加藤諒「騙される快感の裏に、シリアスなメッセージがあるんです」【あの人と本の話】

あの人と本の話 and more

公開日:2021/7/13

加藤諒さん

 毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、音楽劇『GREAT PRETENDER グレートプリテンダー』で、主人公(Kis-My-Ft2 の宮田俊哉さん)と行動をともにする伝説の検事・北大路役を演じる加藤諒さん。特別な思いを寄せるマンガについて、人気アニメが原作の舞台について、たっぷりお話を伺いました。

(取材・文=波多野公美)

 中学時代に出会い、所属していた美術部から卓球部に転部した、というほど、『ピンポン』は加藤さんにとって特別なマンガだ。

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「『ピンポン』で描かれている、才能と努力の物語に感動するんです。天才だと思っていたペコが実は努力家で、天才じゃないと思われていたスマイルが天才だった、みたいな。ペコは挫折して一度はふてくされるんですが、そこから努力して這い上がっていくところがすごく好きで。ひとつの物語のなかで、ペコというひとりの卓球選手の人生を、どん底から這い上がっていく姿まで描ききっていて、読むとすごく気持ちが上がるんです」

 幼なじみのペコとスマイルの関係性にも、加藤さんは心惹かれた。

「試合に負けて泣いているペコにスマイルが言う『負けると泣くの悪いクセだ』っていうセリフがすごい好きで。そういうクセって、昔からの友だちじゃないとわからないじゃないですか。ふたりの関係性が、スマイルがポロッと口にするその一言に出ているのがいいなあと」

 天才と称されながら、挫折したペコは、やがて地道な努力を積み重ねるようになる。その姿に、加藤さんは自らを重ね合わせた。

「5歳からダンスをやっていて、“あなたより才能がある人たちも努力しているのだから、あなたはその人たちよりも、もっと努力しないとダメなんだよ”と言われていたんです。ダンスだけでなく、大学は音楽学科だったので、歌もそうで、ずっとまわりと比べられることが多かったんです。だから、実は自分よりも才能があったスマイルと比べられるペコの気持ちを、わかる……と思いながら読んでいました」

 幼なじみでライバル。そんな存在が加藤さんにもいるという。

「俳優の川原一馬くんは、小学校の頃から同じダンススクールで、そのまま一緒に今の事務所に入って、いまもイベントをやったりしています。ダンスのメンバーの選抜に、彼は入るけど僕は入らないこともよくあって(笑)。僕のスマイル的な存在ですね」

 加藤さんが出演する音楽劇『GREAT PRETENDER グレートプリテンダー』は、フジテレビにてOAやNetflixで配信された人気アニメが原作の、世界を舞台に繰り広げられる壮大なコンゲーム。超一流のコンフィデンスマン(詐欺師)たちが勢揃いして華やかなバトルを繰り広げる。

「アニメも観ていましたし、大好きな河原雅彦さんが演出される舞台に呼んでいただけてとてもうれしいです。音楽劇なので歌もダンスもやりますし、今回は初めて生バンドとも共演するので、ドキドキしつつ、楽しみにしています。僕が演じる北大路は舞台オリジナルの役で、伝説の検事。舞台上でスピーディに展開していく物語とお客様をつなぐ進行役でもあり、劇中でいろいろなキャラクターに扮したりもする盛りだくさんな役です」

 舞台では、詐欺師たちの巧妙なコンゲームが繰り広げられ、スリルと騙される快感がたっぷり味わえる。

「今回の『グレートプリテンダー』の魅力は、騙される快感もすごくあるんですが、その裏にシリアスなメッセージがちゃんと描かれているのも魅力だと思います。宮田俊哉くんが演じる主人公の枝村くんは、お父さんが犯罪者だから息子もそうだろう、と周囲に決めつけられる人生に葛藤していて、とてもかわいそうな一面も持っている。壮大で爽快なコンゲームの楽しさと、そんな深いメッセージ性の両方を楽しめる作品なんです。宮田くんが本当に一生懸命取り組んでいるので、彼が演じる枝村くんのがんばる姿を観に来て、みなさんに元気になってもらいたいです。僕の観てほしいところですか? うーんどこだろう……あ、尺は長くないのですが、ラジーという俳優に扮するとき、割り箸アクションの殺陣などにも挑戦しているので、そういうところも楽しみに観ていただけたらうれしいです」

かとう・りょう●1990年、静岡県生まれ。2000年、『あっぱれさんま大先生』でデビュー。舞台、映画、ドラマ、バラエティなどで幅広く活躍。主な出演作に、舞台・映画で主演を務めた『パタリロ!』、映画『翔んで埼玉』、公開待機作に『老後の資金がありません!』など。

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音楽劇『GREAT PRETENDER グレートプリテンダー』

音楽劇『GREAT PRETENDER グレートプリテンダー』

監修:古沢良太 脚本:斎藤栄作 演出:河原雅彦 出演:宮田俊哉、美弥るりか、加藤 諒、山本千尋、仙名彩世、福本伸一、平田敦子、三上市朗、大谷亮介、ほか 東京:7月4日(日)~25日(日)東京建物 Brillia HALL、大阪:8月4日(水)~8日(日) オリックス劇場
●自称“日本一の天才詐欺師”枝村真人は、凄腕コンフィデンスマンのローランとの出会いをきっかけに、桁違いのコンゲームに巻き込まれていく。
(c)WIT STUDIO / Great Pretenders

この記事で紹介した書籍ほか

ピンポン (1) (小学館文庫 まC 2)

著:
出版社:
小学館
発売日:
ISBN:
9784091962416