“レゲエの神様”がスクリーンで蘇る… 伝記映画『ボブ・マーリー:ONE LOVE』で初めて語られる秘話

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公開日:2024/5/10

ボブ・マーリー:ONE LOVE
🄫2024 Paramount Pictures

 “レゲエの神様”と呼ばれたジャマイカ出身の伝説的なアーティスト、ボブ・マーリー。彼の半生を描いた映画『ボブ・マーリー:ONE LOVE』が、2024年5月17日(金)より日本で公開される。先日実施された試写会で一足先に同作を鑑賞した人からは、絶賛の声が続出しているようだ。

 ボブ・マーリーはレゲエジャンルの先駆者として知られ、1900年後半の音楽界を席巻した人物。宗教的・社会的な歌詞と曲が大きな特徴のひとつであり、映画のタイトルにも用いられた「One Love」や「No Woman, No Cry」を始めとした数々の名曲を世界中へ届けてきた。

 1981年に36歳という若さでこの世を去ったが、遺した音楽の影響力は計り知れない。彼に憧れてマイクを握り始めた人は数知れず、出身地のジャマイカは“レゲエの聖地”になった。日本人の間でもそれは変わらず、本場を修行として訪れるのがDeejayの習わしになるほど。

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 そんなボブ・マーリーにフォーカスした『ボブ・マーリー:ONE LOVE』では、彼を象徴するエピソードとして知られる“銃撃事件”が中心に描かれていく。舞台になるのは、対立する二大政党により国が分断されていた1976年のジャマイカ。すでに国民的アーティストとなっていたボブ・マーリーは、混迷極まる自国に微笑みを与えたいという目的で無料のコンサート「スマイル・ジャマイカ・コンサート」を計画する。

 しかしリハーサル中に銃で武装した集団から襲撃を受け、自身も胸と腕を撃たれてしまう。それでもボブ・マーリーは事件から2日後に怪我をおしてステージに立ち、約8万人の聴衆へ向けて歌声を披露した。

ボブ・マーリー:ONE LOVE
🄫2024 Paramount Pictures

 その後ロンドンへ逃れたボブ・マーリーは“20世紀最高のアルバム”と評された名盤「エクソダス」の制作に勤しみ、さらにヨーロッパ主要都市を周るライブツアーを敢行。

ボブ・マーリー:ONE LOVE
🄫2024 Paramount Pictures

 そこから世界的スターの階段を駆け上がっていったが、一方で母国の政治情勢は輪をかけて不安定になり、内戦の危機が目前に迫っていた。そんなジャマイカを癒やし戦いを止められるのは、もはや政治家ではなく、アーティストであり国民的英雄であるボブ・マーリーだけだった――。

『ボブ・マーリー:ONE LOVE』の見どころとなっているのは、やはり劇中で披露される名曲の数々。お馴染みのナンバー以外にも「Redemption Song」や「Is This Love」など、ファンならずとも興奮必至の楽曲が惜しみなく使用されている。さらに「エクソダス」の知られざる制作過程も必見だ。

 ちなみに同作は、妻・リタを始めとした「マーリー・ファミリー」がプロデュースを担当。今回ボブ・マーリー役を演じるキングズリー・ベン=アディルを抜擢したのも、息子であるローハン・マーリーなのだという。

 さらにボブ・マーリーが結成したザ・ウェイラーズのメンバーなど、当時の彼をよく知る人々が制作に深く関与。撮影も実在のロケーションで行われ、ジャマイカの首相や文化庁が全面サポートする国家的プロジェクトとなった。

 かくして壮大なスケールで制作された『ボブ・マーリー:ONE LOVE』。すでにアメリカでは公開がスタートしており、日本でも5月7日(火)に試写会が実施されている。一足先に同作を鑑賞した人からは、「マーリーの名前を知ってる人は観て欲しい。何より『ONE LOVE』に尽きる」「平和を願い、愛と希望に溢れた感動の映画でした」「音楽の与える力の偉大さを改めて痛感できる」といった感想が寄せられていた。

 同じく伝説的アーティストをテーマにした『ボヘミアン・ラプソディ』が公開された2018年は、世界中が「QUEEN(クイーン)」の話題でもちきりだった。あれから約6年、今度は世界中がボブ・マーリーの“愛”に包みこまれるだろう。

映画『ボブ・マーリー:ONE LOVE』 公式サイトhttps://bobmarley-onelove.jp

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