川越シェフ、ラーメン評論家の次は!? 炎上しないための心得

暮らし

更新日:2013/7/9

 ネット上で毎日のように勃発している炎上騒動。最近では、川越達也シェフが雑誌で“年収300~400万円の人が高級店で食事するのはおかしい”と発言した件や、ブログで病院を「ここは刑務所か」と批判した岩手県議員が謝罪後に死亡し、大きなニュースになったことも記憶に新しい。

 タレントや議員といった公人でなくても、誰もがSNSやブログで発言できる現在のネット社会では、いつ炎上騒動に巻き込まれてもおかしくはない。そこで、ネットで炎上しないための心得を『誤解されない話し方、炎上しない答え方』(山口明雄/ディスカヴァー・トゥエンティワン)から紹介しよう。

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 まず大事なのは、「ネガティブな話をしない」ということ。本書で引用されているのは、1968年に当時の農林大臣による「こんなばかばかしい憲法をもっている日本はメカケみたいなものだ」という発言。この発言が原因で大臣を辞任したが、問題は「ばかばかしい憲法」というネガティブな表現と、日本をメカケにたとえた点。炎上しないためには、ネガティブな言い方ではなく、「日本はすばらしい憲法を持っている。しかし~」とポジティブな言い方から持論を展開させるのが正解だ。

 また、第2に「差別的な発言をしない」こと。“メカケ”発言にもいえることだが、2011年の防衛省・沖縄防衛局長による「犯す前に『やらせろ』とは言わない」発言もこれに当てはまる。政治家ならなおさらだが、女性や身体に障がいをもった人、社会的弱者の人たちを傷つけるような言葉や表現には細心の注意を払おう。もちろん「犯す前に〜」発言のように「犯罪を肯定するようなことは言わない」のも重要だ。

 さらに「自分のブログやTwitterは友人や身内などの限られた人しか見てないから」と安心するのも危険である。本書ではこれを「話し相手を錯覚しない」として警鐘を鳴らしており、例として2000年に起こった雪印集団食中毒事件で当時の雪印乳業(現:雪印メグミルク)社長が記者会見後も食い下がる記者に向かって発言した「わたしは寝てないんだよ」というひとことを取り上げている。このように注目を集めている人物でなかったとしても、ネット上ではブログやTwitterの情報は一気に拡散するもの。場合によっては、自分の発言が波紋を呼び、見ず知らずの人たちに住所や電話番号、勤務先といった個人情報を晒されることもあるから、くれぐれも肝に銘じたい。

 そして、肝心なのは「他人に関わるコメントは、根拠と説明を十分に」ということ。とくに知ったかぶりは御法度である。先日も、ラーメン評論家の本谷亜紀がラーメン店の定休日情報を誤り、「理由なきお休みは人を悲しくさせます」とつぶやいて炎上したが、謝罪後も過去の仕事や関係したラーメン店が連鎖炎上に陥っている状態。一度の失敗がネット上では泥沼化することを、よく覚えておきたいものだ。