永瀬廉「人生が変わった出会いはジャニーさん」池田エライザ「マネージャーさんの言葉に号泣」『真夜中乙女戦争』スペシャルインタビュー

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公開日:2022/1/21

映画『真夜中乙女戦争』
(c)2022『真夜中乙女戦争』製作委員会

 10~20代から圧倒的支持を集める作家Fの初小説『真夜中乙女戦争』が、永瀬廉さん主演で実写映画化。無気力な大学生“私”(永瀬)が、池田エライザさん演じる聡明な“先輩”や、柄本佑さんが扮する異才のカリスマ性を放つ謎の男“黒服”に出会うことで変ぼうしていき、やがて想像を絶する事態に巻き込まれていく。永瀬さんと池田さんに撮影現場でのお話や、衝撃的な出会いなどについて伺いました。

(取材・文=松木智恵)


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――永瀬さん演じる“私”と、池田さん演じる“先輩”。それぞれどのように役を作られましたか?

永瀬 物語のテーマでもある「青春のあがき」を軸に考えました。“私”が抱えている孤独や劣等感、何者かになりたいけど、殻を破って進む勇気もない部分。そんな中で“先輩”や“黒服”(柄本佑)に出会って凝り固まっていたものがほぐされていく。その心情の変化は大事にしました。

池田 私は今回「こう見せたいな」ということは、ほとんど考えていませんでしたね。本番中の“私”をよく観察して、彼のどういうところに“先輩”が共感するのかは常に考えていましたけど、基本的には目に映るものだけがすべてだったと言いますか。

永瀬 セリフ自体には、ものすごく苦労しましたけどね。

池田 本当に……(笑)。全体的にすごく難しい言い回しのセリフが多いんです。台本を1回読んだだけじゃ、何を言っているのか理解ができなくて。

永瀬 外国の本を読んでるのかな? って感じるぐらい(笑)。最初は単語の意味を調べるところから始まりましたね。でも逆にそれこそが、この作品の良いところだと気付けました。いろいろなシーンの中に、心にスッと入ってくる言葉があるなと感じています。

池田 確かに。セリフとして言うのは難しかったですけど、例えば「だからといってニーチェがまったく違うってことにはならないでしょ」と言った“先輩”のセリフは、自ら無邪気に言葉遊びを楽しんでいるようで“この子は本当に言葉が好きで、本を作る仕事に就きたいんだな”と感じて好感が持てました。

会話を言葉ではなくテンポや雰囲気で“魅了する”

映画『真夜中乙女戦争』
(c)2022『真夜中乙女戦争』製作委員会

――二宮健監督の演出は、いかがでしたか?

永瀬 人を逆から撮ったり、大学での講義や僕の部屋のシーンでは円を描くように撮ったり。そういう部分で“私”が日々をループしているように感じていることを意味している気がして、そこはすごく、たくさん格好いい作品を撮ってこられた監督っぽいなと感じました。

池田 会話が表面的なものでしかないというか。それよりもテンポ感や表情といった、会話以外の部分で人と人が通じ合ってる風に見せることを大切にされていたんです。言葉ではなく雰囲気で「この関係はなんだろう?」と思わせてくださる演出が新鮮でしたね。

――撮影の合間はどんな話を?

永瀬 家具の話や、お互いの好きなマンガについて(笑)。そういえばオススメされたマンガを読んだよ。面白かった。

池田 でしょ! 永瀬さんが、ヒーローマンガがお好きだとお聞きしたので、マンガソムリエのようにオススメしました(笑)。

永瀬 1日で読み終えたよ。

池田 えぇっ、すごい!

永瀬 全巻買うってなると結構かかるな~とは思ったけど(笑)、面白かったので一気に。

池田 素晴らしい!

永瀬と池田の人生を変えた衝撃的な出会いと言葉

映画『真夜中乙女戦争』
(c)2022『真夜中乙女戦争』製作委員会

――“私”が“黒服”に出会ったことで人生が変わったように、2人にとって人生が変わった出会い、もしくは言葉といえば?

永瀬 人生が変わったというと、もう僕はジャニー(喜多川)さんですね。最初は全然この仕事を続ける気がなかったんですけど、ジャニーさんはそんな僕に何かを見つけてくれたみたいで。大阪に住んでいた頃から「今から東京に来ちゃいなよ」って、急に何度も呼ばれていたんです。僕の家から駅までがまず30分、そこから新幹線で東京までおよそ2時間半。「人使いが荒い人だな~」って思っていたのは覚えていますね(笑)。あとは、東京の大学に入った時に僕のことをジャニーズの人間だと知らない状態で話し掛けてきてくれた友人も、もう二度と出会えないと思える大切な存在です。「食堂ってどこ?」という他愛もない会話から仲良くなって、かれこれ5年目。いくら一緒におっても飽きないです。

池田 私は、10年ほど前に当時のマネージャーさんから言われた「ウソをついても大人にはバレてるからね」って言葉が衝撃的でした。芸能界に入りたての頃で、野山を駆け回っていたような人間が急に芸能人になって、「どうしよう、清楚って何だろう。とりあえず白いワンピースを着ておけばいいのかな?」って、とにかく頑張っていたんです。「みんなに好感を持ってもらえるようにしよう」って。でもその言葉を掛けてもらったことで力が抜けて、えんえん泣いちゃって。そこからは「芸能人っぽいって何だろう」ってことを考えるのをやめて、「実はすみません、全然かわいげがないんですけど、こういう本が好きで」ということも言えるようになりました。本当に一言なんですけど、あの言葉があったから今の自分がいるのかなと思います。

永瀬廉
ながせ・れん●1999年、東京都出身。2018年にCDデビューしたグループ・King & Princeのメンバー。俳優としての近作にドラマ『FLY! BOYS, FLY! 僕たち、CAはじめました』、NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』、映画『うちの執事が言うことには』『弱虫ペダル』など。主演ドラマ『わげもん〜長崎通訳異聞〜』が1/8(土)よりスタート。

池田エライザ
いけだ・えらいざ●1996年、福岡県出身。近年の出演作に映画『一度死んでみた』『騙し絵の牙』『賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』、ドラマ『古見さんは、コミュ症です。』など。2020年の映画24区の青春映画製作プロジェクト「ぼくらのレシピ図鑑」シリーズの第2弾『夏、至るころ』では、映画監督としてもデビューを果たしている。

映画『真夜中乙女戦争』
1月21日(金)全国ロードショー
原作:F『真夜中乙女戦争』(角川文庫) 脚本・監督・編集:二宮健 出演:永瀬廉、池田エライザ、柄本佑ほか 配給:KADOKAWA
東京で一人暮らしを始めた大学生の“私”(永瀬廉)は、やりたいことも将来の目標も見つからない中で、いつも東京タワーを眺めていた。そんなある日、「かくれんぼ同好会」で出会った不思議な魅力を放つ凛々しく聡明な“先輩”(池田エライザ)と、謎の男“黒服”(柄本佑)の存在によって、“私”の日常は一変。そして“私”は、壮大な“東京破壊計画=真夜中乙女戦争”に巻き込まれていく。

映画『真夜中乙女戦争』公式サイト
https://movies.kadokawa.co.jp/mayonakaotomesenso/

『真夜中乙女戦争』書影

『真夜中乙女戦争』
F 角川文庫 748円(税込)
友達も恋人もおらず、単位も金も、将来なりたいものもない大学1年生の「私」は、大学のサークルで、冷酷で美しい女性「先輩」と出会う。「先輩」以外と馴染めずにいる中、ある日、夜の喫煙所で見知らぬ男から声を掛けられる。そこから「私」の“何もない日常”は大きく壊れはじめる。

※この記事は『ダ・ヴィンチ』2022年2月号の転載です

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