「自動車用金属の日本市場動向(~2030年)」調査資料を販売開始
株式会社マーケットリサーチセンター
公開日:2025/6/2
(株)マーケットリサーチセンタ-(本社:東京都港区、グローバル調査資料販売)では、「自動車用金属の日本市場動向(~2030年)」調査資料の販売を2025年6月2日に開始いたしました。日本の自動車用金属市場規模(国内市場規模を含む)、動向、予測、関連企業の情報などが盛り込まれています。
■レポート概要
本調査レポートでは、日本における自動車用金属市場の全体像を把握し、主要材料別・用途別・エンドユーザー別の市場構造を詳細に分析することを目的としています。自動車用金属は、乗用車や商用車、二輪車など幅広い車両カテゴリーで不可欠な素材であり、鋼板、アルミニウム合金、マグネシウム合金、銅・黄銅、ステンレス鋼、チタンなど多岐にわたります。これらの材料は、車体骨格(プラットフォーム)、エンジン・パワートレイン部品、サスペンション・ブレーキ部品、電動化部品(モーターコア、バッテリーケース)など、多様な部位に採用されています。本レポートでは、過去数年間(2018年~2023年)の実績データをもとに市場規模や出荷量の推移を把握するとともに、2024年から2028年までの中長期的な需要予測を示します。また、環境規制の強化、電動化・自動運転技術の進展、軽量化・高強度化の技術トレンド、グローバルサプライチェーンの再編など、マクロ・ミクロ両面の要因を織り交ぜ、金属需要に影響を与える主要因を整理します。さらに、主要材料メーカー、自動車部品サプライヤー、完成車メーカー各社の動向や競合環境を分析し、価格動向やコスト構造、技術開発状況を明らかにしたうえで、将来的なビジネスチャンスや参入リスクを提示します。本レポートは、自動車用金属を扱うメーカー、および自動車産業に関わる投資家、コンサルタント、政策担当者などが戦略立案や投資判断に活用できる情報を提供するものです。
――――――――――――――――――――――――――――――
調査手法
本レポートでは、定量的な統計データ分析と定性的なインタビュー調査を組み合わせたハイブリッドアプローチを採用しています。一次情報として、国内主要自動車用金属メーカー(鉄鋼大手、非鉄金属メーカー)、自動車部品サプライヤー、完成車メーカー(金属部品メーカー含む)へのヒアリングを実施し、需要動向、材料調達構造、技術開発状況などを把握しました。加えて、自動車業界団体および関連省庁の統計資料、自動車生産台数データ、自動車部品生産実績データ、輸出入統計などを収集し、二次情報として市場規模推計の基礎データを整備しています。市場規模の算定には、材料別出荷量や用途別投入量のトップダウン・ボトムアップ両手法を併用し、国内完成車メーカーおよび部品メーカーが使用する金属量を総合的に推計しました。また、電動化部品向け金属需要については、電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HEV)、燃料電池車(FCV)など電動車カテゴリー別の生産計画と消費量モデルを構築しています。競合環境の分析は、市場シェア、価格動向、設備能力、提携・M&A状況をもとに各社のポジションを評価し、SWOT分析やポーターのファイブフォース分析を通じて主要リスクと機会を洗い出しています。さらに、金属価格の国際動向(鉄鋼市況、非鉄金属価格、為替)に関するベースシナリオを設定し、コスト変動が市場に与える影響を感度分析しています。これらの一次・二次情報を統合し、ベースケース、ハイケース、ローケースの3シナリオで2024年~2028年の需要予測を行いました。
――――――――――――――――――――――――――――――
市場動向・要因分析
日本の自動車用金属市場は、従来型の内燃機関車(ICE)向け需要の減少と、電動化車両向け需要の急増という二つの潮流が同時並行で進行しています。近年、グローバルな環境規制強化やカーボンニュートラル政策の影響を受け、国内完成車メーカー各社はEV、HEV、FCVなどの電動車シフトを加速しており、それに伴う新たな金属材料需要が顕在化しています。一方で、ICE向けエンジンブロックやシリンダーヘッドなどの需要は持続的に減少傾向にあります。また、軽量化・高強度化のニーズは引き続き強く、アルミニウム合金や高張力鋼板(AHSS、UHSS)、およびアルミニウムリチウム合金などの先進材料採用が増加しています。特に、プレス構造部品やシャシー部品、車体外板においては、従来の軟鋼板から高張力鋼への置き換えにより車両重量を削減しつつ、衝突安全性を確保する取り組みが進んでいます。アルミニウム合金は、ボンネット、ドアパネル、テールゲートなどの外板で広く使われるほか、電動車向けバッテリーケースやモーターコアフレーム、サスペンション部品などにも適用が拡大しています。さらに、マグネシウム合金やチタン合金は軽量・高剛性を活かして一部ハイエンドモデルや高級車のエンジン部品、サスペンションリンク、コネクティングロッドなどに採用されつつあり、今後市場拡大の余地があります。また、電動化の進展によりステータコアやロータコア向けの電磁鋼板需要、電線材・導体向け銅・銅合金需要が新たに発生しており、EV用モーター生産が立ち上がる地域では関連金属の需要が急成長しています。産業構造としては、完成車メーカーの集約化および海外生産比率の上昇によって、国内向け金属需要は減少する一方、次世代車向け部品生産の国内残存や再シフト(一時的なEV生産国内回帰)によって、一部金属品目の国内需要は下げ止まる可能性があります。マクロ要因では、鉄鋼原料価格・非鉄金属価格の国際市況、為替変動(円安・円高)、エネルギーコスト、サプライチェーン分断リスク(地政学リスクや輸出規制など)が金属価格・調達コストに直接的な影響を与え、各メーカーの収益性に影響を及ぼします。
――――――――――――――――――――――――――――――
材料別市場分析
本章では、自動車用金属を「鋼板系」「アルミニウム系」「銅・銅合金系」「マグネシウム系」「チタン系」「ステンレス鋼系」「ニッケル・特殊金属系」に大分類し、それぞれの用途別需要動向や市場規模を分析します。
鋼板系(普通鋼、高張力鋼、超高張力鋼、電磁鋼板)
一般的なボディ骨格やシャシー部品には普通鋼が依然として主力ですが、近年は軽量化と高剛性を両立するために高張力鋼(AHSS)や超高張力鋼(UHSS)の採用が急増しています。特に、前面衝突・側面衝突安全基準の厳格化に伴い、DピラーやAピラー、サイドメンバーなどの構造部材にUHSSが用いられるケースが増え、従来型鋼板からのシフトが進んでいます。自動車用鋼板市場全体では、2018年の約1,200万トンから2023年には約1,100万トンへ微減傾向にあるものの、高張力鋼の比率は全量の約25%から約40%へ拡大しています。また、EV用モーター・インバータ部品向けには電磁鋼板の需要が拡大しており、電磁鋼板市場は2023年に約30万トンに達し、今後EV生産の本格化により50万トンの市場規模まで拡大すると予測されます。
アルミニウム系(鋳造・鍛造アルミ合金、押出アルミ材、プレス材)
軽量化ニーズの高まりを受け、エンジンブロック、シリンダーヘッド、ピストン、ホイール、ボディ外板(ドア、ボンネット、テールゲート)、バッテリーケース、モーターコアフレーム、ラジエーターコアなど多岐にわたる用途でアルミニウム合金が採用されています。特に、電動車向けバッテリー周辺部品(ケースやブラケット)は高圧耐性と放熱性が求められるため、高純度アルミ鋳造品や鍛造品が中心です。アルミ押出材はヒートシンクやフレーム部材に利用され、アルミプレス材はリアサイドパネルやフロントフードの一部に適用されます。アルミニウム系市場は、2018年の約120万トンから2023年に約150万トンへ成長し、2028年には約200万トンへ達すると見込まれています。製造面では、二次合金(リサイクルアルミ合金)の利用比率が約70%に上昇し、一次合金依存からの脱却が進んでいます。
銅・銅合金系(導体用電線材、放熱用コールドプレート、電磁シールド用箔)
ICE車向けではワイヤーハーネスやモーターコイル、スターターモーター用導体が主用途でしたが、電動化が進むにつれてEV用モーター、インバータ、DC/DCコンバータ用の銅線および銅箔需要が急増しています。特に、EV一台あたりの銅消費量は従来ICE車の約2倍とされ、2023年の自動車用銅需要は約20万トンに達しました。放熱性を重視したコールドプレートやバッテリー冷却プレートには銅合金が採用されるケースが多く、今後もEV向け需要が牽引していく見込みです。
マグネシウム系(鋳造マグネシウム合金、押出マグネシウム材)
マグネシウムはアルミニウムよりも約34%軽量であり、ハイエンド指向のエンジン部品(クランクケース、トランスミッションハウジング)、ステアリングコラム、シートフレームなどに採用されています。しかし、耐食性やコスト面の課題から実車搭載は限られており、2023年時点での自動車用マグネシウム市場は約3,000トン程度と小規模です。将来的には、リサイクル技術の進展や耐食性向上コーティングの普及により、年間1万トン規模まで拡大する可能性があります。
チタン系(チタン合金、純チタン)
チタンは高強度・低密度かつ耐食性に優れる特性を持ち、エキゾーストマニホールド、エグゾーストパイプ、吸気マニホールド、バルブスプリング、コンロッドなど高温環境下での耐熱性が求められる部品に使用されています。市場規模は2018年の約700トンから2023年には約1,200トンへ拡大し、高級スポーツカーやスーパーカー向け採用が多い一方、量産車向けの使用はまだ限られています。コスト低減のためにTi-6Al-4V合金やTi-3Al-2.5V合金の採用が増加しており、今後も高級車や電動車の熱管理部品としての応用が期待されます。
ステンレス鋼系(オーステナイト系、フェライト系、析出硬化系)
排ガス浄化装置(触媒コンバータ)の外装カバー、エキゾーストパイプ、リアマフラー、排気システム部品に広く採用されています。また、ステンレス鋼の高耐食性を活かし、燃料タンクやブレーキ部品(マスターシリンダー、ブレーキキャリパーシール部分)などに使用されることがあります。2023年の自動車用ステンレス鋼需要は約50万トンに達し、排ガス規制強化による触媒搭載量増加に伴い、今後も緩やかな拡大傾向が見込まれます。
ニッケル・特殊金属系(ニッケル合金、コバルト合金、レアメタル)
ニッケルは電池材料(ニッケル水素電池、ニカド電池)およびステンレス鋼、耐熱合金の原料として不可欠です。電動車向けリチウムイオン電池では、正極材(NCM、NCA)の大半がニッケルを含み、2023年の電池向けニッケル消費量は約2万トンに上ります。コバルトは正極材、マグネシウムおよびリチウム合金電池材料として使用され、市場規模はやや限定的ですが、電動化の進展によって需要増加が見込まれます。レアメタルとしては、パラジウム、プラチナ、ロジウムなどが触媒コンバータに使用され、排ガス規制の強化に伴いコスト増要因となっています。
以上のように材料別市場は、自動車の構造・機能変化に密接にリンクしており、特に電動化や軽量化トレンドが各金属セグメントの需要を大きく左右しています。
――――――――――――――――――――――――――――――
自動車部品・用途別市場分析
本章では、自動車用金属を「車体骨格・外板」「エンジン・パワートレイン部品」「シャシー・足回り部品」「排気・排ガス制御部品」「電動化部品(モーター・インバータ・バッテリー関係)」「内外装部品」「熱交換器・冷却系部品」に大別し、用途別需要動向や技術トレンドを分析します。
車体骨格・外板部品
車体構造部品(フロアパネル、ルーフパネル、サイドパネル、フレームメンバー、ピラーなど)は、衝突安全性と軽量化を両立するため、主に高張力鋼板(AHSS、UHSS)やアルミニウム合金が採用されています。近年の車体骨格部品における高張力鋼板の使用割合は全鋼板需要の約40%に達しており、アルミニウム合金による置き換えは特に高級車やEVモデルで顕著です。外板(ドア、ボンネット、トランクリッド)は、アルミニウムプレス材の使用が増加し、アルミパネルが標準装備となるモデルも登場しています。車体軽量化による電費向上や航続距離延長効果を狙い、EV向けでは車体FPF(ファイバー強化プラスチック)との複合材構造が試験導入されるケースもありますが、量産コストやリサイクル性の観点から金属パネルの需要は依然として堅調です。
エンジン・パワートレイン部品
内燃機関向けエンジンブロック、シリンダーヘッド、クランクシャフト、カムシャフト、コンロッド、バルブ、ピストンなどは従来、鋳鉄、アルミ合金、鋼材が主に使用されてきました。近年では、軽量化と耐熱性向上のニーズからアルミ合金シリンダーブロックやマグネシウム合金クランクケース、一部チタン合金バルブなどが採用されています。電動化が進む中、ICE向け需要は減少する一方、HEV用エンジンやプラグインハイブリッド用エンジンの採用比率は当面維持されるため、これら部品の需要は急激には縮小しません。しかし、電動専用プラットフォーム採用モデルが増えるに従い、全体としては緩やかな減少トレンドが続く見込みです。
シャシー・足回り部品
シャシー部品(フロントサスペンションメンバー、リアビーム、トレーリングアームなど)は高張力鋼や鍛造アルミニウム部品への置き換えが進行中です。高張力鋼を用いた鋼板プレス部品はコスト競争力が高い一方、アルミ合金鍛造品は剛性・軽量性に優れるため、プレミアム車や一部スポーツモデルで標準採用されています。ステアリングコラム、サブフレーム、コントロールアームはアルミニウム鍛造品や高張力鋼材を組み合わせた異種金属接合技術が活用されており、部品点数削減と生産効率向上を実現しています。足回り部品市場は2023年に約150万トン規模で推移しましたが、2028年には約130万トンまで縮小すると予測されています。これは、アルミニウム合金比率の上昇による鋼材需要の置き換えが要因です。
排気・排ガス制御部品
排気管、マフラー、触媒コンバータ外殻などの排気系部品は、ステンレス鋼(オーステナイト系、フェライト系)の需要が中心です。耐熱・耐食性および成形性を両立させるため、厚板や薄肉板が用途に応じて選定されます。最近では、より高い排ガス浄化性能を実現するために、触媒コア数の増加や構造最適化が進み、外殻素材の板厚薄肉化が課題となっています。2023年時点での排気系向けステンレス需要は約25万トンですが、2028年には触媒装置の小型化・高効率化により20万トン程度にやや減少する見通しです。ただし、HEV向けエンジン制御比率が高まる限り、一定量の需要は維持されます。
電動化部品(モーター・インバータ・バッテリー関係)
EVやHEVに搭載されるモーターコアには電磁鋼板(シリコン鋼板)が使用され、2023年時点で約10万トンの需要があります。電磁鋼板の積層加工技術や低損失材の開発が進んでおり、効率向上と発熱抑制を両立する新材料が各社から投入されています。インバータ・コンバータ向けヒートシンクやブラケットにはアルミニウム押出材や鍛造材が採用され、放熱性能・軽量性が重要視されています。特にバッテリーケースやモジュールフレームは高強度アルミ合金(6000系、7000系)の使用比率が高まっており、合わせて防火・耐衝撃性能確保のために鋼板とアルミ合金の異材接合技術が用いられます。また、バッテリーパック内部配線用銅線および銅箔需要は2023年で約5万トンに達し、2028年には約12万トンまで増加すると予測されています。
内外装部品
ドアハンドル、ミラーアーム、インナーパネル留め具、ラジエーターグリルなどの外装樹脂部品と金属部品の複合構造化が進んでいます。ドアミラーアームにはアルミ押出材や鍛造材が、シートフレームやシートレールには高張力鋼やアルミニウム合金が使用され、内装金具や取手にはステンレス鋼やメッキ鋼板が使われます。これらの内外装部品市場は2023年で約20万トン規模ですが、樹脂・複合材への一部置き換えやモジュール化トレンドにより、緩やかな減少傾向が予想されます。
熱交換器・冷却系部品
ラジエーター、インタークーラー、オイルクーラー、空調用エバポレーターなどの熱交換器には銅・銅リン合金、アルミニウム合金が利用されます。銅系材料は高い熱伝導率を誇りますがコスト面でアルミニウムが優位なため、近年では大半がアルミ製となっています。2023年の熱交換器向けアルミ需要は約8万トンに達し、今後EV向けのバッテリー冷却システム採用車増加により、約10万トン規模まで拡大する見込みです。
以上の用途別分析から、自動車用金属市場は電動化・軽量化・高強度化という技術トレンドに沿って材料需要が再配分されており、従来のICE向け鋼材需要減少分をアルミ・非鉄材料需要が部分的に補完しています。
――――――――――――――――――――――――――――――
地域別市場分析
本章では、日本国内を「東海・中部」「関東」「関西」「九州・沖縄」「北海道・東北」「中国・四国」の6つの地域に区分し、地域ごとの生産拠点・需要構造を分析します。
東海・中部地域
愛知県を中心に完成車メーカー(トヨタ自動車、ホンダ、スズキ、マツダなど)の生産拠点が集中する日本最大の自動車産業クラスターです。これら完成車工場とともに多数の自動車部品メーカー、金属部品加工企業、鋼板・アルミ素材メーカーの拠点が密集しており、自動車用金属の需要と供給が最も集約されています。東海・中部地域における自動車用金属需要は日本全国の約50%を占め、特に高張力鋼板、電磁鋼板、アルミダイキャスト部品、アルミプレス部品などが大量に消費されています。近年は、EV生産モデルの増加に伴い、東海・中部地域内のEVモーター関連部品供給網が急速に整備されており、電磁鋼板メーカーの生産ライン再編が進行中です。また、材料供給側では、国内大手鉄鋼メーカーの東海製鉄所、東邦アルミニウム、UACJプレス工場などが集積しており、供給安定性が高い一方で、コスト高や労働力不足などの課題に直面しています。
関東地域
関東圏(東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県、栃木県、群馬県、茨城県)は、完成車工場だけでなく、二輪車・商用車メーカー、中小部品メーカーが分散して存在する地域です。とくに、栃木県・群馬県・茨城県には部品サプライヤーが多数立地し、鋼板成形、アルミ鍛造、ステンレス溶接加工、銅線製造など多様な加工業が稼働しています。関東地域全体の金属部品需要は全国の約20%を占め、EVバッテリー関連部品、モーターコア関連部品の生産拠点が拡充されつつあります。素材メーカーでは、千葉県内の非鉄金属プレス・ダイキャスト工場、山梨県の電磁鋼板加工センターなどが、電動車向け需要に対応した設備投資を実施しています。
関西地域
大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県など関西圏では、ホンダ、いすゞ、日野自動車、ダイハツ、三菱ふそうなどの商用車・小型車メーカーの拠点とともに、部品大手(NTN、NSK、住友電工など)が集積しています。関西地域の金属需要は全国の約15%を占め、特にベアリングや精密部品向け鋼材需要、駆動系部品向け鍛造鋼材、アルミ押出材需要が大きいのが特徴です。また、関西地域では水素エンジンやFCV向け部品開発が進む京都府や兵庫県の研究機関・製造拠点周辺でニッケル合金、チタン合金需要が一部発生しており、将来的な高機能材料需要の地盤が整いつつあります。
九州・沖縄地域
九州・沖縄地域では、福岡県、熊本県、大分県、佐賀県、長崎県に商用車メーカーや完成車系部品メーカーの拠点が分散しています。とくに、佐賀県のダイハツ九州工場、宮崎県のトヨタ九州工場、大分県のマツダ大分工場は部品サプライヤーを含む大規模な生産ネットワークを有しており、鋼板成形、アルミ鋳造、銅線製造拠点が点在しています。九州地域全体の金属需要は全国の約10%程度であり、ICE向けエンジン部品需要の減少によりやや縮小傾向にありますが、EV生産モデルの国内生産拡大に伴い、電動車関連部品向け金属需要が2025年以降増加すると期待されています。沖縄県は自動車産業の拠点がほとんどないものの、離島向け部品輸送拠点として一部需要があります。
北海道・東北地域
北海道・東北地域では、日産自動車やトヨタ自動車の小規模な完成車工場および部品メーカーが散在し、自動車用金属需要は全国の約3%程度にとどまります。ただし、ディーラーや整備工場向けの補修用部品需要は季節要因(寒冷地対応部品)に左右されるほか、樹脂部品や電動部品化の遅れにより伝統的な金属部品需要が一定割合残存しています。また、鉄鋼メーカーや非鉄金属メーカーの北日本製鉄所、南部製鋼所などの製造拠点が存在し、地場需要を下支えしています。
中国・四国地域
中国・四国地域では、マツダ、スズキ、いすゞなどの完成車拠点が広島県、山口県、愛媛県に存在します。特に、広島県のマツダ本社工場周辺には部品サプライヤーが密集しており、シャシー部品向け鋼材、アルミ合金向けダイキャスト部品、電線材などの需要が集中しています。中国・四国地域全体の金属需要は全国の約5%を占め、EVモデルの生産拡大に伴い、電動化部品向け需要の増加が見込まれています。また、海上輸送を活用して四国島外から材料を調達するケースも多く、輸送コストが材料調達構造に影響を与えています。
――――――――――――――――――――――――――――――
競合環境
日本の自動車用金属市場には、国内外の多様なサプライヤーが参入しており、大きく以下の三つの層に分かれます。
素材メーカー(一次サプライヤー):
鉄鋼メーカー(新日本製鐵、JFEスチール、神戸製鋼所など)、アルミニウムメーカー(JX金属、UACJ、三菱アルミニウムなど)、銅・銅合金メーカー(三井金属鉱業、住友電気工業など)、マグネシウムメーカー(UACJマグネシウム、日立金属など)、チタンメーカー(国際特殊鋼、精工鋼業など)、ニッケル・特殊金属メーカー(住友電気工業、日立金属、GKNスクリュートルクなど)および電磁鋼板メーカー(日立金属、東洋製罐、JFEスチールなど)です。これら一次サプライヤーは、メガスケールの生産能力を基盤に、自動車業界向けに高品質・高性能な材料を提供しており、グローバルな顧客網を有しています。鉄鋼部門では特に高張力鋼・超高張力鋼領域で海外勢との競合が激化しており、自動車専用鋼板の差別化(成形性、高強度、耐食性)とコスト競争力が求められています。アルミニウム部門では、一次合金だけでなくリサイクルアルミ合金の開発競争が活発であり、ケミカルリサイクル技術や二次合金品質の安定化が競合優位性のポイントとなっています。
部品メーカー(二次サプライヤー):
鋼板プレス部品メーカー(アイシン精機、デンソーエルアンドエフ、豊田自動織機など)、アルミダイカスト部品メーカー(豊田合成、日東工業、近畿ダイカストなど)、アルミ鍛造品・押出材メーカー(中国鋼管、愛知製鋼、UACJプレステックなど)、電磁鋼板加工メーカー(新光鋼業、KME Japanなど)、銅線・銅箔部品メーカー(住友電工、住友電装など)、マグネシウム鍛造メーカー(大同特殊鋼、UACJマグネシウムなど)、チタン鍛造メーカー(小林製作所、日立金属など)、ステンレス鋼加工メーカー(岩手丸山製作所、三菱ステンレス鋼など)が含まれます。これら二次サプライヤーは、素材メーカーから供給を受けた鋼板・合金材を自社工場で加工し、完成部品を自動車OEMやファーストサプライヤー(Tier1)に供給します。競合要因としては、メーカーごとの加工精度、設備稼働率、歩留まり、納期対応力、コスト構造が挙げられ、特に高付加価値部品(超高張力鋼部品、軽量アルミ鍛造部品、電磁鋼板スタックコア)領域での技術差別化が進んでいます。また、部材調達のグローバル化に伴い、東南アジアや中国、インドの低コスト拠点との競合が激化するなか、国内生産拠点の維持・縮小判断がサプライヤー戦略の鍵となっています。
システムサプライヤー・ファーストサプライヤー(Tier1):
アイシン精機、デンソー、豊田自動織機、日立Astemo、いすゞ製作、日野オートモーティブコンポーネンツなどの大手サプライヤーは、完成車メーカーと直接契約し、エンジン・トランスミッションシステム、シャシーシステム、電動パワートレインシステム、ボディシステムなどのユニットを一括納入しています。これらファーストサプライヤーは、素材調達から部品加工、組立までの垂直統合体制を構築しており、自社内またはグループ企業を介して一次・二次サプライヤーを統括管理します。競合力のポイントは、システム最適化、コスト低減策(生産ラインの標準化、モジュール共用化)、電動化・自動運転技術への対応速度などです。とくに、EV用モーター・インバータ・電池マネジメントシステム(BMS)など先行技術領域での開発力が競合優位性を左右するため、各社は技術提携やM&Aを通じて外部技術を取り込む動きを加速させています。
――――――――――――――――――――――――――――――
規制・技術動向
自動車用金属市場を取り巻く規制・技術動向は、自動車産業全体の構造変革を牽引する要因となっています。本章では、環境規制、安全規制、貿易規制などの外部要因と、材料・加工技術の最新トレンドについて整理します。
環境規制動向:
2025年度燃費基準(2021年基準比燃費15%改善)および2030年度燃費基準(2021年基準比燃費30%改善)を達成するため、完成車メーカーは車体軽量化を重要課題としています。このため、高張力鋼板やアルミニウム合金、マグネシウム合金採用を中心とした軽量化技術が推進されています。また、排出ガス規制(WLTP、ポスト新長期規制)によりICEエンジンの効率向上が求められる一方、EV普及促進策として政府による補助金やインフラ整備支援が継続されており、電動化シフトが加速しています。さらに、2035年カーボンニュートラル政策を見据えたCO₂排出量削減目標(ライフサイクル全体でのCO₂排出量50%削減など)が策定され、素材メーカーや部品メーカーは製造工程の脱炭素化や再生可能エネルギー活用、リサイクル材料利用率の向上を図っています。
安全規制動向:
衝突安全性に関する国際規格(UN-R137、NCAP安全評価)や国内基準(自動車安全基準等)、歩行者保護基準の強化により、車体骨格の高強度化・高靭性化が求められます。高張力鋼板、超高張力鋼の採用拡大はこの背景が要因であり、材料メーカ ーは成形性と高強度を両立する新鋼種(第3世代AHSS、マルチフェーズ鋼など)の開発を競っています。また、EVバッテリー搭載車における衝突時安全性(バッテリー耐撞撃性、短絡防止、熱暴走抑制)を確保するために、高強度鋼板やアルミ合金を活用したバッテリーケース構造技術が高度化しています。
貿易規制動向:
米国や欧州、中国など主要市場における関税・非関税障壁(米国のSection 232関税、欧州の反ダンピング関税、中国の輸出許可制限など)がサプライチェーンに影響を与えています。特に、米国向け自動車用鋼板・アルミ合金製品については高関税が課されるため、国内素材メーカーは価格競争力低下リスクを抱えています。これを回避するために、完成車メーカーや部品メーカーは東南アジア、メキシコなどFTA/EPA活用が可能な地域への調達シフトや生産移管を検討しています。また、ロシア・ウクライナ情勢による原料供給不安定化が銅・ニッケルなど非鉄金属市況に影響を与え、代替素材開発やサプライヤー多様化が急務となっています。
技術動向:
高張力鋼・多相鋼の進化:第3世代AHSSやマルチフェーズ鋼の開発により、延性・強度バランスが改善され、成形加工中のひずみ制御が容易になりました。これにより複雑形状部品のプレス加工適用が拡大し、車体形状の自由度向上と重量削減が両立しています。
アルミニウム合金技術:高リサイクル率を維持しながら強度を高めた7系・6系合金の成形性改良、アルミ押出材の異形断面最適化、新潟解析技術を活用した押出・鍛造プロセスのシミュレーション技術などが実用化されています。また、アルミニウムリチウム合金の電気化学的安定性向上により、EVバッテリーケース向け材の開発が進行中です。
アディティブ・マニュファクチャリング(3Dプリンティング):チタン合金部品やアルミ合金部品を対象とした積層造形技術が試験導入されており、複雑形状・中空構造部品の軽量化と部品点数削減に貢献しています。ただし量産適用はまだ限定的であり、コスト低減と品質安定化が課題です。
異材接合技術:鋼板とアルミ合金、アルミとマグネシウム、アルミと樹脂などの異種材料接合技術(レーザー接合、摩擦攪拌接合、超音波接合)開発が活発であり、部品一体化や強度確保、耐食性向上を目的とした部品設計が進化しています。特に、Bピラーやフロアセンタービームなどに鋼とアルミを併用したハイブリッド構造の採用が増加しています。
コーティング・表面処理技術:亜鉛めっき鋼板(GA、GI)やアルミニウム板向けパッシベーション処理、陰極電着塗装(ED塗装)などが進化し、部品防錆性・耐候性の強化が図られています。EVバッテリーケース部品では、外部腐食からシール性能を維持するための高機能コーティング技術が求められています。
■目次
はじめに
――――――――――――――――――――――――――
1.1 調査レポートの背景と目的
1.1.1 日本における自動車産業の動向と金属需要の変遷
1.1.2 カーボンニュートラル政策と軽量化ニーズの高まり
1.1.3 本レポートの目的およびカバレッジ範囲
1.1.4 レポートコード、発行時期、版情報
1.2 調査対象期間と基準年
1.2.1 過去分析期間:2018年–2022年
1.2.2 基準年:2023年
1.2.3 予測期間:2024年–2030年
1.2.4 データ収集・処理における前提条件
1.3 対象読者と活用方法
1.3.1 自動車金属メーカーおよび材料サプライヤー向け戦略立案支援
1.3.2 自動車メーカーの設計部門・購買部門のマーケティング資料
1.3.3 政府機関、業界団体の政策検討資料としての利用方法
1.3.4 金属リサイクル業者、研究機関・コンサルティング企業向け情報
――――――――――――――――――――――――――
2.1 二次調査(デスクリサーチ)
3.1 表一覧
3.2 図一覧
4.1 用語定義一覧
――――――――――――――――――――――――――
5.1 主要調査結果サマリー
5.1.1 日本自動車用金属市場の規模と年平均成長率予測(2024–2030年)
5.1.2 セグメント別市場動向(素材別、用途別、自動車タイプ別)総括
5.1.3 主要プレーヤーの市場シェアと競争環境サマリー
5.1.4 市場を牽引する主要要因と抑制要因の概要
5.2 市場ハイライト
5.2.1 カーボンニュートラル政策下における軽量化トレンド
5.2.2 電動車(EV/HEV)普及による金属需要変化のポイント
5.2.3 インド、東南アジア向け輸出拡大の可能性
5.2.4 金属リサイクル率向上とサーキュラーエコノミーの動向
5.2.5 競合環境におけるM&A・アライアンス動向
5.3 課題および機会
5.3.1 鋼鉄からアルミ・マグネシウムへの代替加速による課題
5.3.2 供給網リスク(原材料調達、サプライヤー分散化)の深刻化
5.3.3 先進高張力鋼・複合材料開発の技術的・コスト的壁
5.3.4 新興技術(3Dプリンティング、Additive Manufacturing)活用機会
5.3.5 環境規制強化によるリサイクルソリューションのビジネス機会
市場概要と定義
――――――――――――――――――――――――――
6.1 市場定義と範囲
6.1.1 自動車用金属市場の定義(新車生産向け、リサイクル市場含む)
6.1.2 対象製品範囲:鋼鉄、アルミニウム、マグネシウム、銅、亜鉛、複合材料など
6.1.3 用途範囲:車体構造部品、エンジン部品、シャーシ部品、ホイール、内装部品、電装部品など
6.1.4 地理的範囲:日本国内市場(都道府県別分析を含む)
6.2 製品分類
6.2.1 素材別分類
6.2.1.1 鋼鉄(一般鋼、高張力鋼、超高張力鋼)
6.2.1.2 アルミニウム(1000系、5000系、6000系、7000系合金)
6.2.1.3 マグネシウム合金(AZ系、WE系、ZE系)
6.2.1.4 銅および銅合金(黄銅、青銅、リン脱酸銅など)
6.2.1.5 亜鉛および亜鉛合金(亜鉛ダイカスト合金など)
6.2.1.6 複合材料(金属マトリックス複合材料、ハイブリッド部材)
6.2.1.7 その他特化型金属(ステンレス鋼、チタン合金など)
6.2.2 用途別分類
6.2.2.1 車体構造部品(フレーム、クロスメンバー、ボディパネル)
6.2.2.2 エンジン・パワートレイン部品(シリンダーブロック、シリンダーヘッド、ピストン、クランクシャフト)
6.2.2.3 シャーシ部品(サスペンションアーム、スタビライザー、ステアリング部品)
6.2.2.4 ホイール・ブレーキ部品(ホイールリム、ディスクローター、キャリパー)
6.2.2.5 内装部品(金属フレーム、シート構造、インパネサポート)
6.2.2.6 電装部品(金属ヒートシンク、バッテリーケース、モーターケース)
6.2.2.7 排気系・冷却系部品(エキゾーストマニホールド、ラジエータータンク、インタークーラーコア)
6.2.2.8 補助部品(ファスナー類、ブラケット、ヒンジ、クリップ)
6.2.3 自動車タイプ別分類
6.2.3.1 乗用車(セダン、ハッチバック、SUV、スポーツカー)
6.2.3.2 軽自動車(ボックス型、ワゴン型、スポーツタイプ)
6.2.3.3 商用車(トラック・バス)
6.2.3.4 電動車(EV:Battery Electric Vehicle、HEV:Hybrid Electric Vehicle、PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)
6.2.3.5 特殊車両(建設機械、農業機械、特殊用途車両など)
6.3 市場構造とバリューチェーン
6.3.1 上流:原材料供給(鉄鉱石、アルミナ、マグネシウム鉱石、銅鉱石など)
6.3.2 中流:素材メーカー(鋼板メーカー、アルミインゴットメーカー、マグネシウム合金メーカー)
6.3.3 下流:部品メーカー(Tier1サプライヤー、Tier2部品サプライヤー)
6.3.4 エンドユーザー:自動車メーカー(完成車生産工場)
6.3.5 リサイクル・再資源化プロセス(解体業者、リサイクル業者、素材再生業者)
6.3.6 付加価値サービス:設計コンサルティング、材料評価・検査サービス、 heat treatment・表面処理受託サービス
6.3.7 流通チャネル:直接販売、商社卸売、オンライン市場、リサイクル業者間取引
6.4 市場規模・予測手法
6.4.1 市場規模算定の手法概要(出荷量ベース、金額ベース)
6.4.2 過去データ集計方法(政府・業界統計、公的データ、アンケート結果の統合)
6.4.3 予測モデル構築と仮定条件(経済成長率、自動車生産台数予測、環境規制動向)
6.4.4 定量分析手法:回帰分析、タイムシリーズ分析、需給バランスモデル
6.4.5 定性分析手法:専門家インタビュー、SWOT分析、PEST分析
6.4.6 感度分析の方法論(原材料価格変動シナリオ、EV普及シナリオ、規制強化シナリオ)
市場動向分析
――――――――――――――――――――――――――
7.1 市場促進要因(ドライバー)
7.1.1 カーボンニュートラル目標と自動車軽量化ニーズの加速化
7.1.2 EV/HEV/FCV普及による新素材ニーズの拡大
7.1.3 軽量高強度材料技術の進化(AHSS、アルミ合金、複合材料)
7.1.4 安全規制強化(衝突安全基準、歩行者安全基準)による高強度鋼需要増加
7.1.5 政府助成金・補助金(EV購入補助、リサイクル奨励金)による市場活性化
7.2 市場抑制要因(リストレイント)
7.2.1 原材料価格変動(鉄鉱石、アルミ、マグネシウム)の供給不安
7.2.2 グローバルサプライチェーン断絶リスク(地政学リスク、輸入依存度)
7.2.3 技術的・コスト的壁(マグネシウム・複合材料の大量生産困難)
7.2.4 中古車市場拡大による新車生産減少リスク
7.2.5 環境規制強化によるリサイクルプロセス・設備投資コスト増大
7.3 市場機会
7.3.1 EV/HEV用バッテリーケース・モーターケース向けアルミ・マグネシウムの採用機会
7.3.2 自動運転車向けセンサーハウジング・軽量シャーシ部材のニーズ拡大
7.3.3 スマートマニュファクチャリング(IoT/AI)を活用した生産最適化機会
7.3.4 リサイクル技術革新(高純度金属回収、自動選別システム)によるコスト低減機会
7.3.5 高付加価値材料開発(耐熱鋼、耐食アルミ合金、FRP/アルミ複合材など)
7.4 技術動向
7.4.1 AHSS・UHSS(Ultra High Strength Steel)の進化と用途拡大
7.4.2 6000系・7000系アルミニウム合金の成形・接合技術革新
7.4.3 マグネシウム合金の軽量化設計と防食処理技術
7.4.4 銅合金・銅系材料の電装部品向け応用技術(電導性向上、放熱性能)
7.4.5 複合材料(MMC、CFRP/アルミハイブリッドなど)の車体適用事例
7.4.6 Additive Manufacturing(3Dプリンティング)による試作・生産技術動向
7.4.7 製造工程の最適化(熱処理、表面処理、接合技術)の重要ポイント
7.4.8 材料特性評価技術(疲労試験、衝撃試験、耐腐食性評価)の進展
7.5 競争トレンドとイノベーション
7.5.1 オープンイノベーション(大学・研究機関連携)による技術革新事例
7.5.2 スタートアップ企業の新素材開発状況(ナノ構造アルミ、超軽量鋼など)
7.5.3 大手素材メーカーと自動車メーカーの共同開発・提携事例
7.5.4 M&A・アライアンス動向(グローバル企業間統合、資本提携)
7.5.5 環境技術認証(SDGs、エコラベル)取得競争の動向
セグメント別市場分析
――――――――――――――――――――――――――
8.1 素材別分析
8.1.1 鋼鉄
8.1.1.1 製品概要と主要用途(ボディ、シャーシ、サブフレームなど)
8.1.1.2 一般鋼と高張力鋼の違いおよび市場構造
8.1.1.3 AHSS・UHSSの技術特性と自動車適用事例
8.1.1.4 鉄鋼市場規模推移(2018–2023年)および予測(2024–2030年)
8.1.1.5 主要鋼板メーカーの生産拠点分布・競争優位性比較
8.1.1.6 製造コスト構造と価格帯分析
8.1.2 アルミニウム
8.1.2.1 製品概要と主要用途(ホイール、ボディパネル、エンジン部品など)
8.1.2.2 6000系・7000系アルミ合金の特性比較と用途別適用事例
8.1.2.3 アルミ鋳造・押出・鍛造技術の進化と自動車向け生産動向
8.1.2.4 アルミ市場規模推移(2018–2023年)および予測(2024–2030年)
8.1.2.5 主要アルミインゴットメーカーおよび二次圧縮メーカーの競争状況
8.1.2.6 アルミコスト構造と市況要因(電力コスト、スクラップ供給など)
8.1.3 マグネシウム
8.1.3.1 製品概要と主要用途(バッテリーケース、ダイカスト部品など)
8.1.3.2 AZ系・WE系・ZE系合金の特性比較と防食処理技術
8.1.3.3 ダイカスト製法の技術動向と大型部品適用事例
8.1.3.4 マグネシウム市場規模推移(2018–2023年)および予測(2024–2030年)
8.1.3.5 主要マグネシウム合金メーカーおよびリサイクル事業者の概要
8.1.3.6 マグネシウムコスト構造と価格変動要因
8.1.4 銅系合金
8.1.4.1 製品概要と主要用途(電装部品、配線、ラジエーターコアなど)
8.1.4.2 黄銅(C17510)、青銅(C93200)などの特性と自動車適用事例
8.1.4.3 銅合金市場規模推移(2018–2023年)および予測(2024–2030年)
8.1.4.4 主要銅合金メーカーおよび製造技術動向
8.1.4.5 銅コスト構造と市況要因(銅価格、為替など)
8.1.5 亜鉛系合金
8.1.5.1 製品概要と主要用途(ダイカスト部品、エンブレム、装飾部品など)
8.1.5.2 亜鉛合金市場規模推移(2018–2023年)および予測(2024–2030年)
8.1.5.3 主要亜鉛メーカーおよびダイカスト技術動向
8.1.5.4 亜鉛コスト構造と市況要因(鉱石コスト、リサイクル供給)
8.1.6 複合材料
8.1.6.1 製品概要と主要用途(金属マトリックス複合材、CFRP/アルミ複合など)
8.1.6.2 製造技術(粉末冶金、ソリッド・リキッド混合プロセスなど)
8.1.6.3 複合材料市場規模推移(2018–2023年)および予測(2024–2030年)
8.1.6.4 主要複合材料メーカーおよび研究開発動向
8.1.6.5 複合材料コスト構造と課題(設備投資、歩留まりなど)
8.1.7 その他特化型金属(ステンレス鋼、チタン合金など)
8.1.7.1 製品概要と主要用途(排気系部品、高級車向け部品など)
8.1.7.2 市場規模推移(2018–2023年)および予測(2024–2030年)
8.1.7.3 主要メーカーおよび技術開発動向
8.1.7.4 コスト構造と価格競争要因
8.2 用途別分析
8.2.1 車体構造部品向け金属市場
8.2.1.1 車体構造部品の役割と設計要件(剛性、安全性、軽量化)
8.2.1.2 高張力鋼とアルミ合金の適用比較事例(フロントピラー、ルーフレールなど)
8.2.1.3 車体部品向け金属市場規模推移(2018–2023年)および予測(2024–2030年)
8.2.1.4 主要自動車メーカーの車体構造設計動向(マルチマテリアル構造など)
8.2.1.5 供給サプライヤー別生産能力・実績比較
8.2.2 エンジン・パワートレイン部品向け金属市場
8.2.2.1 エンジン部品設計要件(耐熱性、耐摩耗性、強度)
8.2.2.2 鋳鉄、アルミ合金、マグネシウム合金のエンジン部品適用事例
8.2.2.3 エンジン部品向け金属市場規模推移(2018–2023年)および予測(2024–2030年)
8.2.2.4 電動パワートレイン向け金属適用事例(モーターケース、インバータケースなど)
8.2.2.5 主要部品サプライヤーの技術・生産能力比較
8.2.3 シャーシ部品向け金属市場
8.2.3.1 シャーシ部品の役割と設計要件(剛性、疲労耐久性、衝撃吸収性)
8.2.3.2 鋼管、プロセスフォーミング、アルミ押出技術の比較
8.2.3.3 シャーシ部品向け金属市場規模推移(2018–2023年)および予測(2024–2030年)
8.2.3.4 サスペンションアーム、ステアリング部品向け金属適用事例
8.2.3.5 供給サプライヤー別生産能力・技術比較
8.2.4 ホイール・ブレーキ部品向け金属市場
8.2.4.1 ホイール設計要件(強度、軽量化、デザイン性)
8.2.4.2 鋳造アルミ、鍛造アルミ、マグネシウム合金ホイールの比較
8.2.4.3 ホイール市場規模推移(2018–2023年)および予測(2024–2030年)
8.2.4.4 ブレーキディスク・キャリパー向け鋳鉄・アルミ合金適用事例
8.2.4.5 主要サプライヤーの生産能力・技術動向
8.2.5 内装部品向け金属市場
8.2.5.1 内装部品設計要件(軽量化、耐久性、意匠性)
8.2.5.2 内装フレーム、インパネサポート向け鋼鉄・アルミ合金比較
8.2.5.3 内装部品向け金属市場規模推移(2018–2023年)および予測(2024–2030年)
8.2.5.4 加工技術(プレス成形、レーザ加工、曲げ加工など)の適用事例
8.2.5.5 主要サプライヤーの技術・生産能力比較
8.2.6 電装部品向け金属市場
8.2.6.1 電装部品設計要件(熱管理、電磁遮蔽、軽量化)
8.2.6.2 銅合金、アルミ合金、複合材料ヒートシンク適用事例
8.2.6.3 電動車向けバッテリーケース・モーターケース向け材料市場規模推移(2018–2023年)および予測(2024–2030年)
8.2.6.4 主要サプライヤーの技術・生産能力比較
8.2.7 排気系・冷却系部品向け金属市場
8.2.7.1 排気系設計要件(耐熱性、耐腐食性、軽量化)
8.2.7.2 ステンレス鋼、アルミ合金、銅合金ラジエータータンク適用事例
8.2.7.3 排気系・冷却系金属市場規模推移(2018–2023年)および予測(2024–2030年)
8.2.7.4 主要サプライヤーの技術・生産能力比較
8.2.8 補助部品向け金属市場
8.2.8.1 ファスナー、ブラケット、ヒンジ類の設計要件(強度、耐久性、成形性)
8.2.8.2 鋼鉄、アルミ合金、銅系合金の適用事例
8.2.8.3 補助部品向け金属市場規模推移(2018–2023年)および予測(2024–2030年)
8.2.8.4 主要サプライヤーの技術・生産能力比較
8.2.9 用途別需要予測まとめ(2024–2030年)
8.3 自動車タイプ別分析
8.3.1 乗用車向け金属市場
8.3.1.1 セダン・ハッチバック・SUVの設計要件と金属需要特性
8.3.1.2 乗用車向け金属市場規模推移(2018–2023年)および予測(2024–2030年)
8.3.1.3 主要モデル別金属使用量比較(重量ベース)
8.3.1.4 主要自動車メーカー別部品設計動向(テスラ、トヨタ、ホンダ、日産など)
8.3.1.5 乗用車向け金属市場における競合環境分析
8.3.2 軽自動車向け金属市場
8.3.2.1 軽自動車の設計要件とコスト制約による金属選択
8.3.2.2 軽自動車向け金属市場規模推移(2018–2023年)および予測(2024–2030年)
8.3.2.3 主要軽自動車モデル別金属使用量比較
8.3.2.4 軽自動車向け金属市場の競合環境分析
8.3.3 商用車向け金属市場
8.3.3.1 トラック・バスの設計要件(耐荷重、耐久性、安全性)
8.3.3.2 商用車向け金属市場規模推移(2018–2023年)および予測(2024–2030年)
8.3.3.3 電動商用車向け金属需要の特徴(バッテリー搭載、強化車体など)
8.3.3.4 主要商用車メーカー別金属使用量比較
8.3.3.5 商用車向け金属市場における競合環境分析
8.3.4 EV/HEV向け金属市場
8.3.4.1 EV/HEVの設計要件(バッテリー効率、安全性、軽量化)
8.3.4.2 EV/HEV向け金属市場規模推移(2018–2023年)および予測(2024–2030年)
8.3.4.3 バッテリーケース・モーターケース向け材料需要動向
8.3.4.4 主要EV/HEVモデル別金属使用量比較
8.3.4.5 EV/HEV向け金属市場における競合環境分析
8.3.5 特殊車両・産業車両向け金属市場
8.3.5.1 建設機械・農業機械の金属需要特性(耐久性、耐磨耗性)
8.3.5.2 特殊車両向け金属市場規模推移(2018–2023年)および予測(2024–2030年)
8.3.5.3 軽量化および耐荷重設計技術の適用事例
8.3.5.4 主要特殊車両メーカー別金属使用量比較
8.3.5.5 特殊車両向け金属市場における競合環境分析
地域別市場動向
――――――――――――――――――――――――――
9.1 北海道・東北地域
9.1.1 自動車用金属生産・出荷金額推移(2018–2022年)
9.1.2 地域産業(自動車部品、金属素材メーカー)の集積状況と金属需要特徴
9.1.3 再資源化・リサイクルインフラ整備状況と回収率動向
9.1.4 地方自治体支援施策(補助金、産業振興策)の影響
9.1.5 北海道・東北地域における主要サプライヤー拠点分布
9.2 関東・甲信越地域
9.2.1 自動車用金属生産・出荷金額シェア(2022年)および成長率比較
9.2.2 自動車メーカー工場分布(トヨタ、日産、ホンダ等)と金属需要集中度
9.2.3 部品メーカークラスター(埼玉県、茨城県など)の役割と金属需要傾向
9.2.4 リサイクル・再資源化拠点の整備状況と連携モデル
9.2.5 ET脆弱性(地震、台風)の影響とBCP対策事例
9.3 中部・北陸地域
9.3.1 自動車用金属生産・出荷金額推移(2018–2022年)および成長要因
9.3.2 トヨタグループ、SUBARU、マツダなどメーカー拠点と金属需要状況
9.3.3 部品サプライヤー(大手および地場中小メーカー)の分布と技術競争力
9.3.4 リサイクルインフラ(スクラップ工場、中間処理拠点)の状況
9.3.5 地方自治体連携による物流最適化事例
9.4 近畿地域
9.4.1 自動車用金属生産・出荷金額シェア(2018–2022年)および成長要因
9.4.2 三菱自動車、日野自動車、マツダ関西拠点などメーカー影響度
9.4.3 部品サプライヤークラスター(大阪、兵庫、京都など)の技術競争力
9.4.4 リサイクル・再資源化拠点の分布と回収連携メカニズム
9.4.5 地方自治体支援施策(補助金、産業振興プログラム)の影響
9.5 中国・四国地域
9.5.1 自動車用金属生産・出荷金額推移(2018–2022年)および成長要因
9.5.2 マツダ、スズキ、ヤマハ発動機などメーカー影響度と金属需要傾向
9.5.3 部品サプライヤーのクラスター形成状況と技術力
9.5.4 リサイクル・再資源化拠点の状況と回収ネットワーク
9.5.5 地方自治体サポートプログラム(技術研修、補助金)の効果
9.6 九州・沖縄地域
9.6.1 自動車用金属生産・出荷金額シェア(2018–2022年)および成長要因
9.6.2 日産、ホンダ、マツダの九州拠点と金属需要状況
9.6.3 部品サプライヤーの集積度合いと技術競争力
9.6.4 リサイクル・再資源化拠点の整備状況と連携モデル
9.6.5 地方自治体による産業連携支援事業(補助金助成、技術支援)の影響
競合環境分析
――――――――――――――――――――――――――
10.1 日本国内主要素材メーカー一覧
10.1.1 JFEスチール株式会社
10.1.1.1 企業概要と沿革
10.1.1.2 自動車用鋼板製品ラインナップと技術概要
10.1.1.3 2022年度売上高および市場シェア
10.1.1.4 AHSS・UHSS開発動向および提携先企業事例
10.1.1.5 海外展開状況と輸出比率
10.1.2 日本製鉄株式会社(Nippon Steel)
10.1.2.1 企業概要とスチール事業の位置づけ
10.1.2.2 自動車用鋼板製品ラインナップと技術特性
10.1.2.3 2022年度売上高および市場シェア
10.1.2.4 AHSS・UHSS開発動向と共同開発事例
10.1.2.5 国内外生産拠点分布と輸出比率
10.1.3 UACJ株式会社(旧神戸製鋼アルミ事業部門)
10.1.3.1 企業概要とアルミ事業の沿革
10.1.3.2 自動車用アルミ製品ラインナップ(鋳造、押出、鍛造)
10.1.3.3 2022年度売上高および市場シェア
10.1.3.4 高強度アルミ合金開発動向と提携事例
10.1.3.5 国内外生産拠点分布と輸出比率
10.1.4 三菱マテリアル株式会社(Mitsubishi Materials)
10.1.4.1 企業概要とマグネシウム事業の位置づけ
10.1.4.2 自動車用マグネシウム合金製品ラインナップ
10.1.4.3 2022年度売上高および市場シェア
10.1.4.4 マグネシウム合金開発動向と提携事例
10.1.4.5 国内外生産拠点分布と輸出比率
10.1.5 古河機械金属株式会社(Furukawa Co., Ltd.)
10.1.5.1 企業概要と銅合金事業の沿革
10.1.5.2 自動車用銅合金製品ラインナップ(電装部品向け)
10.1.5.3 2022年度売上高および市場シェア
10.1.5.4 電装用銅合金開発動向と提携事例
10.1.5.5 国内外生産拠点分布と輸出比率
10.1.6 古河電工株式会社(Furukawa Electric)
10.1.6.1 企業概要と銅・銅合金事業の沿革
10.1.6.2 自動車用電装部品向け銅製品ラインナップ
10.1.6.3 2022年度売上高および市場シェア
10.1.6.4 電装用銅合金開発動向と提携事例
10.1.6.5 国内外生産拠点分布と輸出比率
10.1.7 トピー工業株式会社(Topy Industries)
10.1.7.1 企業概要と複合材料・鋳造事業の沿革
10.1.7.2 自動車用鋳造部品ラインナップ(アルミ、マグネシウム)
10.1.7.3 2022年度売上高および市場シェア
10.1.7.4 新素材開発動向と共同開発事例
10.1.7.5 国内外生産拠点分布と輸出比率
10.1.8 中堅・中小素材メーカー紹介
10.1.8.1 中堅メーカーA(仮称)
10.1.8.1.1 企業概要と鋼板加工技術の特徴
10.1.8.1.2 自動車向け製品ラインナップと市場シェア
10.1.8.1.3 R&D体制および共同開発事例
10.1.8.1.4 地場中堅サプライヤーとしての競争力
10.1.8.2 中小メーカーB(仮称)
10.1.8.2.1 企業概要とアルミ押出・鍛造技術の特徴
10.1.8.2.2 自動車向け製品ラインナップと市場シェア
10.1.8.2.3 共同受注センター活用によるコスト競争力
10.1.8.2.4 地場中小サプライヤーとしての競争力強化策
10.1.8.3 新興スタートアップ企業(仮称)
10.1.8.3.1 企業概要と新素材・新技術開発背景
10.1.8.3.2 プロトタイプ事例(ナノ構造アルミ、超軽量鋼など)
10.1.8.3.3 資金調達状況および投資家動向
10.1.8.3.4 大手企業との提携・共同開発事例
10.2 競争要因分析(ポーターの5フォース)
10.2.1 新規参入の脅威(設備投資コスト、技術的参入障壁)
10.2.2 代替品の脅威(CFRP、プラスチック複合材料など)
10.2.3 供給者の交渉力(原材料サプライヤーの集中度、価格変動リスク)
10.2.4 買い手の交渉力(自動車メーカーの価格交渉力、ディスカウント要請)
10.2.5 競合他社間の競争度合い(差別化要素、価格競争、技術競争)
10.3 M&A・技術提携動向
10.3.1 直近3年間の代表的なM&A事例(国内外の素材メーカー買収、統合事例)
10.3.2 合弁事業・技術提携の事例分析(自動車メーカーとの共同開発など)
10.3.3 スタートアップとのオープンイノベーション事例(新素材・製造技術開発)
10.3.4 大手素材メーカー間の共同購買・共同物流システム構築事例
10.4 市場シェア分析
10.4.1 素材別市場シェア(鋼鉄、アルミニウム、マグネシウム、銅系、亜鉛系、複合材料)
10.4.2 用途別市場シェア(車体構造、エンジン部品、シャーシ、ホイール、内装、電装、排気系など)
10.4.3 自動車タイプ別市場シェア(乗用車、軽自動車、商用車、EV/HEV、特殊車両)
10.4.4 地域別市場シェア(都道府県別主要6エリア)
10.4.5 価格帯別市場シェア(高強度鋼、アルミ合金、マグネシウム合金など)
価格・コスト構造分析
■レポートの詳細内容・販売サイト
https://www.marketresearch.co.jp/MRC-BF04D004-Japan-Automotive-Metals-Market-Overview/
■その他、Bonafide Research社調査・発行の市場調査レポート一覧
https://www.marketresearch.co.jp/bonafide-research-reports-list/
■ (株)マーケットリサーチセンタ-について
拠点:〒105-0004 東京都港区新橋1-18-21
企業サイト:https://www.marketresearch.co.jp
ビジネス内容:産業調査レポートの作成・販売
お問い合わせ:info@marketresearch.co.jp