終戦後も“戦場”は続く──『ペリリュー』10巻の壮絶な展開に「ああ、ついに…」「やっぱり泣けた」と反響続出

マンガ

公開日:2021/2/16

ペリリュー ─楽園のゲルニカ─
『ペリリュー ─楽園のゲルニカ─』10巻(著:武田一義、原案協力:平塚柾緒[太平洋戦争研究会]/白泉社)

 マンガ好きの間で話題を呼び続けている『ペリリュー ─楽園のゲルニカ─』の第10巻が、2021年1月29日(金)に刊行された。ますます濃度が高まる“人間の狂気”に、読者の間では「いやはや、そう来たか。さすが武田一義先生。これはもう、読むしかないってば!」「あまりにも凄すぎる作品を前にすると言葉を失います」などと、大きな反響が巻き起こっている。

 同作は登場人物を3頭身にデフォルメしたほのぼのとした絵柄で、太平洋戦争でもっとも悲惨とされた「ペリリュー島の戦い」を描いた作品。これまでにない切り口の戦争漫画として高く評価されており、2017年には「日本漫画家協会賞」優秀賞を獲得している。

 物語の主人公となるのは、兵士の最期を遺族に伝える「功績係」に任命された田丸一等兵。田丸たちは凄惨な戦争を必死で乗り越えるものの、その後にやってきた“終戦”がさらなる混乱をもたらす。終戦を確信する者、日本は負けていないと信じる者。仲間だったはずの味方同士が対立し、彼らの中で戦争はいつまでも終わらない…。

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 最新10巻では、終戦からおよそ1年半が経過。田丸と吉敷は「生きて日本に帰る」という約束を果たすべく、壕からの脱走に成功する。その一方で若き少尉・島田は、指揮官として命がかかった決断を迫られることに。仲間にとって本当に正しい行動とは何なのか、激しく混乱した状況の中、ペリリュー島に銃声が響く――。

 あまりに救いのない戦場の一コマに、ネット上では「ああ、ついに…という以外に言葉が出ない。悲しみと安堵、それぞれの意味で、ついにその時が訪れた」「家族からの手紙のシーンは非常に胸に来るものがありますね」「助かって良かったけど、助からない人もいて。ひたすらツライ」「やっぱり泣けた。全国の高校生みんなに読んでほしい」と胸を打たれる人が続出している。

 3年間にわたる兵士たちの物語は、いよいよクライマックスに突入。誰もが価値観の物差しを失い、不確かな現実に翻弄される中で、一体何が見えてくるのか。田丸たちの壮絶な生き様をぜひコミックスで確かめてみてほしい。