ふつうの男子高校生に萌える“日常系男子”が人気

マンガ

更新日:2014/4/14

 『らき☆すた』(美水かがみ/角川書店)や『けいおん』(かきふらい/芳文社)でブームになった“日常系”マンガ。日常系といえば、かわいい女の子たちが放課後の部室や教室でたわいもない会話を繰り広げたり、ゆる~っとした平凡な生活を描くのが特徴だ。しかし、今度は女子ではなく、男子高校生をメインにした日常系作品が流行っているようなのだ。

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 その先駆けとなったのは、アニメ化もされた『男子高校生の日常』(山内泰延/スクウェア・エニックス)。男子校に通う男の子3人組のくだらない日常風景を描いている作品だ。一応主人公でツッコミ役のタダクニと、メガネキャラなのにバカなヒデノリ、金髪でこちらもおバカなヨシタケが、タダクニの家で妹のスカートを履いて遊んだり、道に落ちていた棒を拾うと急にRPGごっこを始めたり……と、ストーリーはいたって“日常”。タダクニの家でごろごろしながらも、暇だからという理由でラジオのDJごっこやドラクエごっこ、一発芸大会を始めたりなど、突然ごっこ遊びをしちゃうあたりは男子ならではなのかもしれない。

 また、『ダダダダン。』(黛ハル太/アスキー・メディアワークス) は、女の子が苦手で、会っただけで倒れてしまうようなシャイ男子・如月シロと、女の子が大嫌いなイケメン・三上凌多、2次元にしか興味がないオタク・綾代美南の3人が送るドタバタした日常を描いている。例えば、話しかけているのにシカトする美南に対して怒った凌多は「美南父さんの目を見なさい! ちょっと母さんからも何か言ってやって」とシロに振り、シロも「ごはん抜きですよ」なんて応える。とっさに振られても、やりとりに乗っかれる“悪ふざけ”ぶりも、男子的。ほかにも、追試中、先生が寝ている隙にラジコンを作って遊んだり、ひまつぶしに凌多の髪を切ろうとしたりもする“やりたい放題”感もかわいい。

 一方、共学校なのに男子と女子にクラスが分かれている『イマドキ青春 男クラ』(カワハラ恋/角川書店)は、うってかわって恋愛がメイン。女子クラスの担任の先生に恋をしたり、女子のお客さんをゲットするために学祭で野菜カフェをやろうとしたり、女遊びの激しいクラスメイトにムカついて問題を起こし、そいつを犯人に仕立て上げたり……。男子が男子に抱きついたりするノリも、男子クラスだからこそ許されるのかもしれない。

 単純だったり、子どもっぽかったりする男子高校生。でも、女子には想像がつかないおもしろいこと、くだらないことに真面目に取り組んでみたりするあたりは、微笑ましくて魅力的。女の子たちが主人公の日常系作品は、ほわほわした雰囲気で癒されるが、男の子がメインの日常系作品はそのバカバカしさ、くだらなさに笑える。おバカな男子高校生マンガで、たくさん笑ってスッキリするのもきっと楽しいはずだ。