もう洋服で悩まない! 「なりたい私」になれるクローゼットのつくりの方

暮らし

公開日:2017/4/3

『「なりたい私」になるクローゼットのつくり方』(しぎはらひろ子/宝島社)

 オシャレ音痴の人間にとって、毎日の服選びは苦行だ。何を着てもイマイチしっくりこないような気がする。頑張ってトレンドを追ってみても、本当に自分に似合っているのかというと…?

 つい愚痴っぽくなってしまったが、「意外とこんな悩みを持っている人は多いのでは?」と想像する。そうでなかったら、「あなたをオシャレに見せてくれる服はこれですよ!」としたり顔で囁くファッション指南本がこんなに世に出回るはずがない。

 自分の服装に自信が持てるということは、すなわち今の自分を肯定できるということだ。服は人の見た目を大きく左右する。往々にして第一印象をも変えてしまう。たかが服、されど服。服の選び方1つで、周囲の人間の反応がまるで違ってしまうことだってある。

 本書『「なりたい私」になるクローゼットのつくり方』(しぎはらひろ子/宝島社)によれば、服には2つの働きがある。

 1つは「着る」。これは、暑さや寒さをしのぐという服本来の働きのこと。

 そして、もう1つは「装う」。これは、その服を身にまとった人の人柄や地位を表す働きを指す。

「オシャレに見える服を着る」というのは、これら2つの働きのうち、後者の「装う」に関わる問題だ。

私たちは、着るもので地位や権力を示していた昔の王様やお姫様ではないけれど、それでも服はあなたがどんな人かを語ってしまいます。だから、ただなんとなくトレンドファッションを身につけるのではなく、ちゃんと装う目的を意識して服を選ぶほうがいいのです。

 装う目的をはっきりさせること、つまり周囲にどのような印象を与えたいかということを意識して服を選ぶことこそ、本当の「オシャレ」であると著者は言う。

 トレンドを追いかけたり、芸能人の真似をしたり、はたまた素敵なデザインの服を選んだりすることは重要ではない。大切なのは、服の持つパワーを上手に利用し、「なりたい私」のイメージを正確に伝えることなのだ。

 装う目的をまったく考えないで服を選んでしまうと、本来そうありたいはずの自分の方向性と、ズレた服を選ぶことになる。こうしたズレのある服は、自己イメージとのズレがあるので着ていてもしっくりこない。さらにこうした服は誤ったメッセージを発してしまうため、何かアクションを起こしたときに、周囲の人間から思ったような反応を得られなくなる。

 逆に、「なりたい私」に合った服を選べば自分の本心ともズレがないし、人に与えるイメージと自己イメージの間にズレも生じない。その結果、堂々と振る舞えるようになり、周囲からの印象も良くなるという上昇スパイラルに入ることができる。オシャレになれるどころか、今後の人生をも良い方向へ変えることができるのだ。

 そこで著者が強調するのは、「少し先の自分を、今装う」ということの重要性だ。

「少し先の自分を、今装う」
すると、「この人はこういう人なんだな」と理解して、周りがそれについてきてくれるのです。

 将来の理想の自分に合わせた装いをすれば、その通りの自分になれる。「装い」に、自分の中身が追いついていくことになるのだ。つまり「なりたい私」に正直になれば、勝手に似合う服は選べるということになる。

 もし今、あなたが服の選び方に困っているのなら、「どんな自分になりたいのか」というビジョンがはっきりしていないせいかもしれない。

 ならば、自分の夢を書き出す、コラージュを作る、といった本書で紹介された5つのステップワークを順番に試してみてほしい。「なりたい私」の姿が具体化し、そうなるために必要な服が自ずとわかってくるはずだ。本書にはさらに「なりたい私」に必要な服を選ぶためのテクニックや服選びの知識も書かれている。「何を着れば私らしくいられるのか」と悩むすべての人々におすすめの1冊だ。

文=遠野莉子