世界最優秀フロマジェ2025フランス大会日本代表の挑戦
株式会社グロージャストマン
公開日:2025/3/18
大阪高槻のちいさいお店の世界挑戦
日本でチーズの美味しさをもっと多くの人に知ってもらいたいとの想いでチーズアートをはじめました。今よりもっと技術を磨くべく、今年9月開催のフランス世界大会に応募し日本代表に選ばれました!世界大会で優勝し日本チーズ文化を盛り上げたい
私たちのお店、Jajajaはチーズとお肉とワインを専門的に扱うレストランで、いまは2店舗で運営しています。
Jajaja(じゃじゃじゃ)とは、スペイン語で笑う時の擬声語「ははは」
実際に「じゃじゃじゃ」とは発音しませんが、当店ではあえて「じゃじゃじゃ」と発音します。食事を楽しむ!そんな当たり前のことを追い求めてみたい。食で日本を明るく楽しくしたい!という想いで、このお店を2018年に夫婦2人で始めました。
当初、専門知識はほとんどない中で自己流で運営してきましたが、食を追求するうちに、いろいろなことに興味を持つようになり、ワインはソムリエの資格、肉はお肉博士1級、チーズはチーズプロフェッショナルを取得するなど、様々な専門知識を習得するようになりました。お店のお料理もより専門性を持ったメニューへと進化させてきました。特にチーズに対しての思い入れは強く、こだわりのナチュラルチーズなどをメニューに加え、お客様にチーズの専門店のアピールをしました。
私たちのお店は大阪の中でも中心地とは外れた高槻という土地で、さらに駅からは遠く立地も悪いお店です。肉とチーズの専門店とうたってチーズやワイン、お肉の店頭販売も始めましたが、なかなか来客数は伸びず苦戦を強いられています。もっとチーズのことを深く知り、技も磨き一流店にならなければ、チーズの良さをお伝えするお客様の数を増やせないと痛感しています。今はまだ2店舗経営と小さい規模ですが、将来的には複数店舗を運営する会社にして私たちのお店でチーズの素晴らしさをひとりでも多くのお客様に伝えたい。日本におけるチーズ文化を広げたい! と思っています。
そんな時、チーズアートの世界大会があることを知りました。自分の実力でどこまでできるか試してみたい。という想いと世界大会で優勝すれば日本のチーズ文化水準を引き上げるきっかけになるのではないか?とおもい、選考会の出場を決めました。
そして予選会、日本代表最終選考会を勝ち抜き、今年9月のフランス世界大会への切符を手に入れることが出来ました。
私がチーズアートを学んだ一般社団法人日本チーズアートフロマジェ協会は、ナチュラルチーズに関する教養と専門技術の普及を通して、豊かな食生活の提案、また豊かな食文化に貢献することを目的として設立しました。普及啓蒙事業(ナチュラルチーズに関する教養と専門技術の講習会・研修会)、認定・検定に関する事業(フロマジェ・チーズエキスパートの育成)、海外交流に関する事業(フランス・スイスなどの振興機関)、コンクール事業(コンクールやアワード開催に関する事業)、を行っており、今回はこちらのフランス世界大会の選考会により日本代表に選んでいただくことが出来ました。
世界最優秀フロマジェコンクールとは、世界中のチーズと乳製品をフランスにあつめて品評されるフランス・トゥールの地で行われる「モンディアル・デュ・フロマージュ」のメインイベントです。
コンクールは7時間にわたる長丁場で競われます。ファイナリストは12か国15名。各国の国内最優秀フロマジェがあつまる、そうそうたるメンバーが一堂に集まります。
朝9時にスタートし、まずは理論や知識の試験を行います。問題、回答もすべて英語で実施します。次はブラインドティステイング。外皮が外された4種類のチーズの名前、乳種、タイプ、生産国、熟成期間を時間内で筆記します。次に指定された重さにチーズをカットする試験などがあります。続いて各自が持参したチーズをプレゼンテーションします。チーズの特徴、味わいや香りなどの魅力をお伝えします。ドリンクとのペアリングなどもお伝えします。審査員からの質疑応答もしっかり対応しないといけません。もちろんすべて英語かフランス語で、です。
午後からは、4時間かけて5種類の技術の試験。ここからは応援団などのギャラリーが入ります。
・「アシェット・ド・フロマージュ」まずは器を持ち込んでチーズプレート1人前を盛り付けます。チーズは5種類程度がその場で知らされます。チーズとそれぞれにあわせる副食材などを綺麗に盛り付けていきます。そうした、付け合わせに使用する生の食材は、コンクール前日に選手全員がマルシェに集まり、150ユーロの予算内で買い求めていきます。・
・「マリアージュ・デ・グー」課題のチーズとのマリアージュの提案をします。チーズの特徴を捉え、副食材を2種類つけたして最高のチーズ料理に仕上げる試験です。これは2種類の料理を考えます
・「アーティスティックカット」ハード系数種類のチーズをナイフなどで自由にカービングして、テーマを決めて盛り付けをします。
・「プラトー・ド・フロマージュ」数十種類あるチーズの中から選び、1m四方の木のボードに芸術的に盛り付けます。ひとつのテーマに沿って各自でおもいおもいの小道具、器具、装飾、副食材などを駆使して仕上げていきます。一番の花形の試験で盛り付けの時間、チーズの種類、量など全てにおいて最大の規模の試験を一人で仕上げていきます。
これらのハードな試験を時間内で競い、世界一を決定します。
フランス世界大会は今年で7回目を迎えます。いままで世界大会優勝者は日本チーズアートフロマジェ協会 現理事長である金子敏春様が監督のもと現副理事長村瀬美幸様が第一回大会でアジア人初の優勝を獲得しました。それ以降は入賞までにとどまっております。
私がチーズアートを知ったきっかけもこの世界大会優勝でした。今回の挑戦で、日本人2人目の優勝を勝ち取り、日本のチーズに対する興味づけのきっかけにしたいと思います。
チーズの歴史は古くヨーロッパではチーズが日常的に食されておりチーズが文化に染みついている状態だといえると思います。日本でも和食や日本酒をはじめ世界でも認められている食文化はたくさんあります。しかしながら、チーズにおいてはまだまだ日本の文化に入り込んでいるとは言えない状況です。
日本でもチーズが当たり前に日常に溶け込んでいる。そんな日常が来たら楽しいだろうなと思います。
私たちも、はじめ知らなかったチーズの世界。
それを、知ってからチーズがいろいろな世界に導いてくれました。
今回の世界挑戦は私たちにとって未知への挑戦です。
楽しみ!というより、いまは不安の方が大きいです。
しかし、今までもほんとにいろいろな挑戦をして、新しい発見をし、そのたびに道が開けていったのを覚えています。
今回もこの私たち最大の挑戦を乗り越えて、チーズアート世界チャンピオンになり、新しい世界を広げていきたい!と思います。
大阪高槻のちいさいお店の世界挑戦を、取り上げていただきたいです。
よろしくお願いいたします