櫻坂46・田村保乃「いつかはファンの方の期待に応えたい」
公開日:2020/12/9

毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回はグループ随一の本好きとして、櫻坂46に所属する田村保乃さんが登場してくれた。田村さんが本誌で推薦したのは、小川糸さんの感動長編『ライオンのおやつ』。泣きながら読み、あらためて読書の良さを味わったという。そんな田村さんに、読書のこと、そして再出発を切る櫻坂46への想いを伺った。
櫻坂46のなかでも随一の読書家として知られる田村さん。けれど、意外にも幼い頃はあまり本に興味がなかったそう。
「読書の面白さを知ったのは、高校生の頃です。母が読書家でさまざまな本を買ってくるんですけど、そのなかに湊かなえさんの『告白』があって。なんとなく読んでみたら夢中になってしまいました。それを機にミステリーにハマって、一時期はそのジャンルばかりを読んでいたんです」
一体、読書のなにが田村さんをそこまで魅了したのだろうか。
「本は文章だけで構成されているので、その世界を自分の頭のなかで想像しなければいけない。それがとても面白いんです。映像作品だったら目の前にあるものを受け止めるだけですけど、読書によって想像する画は一人ひとり異なりますよね。その自由さに惹かれたんだと思います。同時に、私にとっての本は『気づきを与えてくれる存在』です。知識が増えていくたびにワクワクします。最近では小説に限らず、詩集や哲学書、ビジネス書も読むようになりました。そこから学べることが無限にあるので、時間が足りないくらい」
休日には図書館に通い詰め、読書に夢中になっている人たちに囲まれ過ごす時間が大好きだという。
また、櫻坂46のメンバーとはマンガの話で盛り上がることもある。
「忙しいメンバーも多いので、小説よりも気軽に読めるマンガが共通の話題になることが多いです。最近ハマっているのは、『キングダム』『呪術廻戦』『チェンソーマン』などの少年マンガや青年マンガばかり。2つ上の兄の影響で、小さな頃から少年マンガを読む機会が多かったんです。なかには描写がエグいものもあるんですけど(笑)、そこまで抵抗なく読めます。絶対に自分が体験できないファンタジーの世界に入り込めるのも、読書の醍醐味ですよね」
小説に限らずマンガや詩集、ビジネス書に至るまで。グループ1の読書家は伊達ではない。いまでは「書くこと」にも興味があるそうだ。
「読むことが好きな人って、自然と書くことにも興味を持つんですかね? 私もそうで、本を読んでいても『あ、この文章は好きだな。自分も書いてみたいな』って思う瞬間が増えました。いまの私にとって一番身近な書くことといえば、ブログ。投稿する前には一日寝かせて、何度も読み返します。どうしても気に入らなくて、最初から書き直すこともあるんです。それでも後から誤字が見つかると凹んだりして……(笑)」
この12月には櫻坂46としての活動が本格化し、ついに再スタートを切る。1stシングル『Nobody’s fault』では表題曲を歌うメンバーに選ばれ、2列目でパフォーマンスを披露する。
「正直、緊張や不安もあります。でも、『これが私たち、櫻坂46です!』と自信を持って見せていきたい。改名を経て、グループのメンバーとはたくさん話し合いました。そこで出た結論は、『日本一のアイドルになりたい。世界にも飛び出していきたい』ということ。みんなの夢がひとつになったんです。それを口だけで終わらせないよう、一歩ずつ積み重ねていきたいと思います」
ちなみに、1stシングルのフォーメーションが発表されたとき、ファンからは「次はセンターに立ってほしい」という熱い声が寄せられた。それを受けて、いま、田村さんはなにを思うのか。
「私はセンターに立つようなタイプじゃない、と思っていたんです。でも、悔しがってくれたり応援してくれたりするファンの方たちを見ていて、それがとてもうれしかった。だからいつかは……ファンの方の期待に応えられるような結果を出したいと思っています」
取材・文=五十嵐 大 写真=山口宏之
たむら・ほの●1998年、大阪府生まれ。2018年、応募総数12万を超えた坂道合同オーディションに合格し、欅坂46の2期生となる。グループは2020年、櫻坂46と改名し再出発。1stシングル『Nobody’s fault』では表題曲歌唱メンバー入りを果たす。メディア出演も増えている、注目度急上昇中のメンバー。
1stシングル『Nobody’s fault』

櫻坂46 ソニー・ミュージックエンタテインメント 初回仕様限定盤TYPE-A・B・C・D(すべてCD+BD)1727円(税別)、通常盤(CD only)1000円(税別) 12月9日発売 ●活動休止、改名を経て、ファン待望の1stシングルが発売に。表題曲は「誰かのせい」にして逃げてばかりいる人たちに向けた、痛烈なメッセージソング。発売前日には全7曲を初披露する「デビューカウントダウンライブ!!」も開催。
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