猫の日に読むなら! 老猫、破天荒猫、複数猫とのドタバタライフを描いた、猫愛だだ漏れコミックエッセイ3選
公開日:2022/2/19
■夢の多頭飼いをする前に! 2匹の保護猫を迎えた体験談が知れる『ねこ連れ草』
ねこのきもちWEB MAGAZINE(株式会社ベネッセコーポレーション)で大人気の連載を書籍化した『ねこ連れ草』(仁子/KADOKAWA)は、性格も個性も違う2匹の愛猫を細かく観察した結果、誕生した猫観察日記。


共に保護猫である、うずらちゃん(黒猫)とかんたろうくん(シャムMIX)にお水を運んだり、気に入ってもらえる撫で方ができるよう鍛錬したりと、つい猫の手下になってしまう作者の日常が微笑ましい。


さらに、本作には愛猫たちの間に姉弟関係ができるまでの経緯を描いた漫画や多頭飼い時に役立つ知識を盛り込んだコラムも収録。単に微笑ましいだけでなく、複数の猫を家に迎えることの重みを考えたくもなる。



実際筆者自身、3匹の愛猫と暮らしているから、本作を手に取り、自分はこんなにもひとつひとつの命と向き合えているだろうかと自問自答してしまった。
好きな遊び方や人、家族との適切な距離、同居猫との接し方はそれぞれの猫によって違う。


それらをできる限り汲み取り、どの子にも全力の愛情を注いでいくことが私たち多頭飼いがすべき「猫の愛し方」だと気づかされた。
「私 おもうに」から始める猫つれづれ日記。これを読めば、一方的に癒しや幸せを貰うのではなく、猫の幸せにも目を向けられる飼い主になれそうだ。
近ごろはSNS上で猫にスポットが当たる機会が増え、猫との生活を夢見る人も増えてきていると思う。そんな時代だからこそ、これを機に動物の命の尊さを改めて考えていきたい。「猫の日」という年に1度の特別な日が、単にお祭り騒ぎをするだけでなく、小さな家族の尊さに想いを馳せる日になることを祈りたい。
文=古川諭香