マナーは思いやりの心から。大人の気づかいで人間関係を円滑にするマナーの教科書

ビジネス

公開日:2016/11/30

『人間関係が楽になる 気づかい&マナー事典』(真山美雪/池田書店)

 職場で目上の方と応対したとき、あるいは大切な人の冠婚葬祭に出席したとき、「失礼にならないために、どう振る舞えばいいのか」と、悩んだことはありませんか。こうしたマナーは細かくて難しいと苦手に感じる人も多いのではないでしょうか。

 いまさら人に聞けない礼儀作法やマナーの教科書としてオススメしたいのが、『人間関係が楽になる 気づかい&マナー事典』(真山美雪/池田書店)です。本書によれば、マナーとは相手への思いやり。さまざまな場面で必要とされるマナーは、「お金では買えない貴重な財産」。マナーを身につけることで品格や信頼を得て周囲に愛される人になれるといいます。

 それではマナーを身につけるにはどうすればよいのでしょうか。まず、基本としているのが「マナーの五原則」です。

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マナーの五原則
(1)挨拶
(2)立ち居振舞い
(3)表情
(4)身だしなみ
(5)言葉使い

 挨拶は大きな声で自分から。立ち姿勢は背筋を伸ばして、足はかかとを揃え、手は下げる。おじぎは会釈(15度)、敬礼(30度)、最敬礼(45度)。行動はキビキビと迅速に。顔は笑顔で口角を上げる。視線は相手の両目と襟元を結んだ三角形を意識する。服は汚れのないシャツ、シワのない上着とズボン。男性は髪の毛やヒゲの手入れをかかさず、女性は化粧や香水をつけすぎないように清潔感を保つ。会話は「ですぅ」「それでぇ」「だからぁ」など、語尾を伸ばさず、歯切れよく明るいトーンで喋る。この5つは、どんな場面にも応用できるエッセンスが含まれているのです。

 さらに注意すべきは言葉使いです。若者言葉としてよく話題に挙がる「バイト敬語」は、社会人でも無意識に口に出てしまうことがあります。ありがちな例で正誤を並べます。いま一度、確認しましょう。

×「こちらが資料になります」
○「こちらが資料です(ございます)」

「~になります」は、何かが変化したという言葉なので、表現以前に意味合いが違います。

×「こちらの資料でよろしかったでしょうか?」
○「こちらの資料でよろしいでしょうか?」

「よろしかった」は過去形なのでよろしくない。

×「本日、司会をやらせていただく○○です」
○「本日、司会をさせていただく○○です」

「やる」は品のない言葉なので、正式な場では控えましょう。

×「行かさせていただきます」
○「参ります」あるいは「伺います」

「動詞+させていただく」という謙譲表現と、「させていただく」という謙譲語がまざった「さ入れ言葉」になっています。

×「こちらで食べられますか?」
×「こちらでお召し上がりになられますか?」
○「こちらで召し上がりますか?」

「食べる」の尊敬語は「召し上がる」です。「召し上がる」だけで尊敬表現になっているので、さらに「お~になる」「~られる」を重ねると二重敬語になってしまいます。

 ときに「言葉使いは身だしなみを超える」とも言われます。こちらの姿が相手に見えなくても電話越しの会話だけでマナーの未熟さが伝わってしまいます。日常会話に取り入れて、とっさの場合でもスムーズに敬語が使えるように普段から慣れておきましょう。

 そしてこれからの年末の時期、求められるマナーといえば、忘年会での食事マナーではないでしょうか。いくら上司が無礼講だといっても、人として恥ずかしくないマナーは必須です。食事の邪魔になる強い香水をつけない。タバコは吸わない。口に食べ物を含んだまま話さない。大きな音を立てて食べない。大皿を取り分けるには取り箸を使うなど、自分よりも相手に食事を楽しんでいただく気づかいを心がけましょう。

 お酌するときはビール瓶のラベルを上に右手で持ち、左手で添えて注ぐ。日本酒を受けるときは杯を両手で持って、礼を言ってから一口飲んでから置く。ワインの場合、グラスはテーブルに置いたまま受ける。大人の付き合いにお酒はつきものですから、お酒が飲めなくとも献杯と返杯の作法は押さえておくべきです。

 本書では、こうした135のシチュエーションを想定してマナーと気づかいのコツを伝授しています。その最大のコツは、ストレスを溜めないこと。心の余裕が他人への気づかいを生み、マナーある行動へと繋がると訴えています。

 正しいマナーを身につけて、礼儀正しい、気配り上手な人として周囲に認められる社会人を目指したいですね。

文=愛咲優詩