「男性には堂々とご馳走になればいい」――月間100万PVの人気ブロガーが教える「オトナの女磨き術」

恋愛・結婚

公開日:2016/6/2


『オトナの恋と女磨きと』(リリー/光文社)

 いつまでもキレイでいたい。男性からは美人だと思われたいし、同性からは素敵な生き方をしていると憧れてほしい。女性なら、みなそれぞれ思い描く「理想像」があるのではないだろうか。

 『オトナの恋と女磨きと』(リリー/光文社)は、女性の本当の美しさとは、キラキラした生き方とは、憧れの女性でいるためには、などの「いつまでも魅力的な女性でいるために必要なこと」を、体験談をもとに語っている一冊である。

 著者は外資系企業のキャリアウーマンだったリリーさん。退社した後、ビジネスのかたわらオトナの美や恋愛、生き方を綴ったブログ「オトナの恋と女磨きと」を開設した。そのブログは1年で月間100万PVを超えるようになり、多くの女性に支持されている。

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 今回は著者の格言の中で、いくつか気になったものを紹介してみたいと思う。

 まず、「恋と自分磨きの関係」。

 著者の友人には役職に就き、驚くほど真面目なキャリアウーマンがいたそうだ。あまりにもシビアな生活をしていたため、ある日イギリス人の女性上司に呼び出され注意をされてしまった。彼女のストイック過ぎる仕事の姿勢は、知らず知らずのうちに周囲に気を遣わせてしまっていたらしい。

 そこで上司から「恋人を作りなさい」とアドバイスされたのだとか。その意図は「柔らかさを身に付けなさい」ということだったらしい。その後、彼女には恋人ができたそうだ。すると一目見て様子が変わったのがわかった。明るくなり、仕事もさらに昇進を果たしたとか。

恋は女を柔らかくする。
自分磨きは、やりすぎると女から柔らかさを奪っていく。

 そのバランスが大切なのだと、リリーさんは語る。

 お次に「色気の正体」。

 女性でも見惚れてしまうような色気を持っている女の人は、限りなく少ない。「色気」とはただ露出の多い服装をしているとか、色っぽい動作をしているとか、そういう意味ではなく、オーラのような色っぽさのことだ。

 そういった色気の根底にあるのは「気品」だと、著者は述べる。

 この気品というのは、心の余裕から生まれている。「急ぐことはあっても、焦ることはない」様子。そして下着や化粧ポーチなど、人の目に触れないところもキレイにしている。嫌なことがあっても美しく対処できる。その余裕が凛とした雰囲気をもたらし、ゆくゆくは気品になるのだとか。

 そういった気品にちょっとだけ隙を足すと、それが色気になる。色気を身に付けたいのなら、色っぽい行動をするのではなく、気品を身に付けなければならない。「色気美人」の道は簡単ではない。

 他にも、著者の格言は続く。

「男性は素敵なお店には連れて行ってくれない」。

 女性にとって、デートでの食事はかなりの重要ポイントだ。男性がエスコートをしてくれる場合、女性は「どんなレストランに連れて行ってくれるのだろう」と、ワクワクしている。しかし、実際に連れて行かれたのが、女友達となら絶対に行かないような、がっかりする所だったら、素敵に見えていた彼への気持ちもトーンダウン。なんてことも……。

 しかし、そんな場合でもがっかりせず200%の笑顔で喜ぶというのがリリーさんのスタンス。男性は女性ほど食に興味がない。そんな中、一生懸命レストランを調べてくれたはず。なので「レストランの詳しさ」と「男の値打ち」には、ほぼ相関関係がないから、という考えなのだ。もし不満があるようなら、今後は女性がお店を選んだ方が理に適っているとリリーさんは述べる。

「男性と食事」となると、生じるのは「おごりか、ワリカンか」という問題。リリーさんは「堂々とご馳走になる派」だそう。図々しくないか? と思った方、誤解しないでもらいたい。リリーさんは「男がおごるのは当然でしょ」と思っているわけではない。その代わり、「ご馳走してもらうのにふさわしくなるよう、自分にお金を使う」という考えなのだ。その日のために美容院に行き、時には服も新調する。睡眠をしっかりとって、お肌の調子も良くしておく。そうして「普段よりもキレイオーラをまとった自分」で、男性とのお食事に向かうのだ。それでワリカンになったのなら、「自分の磨き方が足りなかったのだ」と思うそう。

男性並みに経済力を身につけた現代の女性たちは、男性と同じようにお金を使うんじゃなくて、男性がしないようなお金の使い方をするべき。

 なんとも、かっこいい説得力があるではないか。読むだけで、オトナのいい女へ一歩を踏み出した気持ちになれる。そんな一冊だった。

文=雨野裾