日本各地の絶景とそこに秘められた物語…今までとはひと味違う、旅先で「本当に楽しめる」絶景本

暮らし

公開日:2016/5/22

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 旅先でその土地にまつわる思わぬ歴史や物語に触れて、その旅がずっと心に残るものになった経験はないだろうか? あるいは、好きな映画の舞台や、尊敬している偉人ゆかりの地に行くとき、いつもの旅をより一層楽しめたということは?

 そんな、旅と一緒に物語を味わうときの「ドキドキ・ワクワク」感を詰め込んだ本『いますぐ行きたくなる 物語のある絶景』が2016年5月18日(水)に発売された。

 黒部ダム、東尋坊、尾瀬、鳥取砂丘、大内宿、英虞湾… 日本を代表する絶景には驚きのストーリーがある。同書では、写真を眺めるだけでも楽しい日本の絶景にそこで起こった心揺さぶる出来事を絡め合わせ、秀逸なキャッチコピーと共に物語を綴っている。

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 第二次世界大戦の犠牲者に対する慰霊の祈りと平和への思いが込められた色とりどりの花火。夜空を彩るとともに、毎年人々の心に勇気を与えている。長岡まつり花火大会の美しい花火の写真は「世界中の爆弾が、花火に置き換わればいいのに。」という言葉を添えて掲載されている。

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 ノスタルジックな合掌造りの民家を残す岐阜県大野郡白川村の白川郷では、相手からもらった分の労働を、同じ労働で返すという独特な助け合いの文化「結(ゆい)」が残した景観が収められている。「世界遺産を守る人々こそ、世界遺産に。」は、まさに「結」を表現した言葉だろう。

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 「お花畑の真ん中で、戦争をはじめる人なんていない。」という言葉と一緒に載せられたのは、富山県砺波市のチューリップ畑の写真。1941年に太平洋戦争が勃発した際、主食以外の作物の栽培が禁止された。チューリップ農家の人々は畑の隅にこっそり球根を植え、ひっそりとその命をつなぎ止め、戦後再び守り通した球根で栽培を立て直したという歴史を持つ。

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 どの絶景にも、その絶景を生んだり守ろうとした人々の熱い思いが詰まっている。想像を超えた努力によって時代と常識を動かした彼らの姿に、心を揺さぶられる人も多いだろう。旅をするならば、ただそこを見て「きれい」「すごい」で終わってしまうのはもったいない。絶景は、秘境にあるがゆえに肝心の景色を見終えた後に「この後どうしようか…」と悩むことも多い。また、その絶景にたどりつくまでに迷いがちでもある。これらの悩みを解決するため、同書では絶景周辺の観光情報やアクセス情報も掲載。また、巻末には登場する偉人たちの生涯も掲載しているので、歴史を学ぶこともできる。

 写真で美しい絶景を眺めることはいつでもできるが、やはり自分で足を運んで目にする景色は格別なもの。「遠いから」「行きづらいから」を言い訳にせずに、いつもと趣向を変えた大人の旅がしたい人は、この本を読んで旅に出よう。きっとそこには、今までになかったような心ときめく体験が待っているはずだ。

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■『いますぐ行きたくなる 物語のある絶景
著:細田高広
価格:1,490円(税込)
発売日:2016年5月18日(水)
出版社:文響社

※掲載内容は変更になる場合があります。