新聞社のベテラン校閲者に学ぶ「文章のコツ」

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/15


『きっちり! 恥ずかしくない! 文章が書ける』(前田安正/すばる舎)

突然ですが、あなたは文章を書くのが上手ですか? おそらく、自信を持ってイエスと答えられる人は少ないのではないかと思います。ライターの端くれのようなことをしている私も、書くことが「好きだ」とは言えても、「上手です」と胸を張って言うことにはかなり抵抗があります。

では、文章が上手な人と下手な人とでは何が違うと思いますか? もし、この質問に対して「才能の有無」だと答えたなら、その誤解を解くためにもぜひこの先を読み進めて下さい。

きっちり! 恥ずかしくない! 文章が書ける』(前田安正/すばる舎)は、その道30年以上のベテラン校閲者によって書かれた「文章の書き方」の本です。本書は、上手な文章を書くための第一歩は、「読み手に誤解を与えないように、わかりやすく書かれていること」だと言って、まず私たちの肩の力を抜いてくれます。

よくある文法の本と違って、具体的にどこをどう直せばいいのかという「文章のコツ」を、例を用いて論理的に説明しながら教えてくれるので、実践に取り入れやすいのが特徴です。全部で47のレッスンが収録されており、1レッスンごとにポイントを絞って解説されているので、順番に整理しながら習得していくことが可能です。

レッスンは、「一つの文に主語と述語をひとつずつ入れる」「主語と述語を対応させる」といった基本的な心得から入り、次に「目的語と述語の整合性」や「書き出しに前置きを書かない」など多くの人が無意識にやってしまっている悪習について、それから無駄を省いて簡潔にまとめる方法、時間の経過をわかりやすく伝える方法といった順に学んでいく構成になっています。

ダメな原因と直し方さえわかれば、正しい文章を書くことはそれほど難しいことではありません。本書で紹介されている「文章のコツ」は、誰にでも実践可能なものばかりなので、書くことに対して苦手意識を持っている人は、この機会にぜひ克服してしまいましょう!

文=水流苑真智