些細なことで繰り返す”男女のすれ違い”の原因は、「脳」のつくりの違いにあった!

恋愛・結婚

公開日:2016/5/22


『男女の脳はすれ違うようにできている!』(よしおかゆうみ/エイ出版社)

 男女の付き合いの中で、最も面倒で、そしてもどかしいものがあるとすれば、それは「すれ違い」ではないだろうか。

 ケンカというものはいつも、些細なすれ違いから派生することが多い。伝えたい気持ちが伝わらず、すれ違いの日々が続くとしたら…そのすれ違いが生むひずみは、二人にとっての重大な危機にもつながりかねない。

 男女のすれ違いの原因は、一体どこにあるのか。その答えが、心理カウンセラーのよしおかゆうみ氏の著書、『男女の脳はすれ違うようにできている!』(エイ出版社)の中で説明されている。

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男女では脳のつくりが違うので、自ずと考え方も行動も感情も変わってくる、つまり、「男女の脳はすれ違うようにできている」のです。

 本書では、男女の脳の違いの特徴を知ることで男女関係が上手くいくコミュニケーションのコツが、具体的な悩みとともに、「自分を知る」「相手を知る」「二人を知る」「結婚を知る」という、4つのPARTで構成されている。

「自分を知る」ためのPART1では、オトコ脳・オンナ脳チェック、同性・異性との関係チェックなどを通して、自分のことや、異性と上手くいかない原因が自分のどこにあるのかを知っておくことができる。

 さらに、「男の子は上下関係をつくる、女の子は対等な役決め」といった幼少期からすでに見られる関係の築き方や、「男性は認められたい、女性は共感されたい」といった、男女による欲求などの違いが紹介されている。

 PART2以降では、その男女の違いを前提に、カップルがよく抱える悩みに対し、伝え方や会話例の「Before」「After」という形で、理想的なコミュニケーションの取り方を紹介している。

 ここでは、その例を一つ取り上げたい。今回紹介するのは、「仕事で忙しい彼が、私と会う時間を作ってくれません」というケースである。

Before
(一カ月ぶりのデート)
女:「(不満気に)友君が忙しいのはわかるよ。でも前は週末必ずデートしてたから、会えないのは寂しい。私たち付き合ってるんだよね。せめて、次の約束だけでも決めておかない?」

男:「今は週末も何もないくらいに忙しい。急にチャンスが到来してさ、今なら波にうまく乗れる気がする。これから3年くらいが勝負だな」

女:(彼の心が離れるのでは…と不安)「でも連絡くらい入れてもらってもいいじゃない?まったく時間がないわけじゃないでしょ?」
(省略)

男:「今、仕事以外の予定決められるとプレッシャーなんだ。約束は難しい…。そんなふうに義務みたいにして付き合うんだったら、続けてくのは無理だな(ため息)」

 これに対する本書のアドバイスは、こちら。

仕事優先の時期にある男性は目的に集中したいため、女性の一方的な要求が続くと負担に感じ、女性と距離をおく。夢や自由を理解し、落ち込んだ時には明るく癒してくれる相手を望むので、自分も一人の時間や友人との交遊など、自己投資の時間を増やすように。彼に頼らない自分なりの対処法を見つける。

 これをもとに改善した会話である「After」では、女性側の言葉が、「忙しいのに時間作ってくれてありがとう!」「ただ…健康には気をつけてね」「〇〇くんの声を聞くだけで、安心できる」といったものに変わり、気持ちの伝え方も素直になっている。さらに、「Before」では不満気だった態度も改善されており、会話の雰囲気は終始明るいものになっている。

自分も相手も気持ちいいコミュニケーションを身につければ、余計なケンカやすれ違いを回避し、さらにパートナーとより深い絆で結ばれることになるでしょう。

 PART2では、主に「会話術」が紹介されているのに対し、PART3では、「セックスレスの解消法は?」「家庭で頼りにならない夫」「本当に結婚していいか悩む…」「どうか、小遣いを増やしてほしい」など、具体的な悩みについて解説されている。

 また、PART4では、現代人の結婚観や、「結婚」や「子育て」に対する男女の考え方の違いなどを紹介した後、幸せな結婚のために自分ができることやすべきことを、現実的に考えてみるPARTとなっている。

 些細なことでケンカになってしまう、わかりあえずに日々すれ違ってしまう時は、「男女の脳はもともとつくりが違う」という前提を知ることから、解決の糸口を探すとよいのかもしれない。読んでからすぐ実践できる、恋愛コミュニケーション術が詰まった1冊だ。

文=松尾果歩