その恋心、本当は恋ではないかもしれない? 恋愛に親密さを強く求めるタイプと距離を取りたがるタイプがひかれあう理由

恋愛・結婚

2017/4/11

『異性の心を上手に透視する方法』(アミール・レバイン著、レイチェル・ヘラー:著、塚越悦子:訳/プレジデント社)

 人は恋愛関係において、ロボットのように決まった行動をとってしまうと言われる。そういった行動の事をアタッチメント行動(愛情の対象を自分に引き寄せる為の行動)といい、この行動パターンは大きく3つに分けられ、すべての人はこの3つのいずれかに当てはまるという。この3つのタイプとは、Sタイプ(安定型)・Nタイプ(不安型)・Vタイプ(回避型)だ。Sタイプの人は、相手と親密になる事を自然と捉え、また温かく愛情深い人柄の場合が多い。Nタイプの人は、パートナーとの親密さはなくてはならないもので、時にはそれを追い求めるあまり相手に夢中になり過ぎたり、相手が愛してくれないのではないかという不安にさいなまれたりもする。Vタイプの人は、親密さを自由の喪失とイコールして捉える為、交際している相手がいても常に一定の距離を保とうとする。恋愛関係において、すべての人はこれらの行動パターンのいずれかに属していると言われて、思い当たる事はないだろうか。例えば、恋人ができれば相手が離れていきやしないかといつも不安になっている人だったり、交際を始めても一定以上に距離を保ったままだったりする人を見た事はないか。そういう人たちがなぜそんな行動をとるのか、また自分と合わない行動パターンを持つ人をいつも選んでしまう場合、なぜそうなってしまうのかを解説したのが『異性の心を上手に透視する方法』(アミール・レバイン、レイチェル・ヘラー:著、塚越悦子:訳/プレジデント社)である。

 人のアタッチメントタイプが決まる要因のひとつに、赤ん坊の頃に親がどのように接していたのかというものがある。両親が赤ん坊のニーズに敏感ですぐに対応していたらSタイプに、両親の対応にムラがあるとNタイプに、両親が赤ん坊が泣くのを無視していたり距離をおいていたりしたらVタイプ……といった具合だ。だが、幼児期はともかく大人のアタッチメントタイプはそれまでの人生経験も大事な要因となる。さて、ここで気になるのが、自分と相手のアタッチメントタイプだろう。それを見分ける為のルールは5つあり、中でも基本となるのが親密さを求めているかどうか・どのくらい(相手に)夢中か、また拒否される事に対してどの程度敏感かの2点だ。端的に言えば自分のアタッチメントタイプは、自分が交際相手にどのような関係を求めているかで見分けられると言える。親密さを求めつつも拒絶を深刻に捉えない場合はSタイプ、親密さを求め、同時に拒絶を極度に恐れるのであればNタイプ、そもそも親密さをあまり求めない場合はVタイプの傾向がそれぞれ強いと言える。

 また、NタイプはVタイプに惹かれる事が多い。Nタイプが相手に親密さを強く求めるのに対し、Vタイプは逆に相手との距離を取りたがるので、むしろ双方は水と油ではないのかとも思われそうだが、実のところこの2つのタイプは補完関係にある。Nタイプの人と居る事で、Vタイプの人は「自分はこの人のように他人を頼らない自由な存在なんだ」という思いを強くする事ができるし、Nタイプの人は「相手が思ってくれるよりも、自分の方が相手を好きなんだ」と強く思う事ができる。また、Nタイプの人が求める親密さはVタイプからは与えられない為、当然不安に思ってしまう。その不安による焦燥感や、稀に相手からアプローチがあった場合の幸福感などを「これが恋だ」と勘違いしてしまうのだ。一方で、もしもVタイプとばかり交際していたNタイプの人がSタイプと交際した場合、Sタイプの人は当たり前に親密な関係を築くし、一貫した態度で接する事ができる為、相手を不安にさせる事は少ない。だが、Nタイプは“親密さを思うように得られない不安”をこそ恋心と勘違いしてしまっている為、Sタイプの人のことを退屈で興味の持てない人と思ってしまうのだ。もしも今まで付き合ってきた相手が皆Vタイプと思わしき人で、普段そっけない人がたまに振り向いてくれた時の喜びを恋愛の楽しみとしているなら、一度立ちどまって考えてみるのも良いだろう。その喜びは恋ではなく、もしかしたら単に“普段とは違う”というギャップに反応しているだけかもしれないのだ。

文=柚兎