ホテルという密室、差し止められた逮捕状―レイプ被害にあったジャーナリスト・伊藤詩織が語る“ブラックボックス”とは

社会

2017/10/17

 レイプ被害を受けたことを会見で訴えたジャーナリスト、伊藤詩織の手記『Black Box』が2017年10月18日(水)に発売された。

 信頼していた人物からの、思いもよらない行為。しかしその事実の証明にはホテルという密室や差し止められた逮捕状、社会の受け入れ態勢などあらゆるところに“ブラックボックス”があったという。

なぜ司法は裁けないのか?
 伊藤は2015年、TBS記者(当時)からホテルで意識のない状態で性的暴行を受けたとして、準強姦容疑で警視庁に被害届を提出した。しかし記者逮捕の当日、中村格刑事部長(当時)の判断で逮捕が取り止めになり、東京地検は嫌疑不十分で不起訴と判断。伊藤は2017年5月29日(月)に司法記者クラブで会見を開いて検察審査会への申し立てを公表したが、検察審査会もこれを「不起訴相当」と議決した。現在は真相究明などを求め、東京地裁に民事訴訟を起こしている。

 「被害者A」ではなく実名のファーストネームで会見した伊藤は、同書で苗字まで公開。広く社会で議論する必要性を感じ、自分が掴んだ真実のすべてを綴った。

 伊藤は「はじめに」で、「この本を読んで、あなたにも想像してほしい。いつ、どこで、私に起こったことが、あなたに、あるいはあなたの大切な人に降りかかってくるか、誰にも予測はできないのだ」とコメント。勇気ある告白と提言には、作家やジャーナリストからも賛同の声が続出している。

スキャンダルの内幕本ではない。この国の司法制度に対する真摯な問いかけだ津田大介(ジャーナリスト/メディア・アクティビスト)

女性がNOといったら、絶対にNOなのだ。それを無視したら絶対に犯罪なのだ林真理子(作家)

会見を見て、未来を生きる人たちのために意を決して声を上げた詩織さんを、一人にしてはいけないと思った中島京子(作家)

詩織さん、真実を語り続けるあなたの誠実さと勇気に敬意を表します佐藤優(作家・元外務省主任分析官)

鋼の強さ、誰にも殺せない感受性、娘をこのように育てたいと思いました三浦瑠麗(国際政治学者)

 レイプ被害にあったジャーナリストが世間に問う法と捜査、社会の現状。一体どんな「真実」が明かされているのか、実際に同書を手に取って確かめてみてほしい。

伊藤詩織(いとう・しおり)
1989年生まれ。ジャーナリスト。フリーランスで、エコノミスト、アルジャジーラ、ロイターなど主に海外メディアで映像ニュースやドキュメンタリーを発信する。

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