新1万円札は渋沢栄一と東京駅! 縁の深い丸の内の書店の反応は――

ビジネス

2019/4/9

 今日4月9日、財務省が紙幣(日本銀行券)を2024年度上半期に一新することを発表した。そのうち新1万円冊の図柄は、渋沢栄一と東京駅丸の内駅舎。渋沢栄一の著作のひとつ、『現代語訳 論語と算盤』(守屋淳:訳/筑摩書房)を扱う書店には、1店舗で100冊を超えるような注文の電話が多数かかってきているという。

「新1万円札には東京駅丸の内駅舎も採用されるということもあり、当店でロングセラー、もう定番書と言っていい『現代語訳論語と算盤』を、この機会に大きく展開します。」
丸善 丸の内本店 和書グループ長 友田健吾さん

 日本実業界の父と呼ばれる渋沢栄一が、生涯を通じて貫いた経営哲学とは何か? 「利潤と道徳を調和させる」という、いわば現代にも通じる経済人のなすべき道を述べた『論語と算盤』は、再注目を浴びる今こそ多くの人が読み返すべき1冊だ。

 明治期に資本主義の本質を見抜き、約470社もの会社設立を成功させた彼の言葉は、頼るべき指針を見失ってしまった現代にこそ響くもの。経営、労働、人材育成と幅広いトピックについてカバーする経営哲学は、今なお知識・知恵に満ちており、平易な現代語訳の本書は若い世代の社会人や学生にもおすすめだろう。

 改めて注目を浴びる本書は、4月末以降は新1万円札と同じく、渋沢栄一の顔写真の入った帯で、書店店頭に並ぶ見込みだ。新しい紙幣が登場する一足先に、その理念に触れてみるのはいかがだろうか。

『現代語訳 論語と算盤』(渋沢栄一:著、守屋淳:訳/筑摩書房)

渋沢栄一●しぶさわえいいち

1840(天保11)~1931(昭和6)年。実業家。約470社もの企業の創立・発展に貢献。また経済団体を組織し、商業学校を創設するなど実業界の社会的向上に努めた。他の著書に『論語講義』など。

訳者:守屋淳●もりやあつし
1965年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。大手書店勤務後、中国古典の研究に携わる。主な著書に『最強の孫子』『心をほぐす老子・荘子の教え』(共に日本実業出版社)、『孫子・戦略・クラウゼヴィッツ』(日経ビジネス人文庫)、『最高の戦略教科書孫子』『組織サバイバルの教科書韓非子』(共に日本経済新聞出版社)、『アミオ訳孫子[漢文・和訳完全対照版]』監訳・注解(ちくま学芸文庫)など。