、基本的に意識レベルが低め。動画は「ながら見」も可能ですからね。集中して読まなければいけない書籍やブログだと、読まれるし、よろこんでもらえるネタでも、動画でやると、みんな見てくれないんです。

 とくにYouTubeの場合は、難しい話は再生されにくいですね。無料の動画だと浅い話しかできなくなるのが、僕らのフラストレーションも溜まりがちなところで。「稼げる副業5選!」とか、「日本がこれからやばくなる!」とかね、わかりやすく稼げる話や、危機感を煽る話しか、再生回数が伸びないんですよ。

 そのあたりは、配信者がある程度魂を売っちゃうんです。自分が表現したいことだけ表現していても、無料動画の世界では、間違いなく受け入れられない。言ってみれば大衆に迎合していかなければならないのですが、そればかりやっていると、疲れて消えていっちゃうんです。

 そこで、僕の場合は、自分の好きなことを話して、そこにいるお客さんにもちゃんと満足してもらうという、有料の場所を作りました。そういう場所があることで、僕らも選手寿命が延びて、長く表現し続けられるようになる。チャンネルメンバーシップに入ってくださっているみなさんには本当に感謝していますし、僕もそちらでがんばらなくてはいけないなと思いますね。

 有料チャンネルでストレス解消ができていると、無料動画のほうでも、もう1度「日本やばい」って言えるようになるんですよ(笑)。気持ちよく話ができるようになって、最近はYouTubeが楽しいです。自分がいかにワクワクできる環境を整えていくかということが、YouTubeを続けていくための秘訣かもしれませんね。

──YouTuberとして成功するためには、「楽しむ」ことも大切なのですね。

イケダ まず、楽しまないとダメですよ。楽しくないと、続かないんですよね。YouTubeは、いくら簡単にはじめられるといっても、やはりある程度の時間や労力がかかります。1年だけうまくいって消えていくYouTuberって、ゴロゴロいるんですよ。続ければもっと水が湧き出るのに、途中で掘るのをやめちゃうのと同じですよね。

 なぜ続かないかというと、やっぱり楽しんでいないからです。あらゆることをちゃんと楽しみ、世界をしっかり観察することのできる、好奇心が必要なんです。その好奇心って、知識がベースになっているんですよね。本を読んで、いろいろなことを勉強して、自分自身でものを作る、表現する、それをマーケットに出してみる、ということをきちんとやっていると、世界がキラキラして見えてくるんですよ。そういったチャレンジができる人なら、YouTubeにもワクワクして取り組めると思います。

──今後、イケダさんご自身は、どのような働き方や稼ぎ方を目指していらっしゃいますか?

イケダ 読者のみなさんには、この10年間を思い出してみていただきたいと思います。10年前、まだYouTubeは今のような状況ではなかったし、Twitterやフェイスブックも今ほど普及していなくて、TikTokは存在すらしていませんでした。この10年で起きたような変化、それ以上に強烈な変化が、次の10年にも起こりうるんです。

 これからも、僕らが想像できないような新しいデバイスは出てくるでしょうし、新しいコンテンツのプラットフォームも出てくるでしょう。それにともなって、新しいビジネスモデルも登場する。そんな中で、YouTubeは、本当に原始的なことをやっているなという意識があります。そういった環境での今後の働き方というと、僕は新しいものが好きなので、これから出てくる新しいテクノロジーやビジネスを、全力で楽しみたいですね。

 激変する世界を絶望だととらえてしまうと、やっぱりおもしろくありません。大きな変化がやってくるということは、それだけチャンスもあるということです。僕は引き続き、次のチャンスを探していこうと思いますし、読者や視聴者のみなさんも、新しいチャンスをつかむことができれば、次のHIKAKINさんになれる可能性が当然ある。僕自身、それを貪欲に探して楽しむ姿勢でいたいし、みなさんにもおすすめしたいと思います。

取材・文=三田ゆき

イケダハヤト
YouTuber、ブロガー。YouTubeでは「ビジネス系YouTuber」として、YouTubeチャンネル「イケハヤ大学」で、お金の稼ぎ方や副業講座などの動画を配信するほか、「YouTubeでメシを食う方法。」といったサブチャンネルも運営している。

ブログ:イケハヤ大学【ブログ版】
YouTubeチャンネル:「イケハヤ大学」
YouTubeサブチャンネル:「YouTubeでメシを食う方法。」
Twitter:イケハヤ@ビジネス系YouTuber

この記事で紹介した書籍ほか

武器としての書く技術

著:
出版社:
中経出版
発売日:
ISBN:
9784806147831