給与額を自己申告!? ユニークな査定制度を採用するメリット

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公開日:2021/4/26

給与額を自己申告!? ユニークな査定制度を採用するメリット

 基本的に給与の金額は管理職の査定などで決定されますが、最近はユニークな査定制度を採用している企業も増えているようです。中には「貰う側」が自主的に決めるという制度もあり、注目を集めています。

社員の自己申告で給与を決定?

 例えばシステム開発などを行っている「アクロクエストテクノロジー株式会社」は、「Happy 査定360」という査定システムを実施。社員全員が査定会に参加して給与を決めているそうです。この査定会では互いの能力や成果について、社員一人ひとりが評価。それぞれが本音で意見をぶつけ合うことで、見えなかった貢献や努力などが可視化されたといいます。

 企業のデジタルマーケティングを支援している「株式会社TAM」は、社員の自己申告を基にした査定システムを採用。成果や貢献度などを自己評価し、会社と「交渉」をする形で給与を決めるようです。なぜこのような査定システムになったかというと、社員に自分の市場価値を自覚させるため。「BUSINESS INSIDER JAPAN」の取材に、代表の爲廣慎二さんは「フリーランスとか個人事業主の人って、『自分が市場で評価される人になるように』と考えるでしょ。会社特有のスキルではなく、市場価値のあるスキルを自然に磨く」「これって、会社員でもそうあるべきなんですよ」と答えていました。

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 そんな「株式会社TAM」では、「社内発注」でも金額の交渉が発生するとのこと。例えば「このバナーを作ってください」と社内の人間に依頼した時でも、「その金額ではできません、〇円ならやります。どうしますか?」といったやり取りが行われるそうです。

社員が給与を決定することのメリットとは?

「アクロクエストテクノロジー株式会社」も「株式会社TAM」もそれぞれ別の査定システムを採用していますが、共通しているのは「上司だけが部下の給与を決めるのではない」という点。さらに言えば、「給与の透明性が高い」こともあげられるのではないでしょうか。

 やはり既存の給与制度では管理職や経営者など「ごく一部の人」に決定権があるため、給与査定の根拠が不透明になりがち。実際に現状の給与を不満に思っているビジネスパーソンは少なくないようで、ネット上でも「どんなに努力しても一向に給与が上がらない…」「いきなり給与が下がったけど、理由が意味不明だった」「『ただ会社に長くいるだけ』の人が自分よりもお金を貰ってるとモヤっとする」といった声が上がっていました。

 給与の増減には社員それぞれ個別の理由があるものですが、それを一人ひとりに納得してもらうのは意外と困難。そのような「納得性」という面でも、「社員同士の話し合い」や「自己申告」で給与を決めるのはアリなのかもしれません。

 一朝一夕で真似をするのは難しそうですが、今後もユニークな給与査定制度を採用する企業は増えていきそうですね。

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