映画『犬部!』公開間近! 林遣都さんが、ファンにおすすめされた1冊『そのままでいい』とは?【あの人と本の話】

あの人と本の話 and more

公開日:2021/7/12

そのままでいい 100万いいね! を集めた176の言葉 (たぐちひさとの言葉シリーズ)

著:
出版社:
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:
林遣都さん

 毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、7月22日(木・祝)公開の青春“犬ラブ”ムービー『犬部!』で、主人公の花井颯太を演じた林遣都さん。いまの時代にすすめたい本について、犬たちと共演した映画について、じっくりお話を伺いました。

(取材・文=波多野公美 写真=鈴木慶子)

 本は人から贈られることが多いという林さん。今回セレクトしてくれた『そのままでいい』も、ファンの方から送られてきて出会った本だという。

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「最近舞台を多くやらせていただいているおかげで、自分で手に取るのは戯曲などが多いんです。せっかくこのような機会をいただいたのでなにか意味がある本を、と考えて、いま大変な時期なので、元気をもらえるこの本を選びました。僕自身も印象に残る言葉がたくさんありました」

 それはどんな言葉なのだろうか?

「『いいんだよ』というタイトルの作品のなかに、<いつでも頼っていいんだよ/頼られた人はうれしいから>という言葉があるんです。僕は人の顔色を気にして、思ったことを溜め込んだりしてしまうタイプなんです。でもこの本に<頼られた人はうれしいから>という言葉があり、たしかにそうだなと思って。誰であろうと、助けを求められたり、頼ってもらったりしたら、悪い気がすることってあまりない。だから自分も誰かを頼ってもいいんだなって思えました。そういう気づきがこの本にはいっぱいありました。フッと気持ちをラクにしてくれる本なので、悩んでいる人にはおすすめです」

 映画『犬部!』では、主役の花井颯太役として、動物を殺処分から救うためのサークル「犬部」を立ち上げる熱血学生時代から、頼れる獣医師として成長したあとの物語までを演じる。演じる前には、モデルの獣医師とも対面した。

「お目にかかる前にドキュメンタリーの映像などを観て、本当にすごい方の役をやらせていただくんだなと思って、少し緊張していたんですが、実際の先生には、命を救ってきている人にしかない、にじみ出る優しさや、ほかの人にはない雰囲気や、オーラみたいなものがあって。この役を演じるにあたって大事なのは、先生のこのオーラを出すことだ、と感じました」

 映画とドキュメンタリー、ふたりのまっすぐで強い目の光が似ていた。林さんが意識したというオーラだったのかもしれない。

「モノマネになってなければいいんですけど(笑)。内面でいうと、覚悟みたいなところですかね。やっぱり。覚悟がある人の目だったり、行動だったり。逆を言うと、日常生活の佇まいはちょっとぶっきらぼうだったり、でもやるべきことは誰よりも熱意を持ってやっていたり、という。先生のそういう部分はすごく参考にしました」

 映画は、たくさんの動物たちが驚くほど自然な演技で画面に存在しているのも見どころだ。

「動物たちとの共演で、僕たちには大変さはひとつもなかったです。動物たちは真夏に青森に移動してきて、慣れない環境ですごく大変だったと思います。現場では、みんなで協力しあいながら動物たちを第一にケアしていました。そんななかで、動物たちが奇跡的な表情を見せてくれる瞬間が多々あって、もうそれが、喜びでしかなかったです。ずっと楽しかったですし、こんなに豊かな気持ちにさせてくれる現場はそんなにないよねとみんなで話してました(笑)」

 現場の良い雰囲気は、たしかに映画の中からも伝わってきた。

「花子を演じたちえちゃんは、撮影現場に慣れていて、すごくたくましかったんですが、それでも飼い主さんと離れて、僕とふたりきりになったりすると不安になることもあって。でも一緒に寝るシーンで、ほんとに寝てくれたんです。あれはうれしかったです。みんな感動していました。映画の冒頭で颯太が保護したニコを演じたミックは、まだ小さかったので最初は警戒心が凄くあったんですが、撮影の間にどんどん成長して、その過程を見られて、映像にも写っているので、彼女のシーンもすごく好きです」

 ちえもミックも保護犬だったという。映画は獣医師たちの生き方を通して、動物の殺処分の問題などにもふれている。

「原案や脚本もそうなんですが、ひとつのことに向かって奮闘している若者の話なので、その爽快さみたいなものは、この映画を観る楽しみのひとつだと思います。一方、動物保護・愛護の世界もしっかりと描かれています。映画を観てすぐになにか行動を起こすのはむずかしくても、先陣を切って、先頭に立って、いろんなものを犠牲にしながらも、大きく現状を変えようと戦い続けている人たちがいることを知っていただくのが、この映画の大きな役目なのかなと。それが少しでも達成できていたら、うれしいです」

はやし・けんと●1990年、滋賀県生まれ。2007年、映画『バッテリー』で俳優デビュー。第31回⽇本アカデミー賞新⼈俳優賞ほか、多数の新⼈賞を受賞。主な主演作に映画『荒川 アンダー ザ ブリッジ』『しゃぼん⽟』『チェリーボーイズ』など。映画『護られなかった者たちへ』『恋する寄⽣⾍』が公開待機中。

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映画『犬部!』

映画『犬部!』

原案:⽚野ゆか『北⾥⼤学獣医学部 ⽝部!』(ポプラ社) 監督:篠原哲雄 脚本:⼭⽥あかね 出演:林 遣都、中川⼤志、大原櫻子、浅香航大ほか 配給:KADOKAWA 7⽉22⽇(⽊・祝)全国ロードショー
●獣医大生・花井颯太は、同級生の柴崎涼介ら仲間たちとともに、ひとつでも多くの命を救うため、動物保護活動サークル「犬部」を設立。やがて獣医師となった颯太が逮捕される事件が報道されて……。
(c)2021『犬部!』製作委員会

この記事で紹介した書籍ほか

そのままでいい 100万いいね! を集めた176の言葉 (たぐちひさとの言葉シリーズ)

著:
出版社:
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:
ISBN:
9784799320396