歴女もスピも! 古事記が好きなコジキガールが増殖中

ライフスタイル

2013/4/5

『わたしの古事記 「浅野温子 よみ語り」に秘めた想い』(浅野温子/PHP研究所)

 森ガール、山ガール、寺ガール、歴女に釣女に鉄子……。これまでもさまざまな分野に興味をもった女の子たちが誕生してきたが、次は“古事記ガール”がブームなのだ。2012年は『古事記』の編纂1300年にあたり、各地でさまざまなイベントが開かれた。また、奈良では『古事記』完成から1300年経った2012年から、『日本書紀』が完成した年から1300年目にあたる2020年までの9年間、“記紀・万葉プロジェクト”と題してさまざまなイベントが行われる。さらに、今年は『古事記』に登場する伊勢神宮でも20年に1度の式年遷宮というビッグイベントが開かれる。そんな『古事記』ブームから、舞台となったパワースポットをめぐる女子も増えているのだとか。そして、そんな『古事記』をわかりやすく解説した『古事記』本もたくさん出版されている。そこで、古事記ガールにオススメのユニークな『古事記』本をいくつか紹介しよう。

 まず、本来の『古事記』にもっとも近い形で作品を楽しめるのが、こうの史代の『ぼおるぺん古事記』(平凡社)だ。なんとこの作品、セリフや文章はすべて原文の書き下し文。なんだか古典の教科書みたいで、難しそうだしつまらなそうだと思う人もいるかもしれない。しかし、イラストと必要最低限の注釈のおかげで、古事記の世界観はそのままに、きちんと内容も理解できるようになっているのだ。しかもイラストだけでなく、吹き出しやセリフ、地の文にいたるまで、すべてボールペンだけで書かれている。その柔らかいタッチが、神話の世界観をより際立たせるポイントにもなっているのだ。

 また、神話に欠かせない恋愛のエピソードだけを集めた『恋スル古事記』(近藤ようこ/角川書店)も人気。深く愛しあい、たくさんの島国や神を生み出したイザナミの命とイザナキの命。彼らの悲しい別れから、父や兄といった家族に反対されながら結婚したカップル。妻が鮫という異種婚姻など、さまざまな恋愛模様が描かれている。神様でも、こんなふうにいろいろと悩んで恋をしていたことには少々驚きだが、恋する乙女の気持ちは1300年経っても変わらない。彼らのまっすぐな愛に、心打たれること間違いなしだ。

 さらに、3月3日には『古事記』をもとにひとり語りの舞台を行なっている女優の浅野温子が初の著書である『わたしの古事記 「浅野温子 よみ語り」に秘めた想い』(PHP研究所)を出版した。舞台の脚本に加え、一目惚れといったうっかり要素の大切さや彼女が舞台を通して見えてきた恋愛観、結婚観もたっぷり紹介されている。『古事記』を通して、女としても成長できるし、逆に恋愛や結婚、家族といった人との関わりにも思いを馳せることで、さらにもう1歩踏み込んだ『古事記』の世界が覗けるはず。

 他にも、小学館の創業90周年を記念して出版された古典文学シリーズの第1弾で里中満智子が描いた『古事記』や『眠れないほど面白い「古事記」愛と野望:エロスが渦巻く壮大な物語』(由良弥生/三笠書房)など、『古事記』本がたくさん出ている。里中満智子は女帝と呼ばれた代41代天皇の持統天皇を主人公に、大化の改新から壬申の乱までをわかりやすく描いた『天上の虹』(講談社)なども手がけており、歴史の描写には定評がある。そして、『眠れないほど面白い「古事記」愛と野望:エロスが渦巻く壮大な物語』は、大ブレイクした『大人もぞっとする初版「グリム童話」』(三笠書房)の作者が書いた作品で、大胆に現代語訳してあり、サクサク読み進めることができるのだ。『古事記』の流れやだいたいのお話を理解したい入門書としては、ピッタリ。

 これらの作品を読みながら、ゆかりの土地をめぐる計画を立ててみるのも楽しいかもしれない。