「炭水化物は寝る前に食べる」「運動は週1回15分」―毎日0.5キロ痩せて集中力もアップ!? 食生活改善の新常識

健康・美容

2016/5/7


『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』(デイヴ・アスプリー/ダイヤモンド社)

 3度の食事が生き甲斐のひとつだという人も多い現代日本。巷では次から次へと新しいダイエット法・ダイエット食が流行しては廃れていく。そして気がつけば、結局どれが効果的なのかわからない始末。情報番組で紹介された「体に良さそうな食品」を、その日のうちに買い求めた経験があるのは、きっと私だけではないだろう。まして、その食品を1週間、いや3日以上摂り続けることに成功した人は、果たしてどれだけいるのだろうか…。

 そんな中、あるIT起業家が自分自身を実験台に、心身を改造する新常識を打ち立てたと全米で話題になった書籍が『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』(デイヴ・アスプリー/ダイヤモンド社)だ。

 興味深かったのは、「その習慣でいいの? 思いがけないデブ、ヘタレ、バカの原因」というストレートなタイトルがついた第2章。ここで著者は、「空腹を『我慢』すれば痩せられる」や「フルーツは体に良い」など、世間でこれまで信じられてきた“ダイエット神話”――つまり古い常識について書いている。

 空腹感は人を苛立たせ、疲れさせ、集中力を欠く原因にもなる。空腹感を耐え忍ぶことによるメリットもない。というのも、空腹感は主に体内で作られるホルモンによって引き起こされるもので、その仕組みを理解すれば制御・管理できるからだ。そこで重要なのが、食べもの選びとそれを食べるタイミングなのだという。

 たとえば「炭水化物は夜に摂る」という新常識。夜に炭水化物を摂ると太るから夕飯では炭水化物を抜く、という話はよく聞くので、これではまったく逆効果なのではないだろうかと不安になるが、これは一体どういうことなのか?

 寝る前に炭水化物を摂取すると、血糖が上昇して睡眠中に脳が必要とするエネルギーが供給される上、涙や粘液が形成されて睡眠の質が向上する。逆に諸々の作業で集中力を必要とする日中に炭水化物を摂ると、体がリラックスしてしまい、眠気を感じやすくなってしまう。日中のパフォーマンスをもっと良くするには、食事のコントロールと睡眠のコントロールが必要ということだ。

 ちなみに本書では、体に良いと思われがちなフルーツは、基本的にはなるべく食べないことを推奨している。なぜなら、果物に含まれる果糖が体内脂肪や中性脂肪値を増やす原因になるだけでなく、果物は摂取後、空腹感を抑えてくれない。また、血糖値が上昇しない朝に果物を食べることも、あまりおすすめできない。ほとんどが水と果糖、それにわずかな食物繊維でできているフルーツを、野菜と同じ感覚で食べるのは極力控えるべきというのは、ちょっと意外だった。

 このほかにも「週1で15分だけ運動をする」といった、これまでのダイエットの常識を覆す理論が登場する。いずれの新常識も、ダイエットだけでなく肉体改造や脳の活性化に効果が期待されており、女性だけでなく男性でも興味深い内容だ。本気で筋肉をつけるなら月に4回、15分間だけ運動する。それ以上の過度の運動は害で、マラソンのような長時間運動も害だらけ、というのも目から鱗だが、注意すべき点も多いので、本書を実際に読んでから実践してみてほしい。

 とはいえ、本書で著者が繰り返し語っているのは、人の体型の9割は食事で決まるということ。タイトルにある「最強の食事」は、必ずしも画一的なものではなく、むしろその人にあった食事を見つけることが重要で、そのためのヒントを紹介するのが本書の役割だそうだ。要するに、最終的には何事も自分でどうにかするしかないということなのかも…。

文=上原純(Office Ti+)