VRを超えた!? 生活を一変させる新時代の技術「MR」と「SR」とは

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公開日:2021/6/9

VRを超えた!? 生活を一変させる新時代の技術「MR」と「SR」とは

進化を続ける「MR」デバイスが話題

 マイクロソフトは2019年11月にヘッドセット型デバイス「HoloLens 2」を発売。同機器は2015年に発表された「HoloLens」の後継機で、現実と仮想世界が混ざり合ったMR(ミクスト・リアリティ)を実現するデバイスとして話題を呼んでいます。

 ヘッドセットを装着すると、現実世界の中に立体的なホログラムが表示されることに。ユーザーの指を認識する機能が付いており、ホログラムを自由に動かせるのも大きな特徴です。「HoloLens」からの変更点として操作感などが向上している他、視野角が2倍以上広がったことにより没入感がさらに高くなりました。

 実際にデバイスを体験したユーザーからは、「自分の指を認識させて両手でピアノを弾いたりできるし、すごい。未来を感じる」「価格が安くなって世界中に普及すれば世の中が変わりそう」「MRを体験するのは初めてだったけど、使いやすかったし可能性の塊だと思う」といった声が上がっています。

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 早速「HoloLens 2」は様々な場所に導入されているようで、2019年12月2日にはMRをコールセンター業務に活用する日本初の試みが始動。日本マイクロソフトを含む4つの企業が、“時間や場所の制約を超えた新しい働き方”を模索する実験に着手しました。

 その一環として家電メーカーのデロンギ・ジャパンでは、顧客サポートの場にMRの技術を導入。オペレーターがコールセンターにいなくてもサポート業務を行えるように、製品のホログラムを確認しながらお問い合わせに対応するという実験が行われています。

時代を切り開く「MR」や「SR」の可能性

 そもそもMRは既存のVRやARとは何が違うのでしょうか? VRは「仮想現実」を意味する用語で、ヘッドセットなどを装着することで現実とは異なるバーチャルな空間に没入させてくれる仕組みを指します。またARは「拡張現実」という意味で、スマホアプリ「SNOW」のようにCGなどの視覚情報を現実に重ね合わせる技術のこと。

 それに対してMRは現実とVR環境が融合することを指す言葉。視界上のホログラムを実在するオブジェクトのように操作できる「HoloLens」は、その典型的な例だと言えるでしょう。ただしMRの定義については諸説あり、VRやARを内包する概念とも考えられています。

 また上記の他に「SR」という概念も存在する様子。SRは「代替現実」という意味で、2012年に理化学研究所が開発した「SRシステム」が先駆けとなっていました。その仕組みはユーザーが現在見ているのと同じ場所で撮影した映像を、ヘッドマウントディスプレイ上に表示するというもの。過去の出来事をリアルタイムの体験として“錯覚”させるのが狙いで、認知実験や心理療法の分野に発展をもたらすことが期待されています。

 VR業界の成長はまさに日進月歩。MRやSRの技術が普段の生活に入り込んでくる日も遠くはないでしょう。

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