日本に比べて強盗は400倍、殺人は50倍の発生率! 実際、ブラジルはどれくらい危険なのか

海外

公開日:2014/6/15

 日本の犯罪発生率と比べると殺人は51倍、強盗が404倍という数字が並ぶのはサッカーW杯ブラジル大会において日本の1次リーグ第3戦 コロンビア戦が行われる都市・クイアバだ。ブラジルはその他の地域も日本と比べると犯罪発生率は恐ろしいほど高く、外務省では観戦者に向けて注意喚起を呼び掛けている。

 そんなブラジルについて詳しく説明しているのが『ブラジル裏の歩き方』(嵐よういち/彩図社)だ。ブラジルはどのくらい危険なのか? どうすれば危険を回避しながら、ブラジルを楽しめるのか? 世界70カ国を渡り歩き、ブラジルにも10回以上訪れたことのあるブラジルに詳しい著者の嵐よういち氏に話を伺ってみた。

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<ブラジルであった、一番危険な出来事は?>
 サンパウロのボアッチ(ブラジル特有のナイトスポット)で飲んでいた時、客と店の男性スタッフが口論しはじめた。そのうち店の用心棒と客の口論になり、興奮した客がジャケットから銀色に光るリボルバーの銃をだし、安全装置をはずして発砲寸前になった。
 店にいた客と女は騒然となり、逃げ出した。流れ弾が当たるのを皆恐れたのだ。俺と友人も腹這いになりながら女性スタッフの更衣室まで逃げ込んだ。やられると思ったけど、客は思いとどまったようで発砲しなかった。

<ブラジルを訪れる際に気をつけることは?>
 街中では携帯を見せてはいけない。かけるときは建物の中がいいだろう。車に乗っていても、信号待ちのさい、強盗に狙われる。
 強盗にあったら抵抗しない。そのさい、相手の目も見てはいけない。相手は顔を見られるのを極度にきらう。命を金で買えるのでケチらない。ケチな人は殺される。

<W杯観戦に行く人に向けてアドバイス>
 治安面では日本とは全く正反対で最悪だと頭にしっかりとインプットしてほしい。よく、したり顔でバカな日本人が「確かに治安悪いけどおおげさすぎよ」「私はブラジル行ったけど、そんな言われているほどじゃない」「日本もそうだけどスキ見せていたらどの国でもやられるのよ」と、たまたまの偶然と、わずかな知識で言うけど、それらは完全に間違いで、「運が良ければやられない」ぐらいの認識で周っていたほうがいいだろう。

 本書には他にも高級時計を身につけない。カメラはむきだしで持たない。夜は短い距離でもタクシーを使うなどの注意事項が書かれている。

 多くの日本人がブラジルで強盗被害に遭っているが、嵐氏自身は強盗の被害には一度も遭っていない。たとえどんなに危険な地域でも気を付けることで被害を避けることはできる。ぜひ、本書を読んで、危険を避ける方法を頭に入れ、ブラジルという国を楽しんでほしい。

文=舟崎泉美