一生リバウンドしない!「捨てる」から始めない片付け術

暮らし

2017/3/27


『トヨタ式おうち片づけ』(香村薫/実務教育出版)

 いつもスッキリ片付いた家で生活したい。そう思いながらも、なかなか上手に片付けられない方は多いのではないだろうか? 片付けること自体も難しいが、片付いた状態をキープすることはさらに難しい。例えば引っ越しの時などは、モノを捨てるチャンス。しかし、大量にゴミやリサイクルに出し、モノを減らしてスッキリと新生活を始めたはずだったのに…いつの間にか散らかった部屋に戻ってしまったというのも、よくある話だ。

 というのも、この“片付ける=捨てる”という考え方自体が、実は間違っているようなのだ。そう指摘するのは『トヨタ式おうち片づけ』(香村薫/実務教育出版)。トヨタグループで就業した経験を持つ著者が、リバウンドしない片付けの仕組みを解説している。

■「捨てる」から始めない

 いわゆるミニマリストで、モノを捨て続けていた著者によると、「モノを捨てすぎると不幸になる」とのこと。著者の家には最小限のモノしかなく(リビングのテーブルとソファーも、ダイニングセットも捨ててしまった!)、それに満足していた。しかし、実際には様々な弊害が生じてしまったのだ。例えば、ソファーもテーブルもないリビングの居心地が悪く、来客がなくなってしまったそう。そして、モノを捨てても心身が満たされなければ意味がないということに気付くのだ。

■「なぜなぜ分析」で自分の価値観を知る

 ただ捨てるのではなく、「何のために片付けるのか」を知ることが片付けの第一歩。そのために、自分の価値観を知る手段として、本書では「なぜなぜ分析」が推奨されている。トヨタグループで重大な失敗の再発防止策として使われているメソッドで、問題点に対して「なぜ起こったのか」を繰り返して理由を深掘りしていき、真の原因を突き止める手法だ。これを片付けに利用すれば、自分が人生で一番大切にしたいこと、暮らしに本当に必要なこと、片付いた家で何をしたいのか、などが見えてくる。ちなみに、著者が実際に使って効果的だった問いベスト4は以下のとおり。

1位 お金・健康・家族以外で、あなたにとって大切なモノは?
2位 自分ってこんなところが長所だな、と思うことは?
3位 幼い頃から時間を忘れるほど夢中になってしまうことは?
4位 憧れの人・有名人は誰? その人のどういうところに憧れる?

 それぞれの設問に対して、「なぜ?」を5回繰り返して、たどり着いたキーワードが自分の価値観になる。

■「ほどよい量(適正量)」を決める

 片付けてもリバウンドしてしまうのは、「ほどよい量」を決めていないことが原因。ここで、家にあるモノの管理力のバロメーターになるのが、タオルの枚数だ。自分が何枚タオルを持っているのか、自信を持って答えられない方は、片付けてもリバウンドしてしまう可能性がある。そんな方は、著者の提案する3つのステップで、適正量を決めてみるといいかもしれない。ステップ1で、量を決めたいモノをすべて出す。ステップ2では、季節や使う目的などで分けていく。最後に、ステップ3で必要な量を決めていく。これは、冷蔵庫やクローゼットなど、あらゆる収納に応用できる。場所別に具体的な手順も解説されているので、興味のある方は、ぜひ本書で詳細をチェックしてみてほしい。

 本書では、洋服や食器、文房具など、家にあるモノについて、具体的な数の目標を示しながら、片付けの仕組みが紹介されている。ただモノを減らすだけではなく、「どうすれば家での生活がもっと便利になるのか?」という視点からのアドバイスが満載なので、家での生活が快適になること間違いなし。明日にでも実践したくなるような内容だ。

 新生活に向けて転居をした(する)方も多い時期だと思うが、そんな時は片付けを実践するのにベストなタイミング。転居の予定のない方も、リバウンドしない片付け方法を習得すれば、部屋が格段にスッキリして、今までとは違った気持ちで過ごせそうだ。

文=松澤友子