短い時間でも共に過ごした幸せな記憶は宝物… 子宝カウンセラーが「流産」や「死産」に向き合って描いた物語

出産・子育て

公開日:2017/7/14

 2017年7月1日(土)に発売された、子宝カウンセラーが「流産」や「死産」について描いた絵本、『ちいさな天使のものがたり』が話題となっている。

 絵本の主人公は「ちいさな天使」。生きて生まれることができなかった赤ちゃんである。天使は雲の上から「お母さん」になってほしい女性を探し、長くは一緒にいられない運命を知りながらも、そのお母さんのお腹に降りていく。お母さんとの楽しい、幸せな時間。だがやがて、神さまとの約束の時間がきて、空に帰っていく…。

 長崎県で生まれた『ちいさな天使のものがたり』。平戸に住み、街の薬店で販売員として働きながら、子宝カウンセラーとしても活動しているかわかみせいじさんが、流産の悲しみを抱える知人女性のために創作した物語だ。携帯電話を使って作られたこの物語は、薬店店頭で配られるなどしていたが、少しずつ話題に。やがて「これはみんなにとって必要な物語だ」と気づいた、かわかみさんの上司である満行さんの手によって監修され、画家としくらえみさんの絵と出会うことによって、絵本として産声を上げることに。

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 最初は自費出版として、500部印刷。FacebookなどSNSや口コミなどを通じて評判をよび、やがて西日本新聞や朝日新聞地域版、RKB毎日放送、長崎国際テレビなどの報道で取り上げられるまでになり、重版分の500部もほぼ完売に至った。そしてこのたび「長崎で生まれた奇跡の絵本」として改訂新版し、東洋館出版社から刊行、全国販売された。朝日新聞朝刊でも紹介され、Amazonでは、妊娠・出産・子育てカテゴリで1位を獲得。

 短い時間でも共に過ごした幸せな記憶は宝物だ。悲しみを受け入れながら、その記憶とともに希望をもって歩き出してほしい。そんな著者の願いが込められた同書は、悲しみに寄り添い、癒しと希望を与えてくれるのではないだろうか。

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