初対面の“10秒間”で人間関係は決まる!?  この春から変わりたいアナタへ――『ヤバい心理学』

暮らし

2017/3/31

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    『ヤバい心理学』(監修:神岡真司/日本文芸社)

 春は出会いと別れの季節である。人間関係の変化が激しいこの時期は、人によっては大きなチャンス。これまでの自分の殻を破り捨て、心機一転で新たな自分に生まれ変わろうとする人たちもいることだろう。

 それを実現するために、行動の裏に隠された心理をあらかじめ知るというのは一つの方法。他人からどう見られているのかが分かれば、その後の人間関係にもきっと役立つはずだ。

 そこで紹介したいのが『ヤバい心理学』(監修:神岡真司/日本文芸社)である。2013年の発売から35万部を突破した大ベストセラーであるが、扇情的なタイトルとは裏腹に、日常でハッとするような人間心理の裏側が丁寧にまとめられている。

◆初対面の“10秒間”でその後の人間関係は決まる!

 年度変わりともなれば、新しい人たちと出会う機会も多い。初対面からつまづきたくないというのは誰もが思うところだろうが、本書によれば、人の印象というのは「第一印象で6割が決まる」という。

 心理学では「初頭効果」と呼ばれるが、人はそもそも、出会った瞬間から相手のイメージを無意識に築きはじめる。とりわけ重要になるのは出会ってから「10秒」というごく短い時間で、この間にしくじってしまえば、その後にいくらフォローしようとも良好な関係を重ねるのは難しくなるそうだ。

 では、その際に何を意識すべきなのか。本書が提案するのは、心理学の「好意の返報性」を使った方法である。返報性とは、人が何かをしてもらった場合に、相手にも似たようなものを返したくなるという心理のひとつ。これを応用するには、初対面の“10秒間”で「ほめることと相手の話をよく聞くこと」を意識して接するのが効果的だという。

◆感情や思考を探るなら相手の「目」をじっと見るべし!

 古くからの格言で「目は口ほどに物を言う」という言葉がある。慣用句を思い浮かべても「目が泳ぐ」「目を見張る」など、人の動作と結び付く言葉がさまざまあるが、本書によれば、人の感情は「瞳孔」によく表れるという。

 本来、瞳の中心にある瞳孔は、目に入る光の量を調整する役割を持つ。しかし、その役割とは別に感情により瞳孔が動く場合もあるという。例えば、目の前にあるものに「好きだ」と前向きな感情が働けば瞳孔は開き、反対に、興味がなければ瞳孔は閉じてしまうというわけだ。

 また、瞳孔は人間のさまざまな思考にも直結している。じつは、頭の中で何かを視覚的にイメージする場合、人間の目線 にはいくつかのパターンがみられると本書は解説する。


 例えば、一般的に右利きの多くの人たちは、触覚・嗅覚・味覚に関連したものを思い浮かべるときに右下を向く傾向にあるという。左利きの人や一部の右利きの人にとっては左右の動きが逆になるというが、これを応用すれば、本来の動きと上下左右が食い違っているのであれば、相手が「嘘をついている」可能性も見破れる。

◆「絶対」「時間がない」は相手に見透かされてしまう?

 無意識にふとつぶやいてしまう口癖にも、自分や相手の感情や思考が表れるという。本書では、日常でなにげなく聞かれるフレーズがいくつか紹介されている。

 そのひとつが詐欺師の常套句でもある「絶対」という言葉だ。生活していれば予想だにしない出来事というのはつきものである。それでも自信満々に「絶対大丈夫だから!」なんてまくしたてる人もいるが、じつは、この手のフレーズを使う人の深層心理には「自信のなさ」が表れているという。

 また、頼まれもせず「時間がない」と自ら周囲に吹聴している人も、その裏には“認められたい”という心理が垣間見える。そのため、時間のない人に対しては「忙しいところ本当、申し訳ないんだけどさ」と、相手の心をちょっとくすぐるフレーズを挟みつつ、接してみようと本書は提案する。

 せっかく新しい環境に飛び込むなら、これまでの自分とおサラバして“できる人間”になりたい人たちもいるだろう。そんな人たちにとって『ヤバい心理学』は、時に先生として、時に反面教師としてその背中をきっと押してくれるはずだ。

文=カネコシュウヘイ