なぜ怒っているの?…関わりたくないけど逃げられない「なぜか怒っている人」を上手にかわす方法

人間関係

2015/2/20

 何かと怒鳴り散らすパワハラ上司、些細なことでヒステリックになる妻、デートの最中に突然「私の事、全然わかってないのね!」と不機嫌になる彼女…職場で、家庭で、外出先で、怒っている人と出くわす機会は意外と多いもの。『「なぜか怒っている人」の取り扱い説明書』(PHP研究所)は、そんな怒れる人たちの心理とその対処法を、心理カウンセラー・藤井雅子さんが解説してくれる1冊である。

●「怒っている人」=「困っている人」

 藤井さんは本著の中で、イライラしている人は“○○するべきだ”という“べき思考”が多かったり、「実は甘え下手で、普段から我慢をしすぎていたり、本当は不安やさびしさでいっぱいだったりします。あるいは、単に体調が悪くて虫の居所が悪いだけの場合もあります」と語っている。

 さらに、怒っている事情は様々だが、唯一共通しているのは「怒っている人」=「困っている人」ということであり、「気の毒なことにその問題に対処するスキルを持っておらず、怒りで表現するしかなくなっている」と解説している。そう考えると、人の怒りに遭遇したからといって闇雲に委縮することなく、その人が困っていることを手助けする方法を考えたり、怒りのパターンによって上手に対処してあげることができそうである。

 本著では、身の回りにありがちな37のケースについて具体例と対処法を掲載しているが、ここでそのいくつかを紹介しよう。

●人前で部下を怒鳴りつける上司――パワハラ確定!言動を記録して相談を

 営業成績が悪い部下を叱り飛ばすのは、「部下のせいで自分の評価が下がることへの恐怖心」の表れであり、裏を返せば「自分の能力の低さ、自信のなさを隠すために強がっている」ともいえる、と藤井さんは指摘する。またワンマンな上司は「他人をコントロールしたい」「すべて自分の思い通りにしたい」という欲求が強いタイプで、両者に共通するのは「自分のことは棚上げして、他人のことばかり責める“他罰型”」なのだとか。

 こうした上司の言動はすべてパワハラであり、そうした時には日時・場所・人前だったかどうか・具体的な言動を記録して、さらに上の上司や人事に相談することを勧めている。

●些細なことでヒステリックになる妻――我慢が積もり積もった結果かも

 靴下を丸めて洗濯カゴに入れたら「いい加減にして!」と怒鳴られた。待ち合わせに遅刻したら「あなたって、いつもそう。この間だって…」と過去のことを持ち出してネチネチ説教された…等々。それらは、夫にとっては些細なことかも知れないが、妻にとっては日々の些細な我慢が積もり積もった結果であることが多い、と藤井さん。その原因は、女性がパートナーに対して、些細なことほどいちいち言わずに飲み込んでいる場合が多いから、と分析している。

 対処法としては、まず素直に謝ること。そして落ち着いてから、「今後は罰金制にしようか」「どうすれば遅刻しなくなるかな?」と、解決法を冷静に話し合うことが大切なのだとか。ただしいつまでも怒っていたり、ヒステリックになること自体は妻にも責任がある、と指摘する。そうならないよう、日々のコミュニケーションを密にし、できるだけ不満を溜めないようにしたいものである。

●デートの最中に突然怒り出した彼女――察するのではなく、要望を聞き出そう

 デートの最中に、それまで機嫌よくしていた彼女が「あなたって、私のこと全然分かってないのね!」などと言って突然キレた。「何か悪いことした?」と聞いてみたが、「分からないなら、もういい!」とさらに怒る始末…。往々にしてこうしたケースは、相手の説明不足が原因、と藤井さん。またこうした要求をしてくる人は、小さな頃から親の顔色を伺ってきた結果、「自分のやりたいことを言うのはわがままである」と思い込んでしまい意見を言えずにいたり、そのため日頃からストレスを抱えていることが多いのだという。

 言うまでもなく、他人の考えを100%読み取ることは不可能であり、要望をはっきりと伝えずに「察してほしい」というのは甘え過ぎである。そこで解決策としては、「察する」のではなく、「要望を聞き出してあげる」ことが有効なのだとか。ただし「何が食べたい?」と聞くと「何でもいい」という答えも想定されるため、「プリンとアイスどっちがいい?」など選択肢を作るのがよいそうだ。

 街中で偶然出合った他人ならまだしも、“自分の身近な人”が怒っている時、その理由が分からないとツライもの。本著を読んであらかじめその対処法を準備しておけば、無駄に悩んでしまったり、つられてイライラしたりすることが減って平穏に暮らしていけそうだ。

文=増田美栄子